「不動産運用」と聞くと、大がかりな投資を思い浮かべる方も多いと思います。
実際にそうなのですが、うまく運べば、大きな投資に見合う利益を手にすることも可能ですから、ノウハウがあれば誰もが欲しがることでしょう。
定年後の資金不足も、安定した不動産収入があれば心強いですね。
この記事では、そんな不動産投資で儲けるために知っておきたいことをまとめました。
どうか万全の準備を持って成功をつかんでください。
目次
不動産運用とは
不動産運用とは、不動産を運用して資産を増やす投資法のことです。
一般的に不動産運用と言ったら、不動産賃貸や不動産売却のことを指します。
老後の年金不安が高まる今、“ミドルリスク・ミドルリターン”型の資産運用である不動産運用は大きな注目を集めており、最近では若いうちから始める方も増えています。
不動産を運用して儲ける2つの仕組み
不動産賃貸は、所有する建物(アパート、マンション等)を人に貸して家賃収入を得る運用方法、不動産売却は不動産を売却して値上がり益を得る運用方法です。
前者をインカムゲイン、後者をキャピタルゲインとよびます。
インカムゲイン(家賃収入)
インカムゲインは稼ぐというより、安定収入を得る運用方法といえます。
家賃は2年に1度の更新期に上げ下げできますが、周辺の不動産市況が動かなければ長く据え置きということも珍しくありません。
ほかの金融商品のように、景気や為替、金利の影響を受けにくいので、毎月一定の収入が見込まれる代わりに、大きく儲かる投資とはいえないでしょう。
月の収支は、固定的な家賃収入に対して、経費(管理費、修繕費、臨時的な出費)をどれだけ抑えられるかで決まります。
また、アパート、マンションを購入した際、ローンを組んでいれば、その返済額も必要経費となるので、空室状態が長く続くと赤字転落ということもありえます。
キャピタルゲイン(売買益)
キャピタルゲインとは、投資目的で不動産を購入し、価格が高騰したタイミングで売却して差益を得る不動産運用法です。
不動産価格が上り調子の時代やエリアであれば、売買収益を期待した投資が集中します。
実際にバブル熱狂期には、「不動産は買って売るもので人に貸すものではない」という考えが主流でした。
さすがに、現在では月々の長期的な家賃収入を狙った投資が専らですが、都内では2013年以降の中古マンション価格の趨勢的上昇を背景に、一部では投資熱も続いています。
他方、外国人投資家や富裕層は都心部の新築高級マンションを対象に活発な売買を展開するなど、バブル期とはまた違った不動産投資の様相となっているようです。
不動産運用のメリット
不動産投資のメリットとして、以下の6点が挙げられます。
不動産を活用して資産運用を図ろうという方は、目的や目標を立てる際の参考にしてください。
メリット①賃貸による家賃収入が入る
前述のインカムゲインですね。
マンション・アパート経営の場合、入居者から家賃収入を得ることができます。
家賃収入は、株やFXのように大きな価格変動はありません。
一気に大きなリターンを得ることはできませんが、不動産価値が急激に下がらない限り、ミドルリスク・ミドルリターンな投資が可能です。
空室になりにくい人気エリアや人気物件であることが条件ですが、経営が軌道に乗れば収入も安定し、将来の年金対策にもなります。
メリット②生命保険代わりになる
生命保険効果は、不動産投資ならではの特徴といえるでしょう
不動産の資産運用でローンを組む際は、通常の住宅ローンと同様に、団体信用生命保険に加入しなければなりません。
ローン契約者が万が一、事故や病気などで死亡してしまったり、重篤な後遺症が残ったりした場合に、生命保険でローン残高を支払うためです。
ローンがなくなれば、残されたマンションは財産として家族が譲り受けることになり、入居者がいるかぎりは、半永久的に家賃収入を得ることが可能です。
このように、不動産投資で団信に加入すると、投資リスクの軽減や家族に資産のみを遺せるといった2つのメリットがあるため、安心して不動産投資に臨めます。
メリット③税金対策ができる
不動産投資は減価償却ができます。
実際の出費とは関係なく費用として計上できるため、最終的に所得税などの税額を削減することが可能です。
また、不動産を活用した資産運用で赤字になった場合、そのほかの収入と損益通算ができるのもメリットです。
不動産を活用した資産運用はさまざまな初期経費によって赤字になることも多く、損益通算によって所得税や住民税が減額される場合も少なくありません。
もちろん、相続税の節税効果も大きいです。
現金や株式よりも収益用の不動産として残したほうが、相続税評価額が低く算出されるので、相続の際に有利なのです。
メリット④インフレ対策ができる
現物の不動産を保有すると、インフレに強いポートフォリオを作ることができます。
インフレによって価値が目減りしてしまう現預金と違い、不動産のような現物資産は物価上昇に合わせて価格が上昇するため、資産の目減りを防ぐことができるからです。
不動産の実売価格だけではなく、家賃収入もインフレに応じて上がっていきます。
ただし、デフレ時にはこれとは逆に現金の価値が上がり資産価値が減じる現象が起きます。
メリット⑤少ない資金で大きな投資効果を狙える
不動産投資では、借入金、すなわちローンを組んで物件を購入するやり方も一般的に行われます。
この不動産投資ローンを活用することで、自己資金が少なくても不動産投資ができるわけですが、その際、融資をうまく活用すれば投資効率をより高められます。
これをレバレッジと言いますが、レバレッジを効かせることで自己資金のみでの投資では得られない利益も狙えるのです。
メリット⑥不動産会社に管理を一任できる
物件購入後は、不動産管理会社に管理を委託することで物件管理の手間を削減する方も多いです。
このあたり、サラリーマンの副業としても最適とされるゆえんでしょう。
ただし、大事な不動産管理を委託する管理会社ですから、慎重に選ばないと投資に失敗するリスクが高まってしまいます。
信頼できる不動産管理会社選びのポイントを挙げると、“客付け力”と“豊富な管理実績”があるかどうかといった点が浮かび上がります。
客付け力とは、賃貸物件に空室が生じた場合にすぐに入居者を見つけてくれるかという不動産会社の実力が試される力のことです。
不動産賃貸ポータルサイトへの掲載や、ほかの管理物件の入居率の高さを調べて、その会社の客付け力を判断しましょう。
豊富な管理実績を有する管理会社を選ぶことも大切です。
実績が多いほど管理のノウハウを持っていたり、トラブル等に対応できるスタッフが揃っていたりする可能性が高いので安心です。
不動産運用のリスク
株式投資などと同様に、不動産投資にもリスクが存在します。
安易に決断することなく、よく理解したうえで不動産運用に臨むことが大切です。
不動産投資のリスク・デメリットとして押さえておきたいのは、次の7点です。
空室リスクがある
賃貸事業でもっとも大きなリスクは、空室です。
空室期間は家賃収入がゼロになってしまうので、退去から新規入居までの期間(空室率)が長くなるのはできるだけ避けなければなりません。
空室が長期化するほど損失は膨らんでしまうので、空室が発生する理由を分析し、対策を打ちましょう。
なかなか次の借り手が見つからない賃貸物件の特徴は、一般的に「賃貸需要が少ないエリアに立地」「家賃が相場より割高」「最寄り駅から遠い」「住環境が悪い」の4つです。
所有する物件がこうした環境にある場合は、家賃を下げるなどしてデメリットを薄めるほかに、早期入居を促す手立てはありません。
一般的に、2~4年といったサイクルで入居者が退去してしまう学生向けの物件などは、空室リスクが高いですが、流動性も高いので長期間空室が続くケースは少ないといえます。
賃料下落リスクがある
前述のように空室が長く続いたり、周辺の競合物件が賃料を引き下げたり、また建物の老朽化が進んだり場合、家賃を引き下げざるを得ないリスクに直面します。
このように、投資を始めた当初よりも賃料が下落し、想定した利回りを実現できない可能性があるのが不動産運用であり、そのことは想定しておかないといけません。
滞納リスクがある
数としては少ないですが、入居者が家賃を滞納して、収入が減少する事態も頭の片隅に入れておくと、いざというときに慌てなくて済みます。
入居者とのトラブルに発展するケースも少なくあるので、不動産会社にあいだに入ってもらって解決を図りましょう。
こうしたトラブルを避けるためには、家賃の前払いという手段もあるので、検討してみるのもよいかもしれません。
金利上昇リスクがある
不動産物件は長期ローンを組んで購入するケースが大半ですが、変動金利を選択した場合は金利上昇によって返済負担が大きくなることも考慮しておきましょう。
低金利で借り入れできる現在は、変動金利型のローン商品が中心ですが、日銀のマイナス金利政策放棄で将来的に金利上昇の可能性が高いといえます。
金利が上昇すると返済金は増額し、家賃収入からの手取りが減少するので、実質的な利回りは低下します。
修繕リスクがある
不動産物件は経年劣化によって老朽化していくため、修繕費用がかかることは避けられません。
特に、中古の不動産物件を購入すると早い段階で修繕費が発生します。
物件の老朽化や災害があった際の修繕費用は、オーナーの自己負担となり、これも不動産活用による資産運用のリスクの一つです。
区分マンションを所有している場合も、共用部の管理・修理費は住民が平等に負担しますが、部屋の経年劣化による修繕費はオーナー負担になるので注意が必要です。
災害リスクがある
日本は自然災害が多い国ですから、地震・津波などの自然災害や火災によって不動産物件が被災するリスクも想定しておく必要があります。
ハザードマップの確認や保険加入が重要なポイントです。
修復や再建にかかる費用負担を軽減するには、損害保険への加入が有益ですが、保険料の支払いが高すぎると、万が一のための出費という使途とのバランスがとれなくなります。
自然災害への備えは重要ですが、日々の出費も考慮して保険料を決めましょう。
売却価格下落リスクがある
不動産の取引価格は需要の低下によって、下落し売却時に大きな損失を抱える可能性もあります。
前述のキャピタルゲインの逆の売買損です。
物件エリアの需要を見極めつつ、売却のタイミングを判断するしかありません。
この「売りたいときにすぐに売れる」状況を不動産物件の流動性が高いといい、「いざ売ろうとしたときになかなか売れない」状況を流動性が低いと言います。
不動産物件の流動性は、需要の大小、物件の老朽化の進み具合のほか、金利の上昇や景気動向といった経済要因にも左右されます。
不動産が動かない時期に売りに出すと、価格を下げてもなかなか売れずに焦り売り、そして更なる下落という悪循環に陥りがちです。
特に、不動産仲介会社選びを間違えると相場より安い金額で売り出されてしまうので、あまり弱気になっているところを見せてはいけません。
できるだけ納得できる金額で売却するためには、「不動産一括査定サービス」を利用し、複数の不動産仲介会社に査定を依頼するのがおすすめです。
不動産運用が向いている人
不動産を活用した資産運用が向いているのは、どのようなタイプでしょうか。
例を挙げると、計画性があり継続的に勉強する姿勢を崩さぬ人、不動産会社とのコミュニケーション能力がある人などでしょうか。
不動産運用という、手間のかかる物件を扱うわけですから、楽をして収入を得たいとか、リスクを負わずに投資をしたいと思っている人には向いていないといえます。
節税しながら資産運用したい人
本来であれば全額負担になる税金も、確定申告の際に固定資産税・不動産取得税として計上すれば、課税対象額は大幅に少なくなり、節税することができます。
このように、固定資産に対して発生する税金を節約できる点は、有益なメリットです。
インフレ対策を考えている人
先ほども述べた通り、不動産物件はインフレに強く、現金で資産を持っているより、いろいろ融通が利きます。
物価が上がっているときに、不動産を売却して現金に替える、家賃を値上げして月々の収入を増やすなどの手もあります。
公的年金以外に収入の柱が欲しい人
“老後2.000万円問題”も喧伝されている昨今、「多少リスクを負ってでも資産を増やしたい」と考える人が増え、不動産投資はその有力な選択肢となっています。
安定した不動産賃貸収入を得られれば、「公的年金だけでは将来不安だ」という人も安心でしょう。
ローンを完済すれば、の条件付きですが、部屋の数だけの家賃が公的年金以外の収入源となります。
まとまった資金が必要なら売却することもできるので、不動産物件を一つ所有しているだけで、将来の生活設計はだいぶ変わってくるのではないでしょうか。
不動産運用で失敗しないために押さえておくポイント
不動産運用においては、長期的視点をもつ、分散投資、経済を学ぶ、リスク管理などは事前に押さえておきましょう。
信頼できる不動産仲介会社を選ぶことはもちろん、それ以外にも確認しておくべきポイントがあります。
それは、経済動向を知る、分散投資によるリスク管理、長期的視点による運用、不動産運用の知識を身につける、などです。
これらのポイントを学んでから資産運用に乗り出しましょう。
ポイント①社会情勢や経済動向をチェックする
空室の長期化や金利変動は、経済動向や社会情勢と密接に関係しており、変化の兆しを捉えたら事前の対策を立てておきたいものです。
不動産投資を成功させるためにはやはり、マクロ経済に関する知識が欠かせません。
新聞やネットニュースで近況をチェックし、不動産に与える影響を考える癖を身につけることをおすすめします。
ポイント②リスクに備えて分散投資をする
不動産によらず、投資のリスク管理で重要なのは、単一の物件、商品に資金を集中せずに複数へ分散を図ることです。
資産構成をポートフォリオと言いますが、不動産と株式・債権、エリアを変えた複数の不動産物件、単身世帯向けとファミリ―向けなどに資金を分散してリスクを下げるわけです。
ポイント③長期的視点で運用する
不動産投資は1年や2年で売買を繰り返す短期運用するより、数年、ときに数十年かけて着実に運用するものです。
目先の数字だけに捕らわれずに、将来的な資産形成を目標に長期運用を意識しましょう。
特に、投資を始めた当初はいろいろ経費がかさんで、赤字スタートということもあるはずです。
キャピタルゲインを狙ったものの、なかなか売り時に出会わなかったり、インカムゲインで収益増をもくろんだものの、空室が埋まらなかったり……。
そんな、いわゆる潮時が来ていないときに焦って動くとろくなことはありません。
不動産投資は、ときに“忍耐”を、ときに“模様眺め”を、投資者に迫ってくるものだと初めから意識しておくとよいでしょう。
ポイント④不動産運用の知識を身につける
不動産運用の手続きや管理業務等は不動産仲介会社に任せても、売買のタイミングや利益をいくらに設定するか、についての決定権と責任は自分にあります。
そのためには、不動産に関するある程度の専門知識をつけておかないと勝負になりません。
自分の所有する物件については、誰よりもプロになる、という心づもりで日々、必要な知識の習得に勤しみましょう。
ポイント⑤信頼できる不動産会社を探す
先ほども述べた通り、賃貸物件の仲介業者には、豊富な管理実績を持つ、信頼できる不動産会社を選びたいところです。
口コミで評判の良い賃貸専門の会社を探すのがコツです。
ネット上には「信頼できる賃貸の不動産会社ランキングTOP10」といった記事も出ているので参考にしてみてはいかがでしょうか。
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インフレに強い資産である不動産を所有すると、資産の目減りリスクを回避できるほか、ローンを組む際、生命保険代わりになる保険に加入できるというメリットもあります。
一方、メリットだけではなく、空き室、家賃下落、滞納、老朽化、災害のほか、買い手がつかないなど、対策が必要な多くのリスクもあり、楽をして儲かるわけではありません。
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