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駐車場経営の赤字の原因と対策を徹底解説!

        
公開日 2024.11.28 更新日 2024.12.11
    
駐車場経営 赤字

初期投資にかかる費用を抑えて、初心者でも手軽に始められる駐車場経営ですが、「収益性が低い」と聞いたことはありませんか?
経営状況によっては、赤字となり経営が継続できないケースがあります。

そこで本記事では、駐車場経営で赤字につながる原因を、経営種類ごとに解説します。
「初めての駐車場経営でも、常に黒字経営を安定させたい」とお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。

駐車場経営で赤字になる原因

冒頭でもご説明したように、駐車場経営はアパート経営やマンション経営といった駐車場経営と比べて、収益性が低いといわれています。

赤字になることにはさまざま原因が絡んでいますが、前提にきちんとした準備を怠ってしまうと、赤字になる可能性が高まります。
たとえば、そもそも需要がない土地で駐車場経営を始めてしまったり、使い勝手の悪いレイアウトにしたりすると、そもそも利用者が増えずに利益にもつながりません。

そのほか、固定資産税を確認せずに駐車場の料金を決めてしまうケースでも、赤字になりえます。
駐車場経営では、土地の固定資産税に減税処置がないため、そのまま課税されます。
つまり、料金が安すぎると収益につながらず、売上よりも固定資産税のほうが高くなり、赤字につながってしまうというわけです。

コインパーキング経営の赤字の原因5選

駐車場経営の種類は、コインパーキングと月極の2種類に大別されます。
ここでは、コインパーキング経営で赤字になるケースの原因を深掘りしていきます。

高額な設備費用の回収未達

コインパーキング経営を始めるには、看板類やフラップ板、ゲート機、精算機、照明などさまざまな設備が必要になります。
その設備にかける費用が高くなり、その費用分が回収しきれずに赤字に陥るケースは少なくありません。
赤字のリスクを減らすには、駐車場の広さに対して適切な設備投資を行うことが鉄則です。

コインパーキング経営の初期費用としては、フラップ式4台分で200万ほど、20台分であれば400万円ほどかかります。
駐車場の広さや設置台数など、細かな条件によって具体的な費用は異なりますが、100万円以上はかかるものとして想定しておくと間違いないでしょう。

経営を始める前に収益シミュレーションを実施して、年間の収入の目安を確認しておくことをおすすめします。

近隣競合のリサーチ不足

毎月固定のユーザーが利用する月極駐車場とは違い、毎日異なるユーザーが利用するコインパーキングでは、利用者の需要が何よりも大切です。

経営をスタートさせる前には、近隣にあるコインパーキングの状況を必ずリサーチしておきましょう。
ライバルとなる近隣のコインパーキングよりも、料金が高すぎると利用者が減って収益につながりませんし、逆に安すぎると利用者が多くとも大きな収益が得られません。

コインパーキング経営を始めるにあたって、近隣にコインパーキングがあるかどうかを一つの指標とされている方も多いかもしれませが、その際は稼働状況を把握してください。
たとえ近隣にコインパーキングがあったとしても、飽和状態であれば、経営が赤字になる可能性があります。

十分な利益を得るためには、経営を始めるエリアの選定がとても重要です。

出入りしにくい・停めにくい

所有している土地が狭小地であったとしても、経営を始められる魅力がある駐車場経営ですが、利用にあたって利便性を考慮するユーザーは少なくありません。

コインパーキングへの出入りはもちろん、駐車が容易かどうかもポイントとなります。
出入りしづらいコインパーキングでは、駐車の前後で車に傷がついてしまい、トラブルに発展するケースも考えられます。
結果として、コインパーキングの出入り口が狭いと、使い勝手が悪く利用者が増えず、赤字へとつながってしまうわけです。

コインパーキングのレイアウトを検討する際は、利用者目線に重きを置いたうえで、収容台数を検討しましょう。

シミュレーションの不実行

コインパーキング経営においては、始める前に収益シミュレーションを実施しておかなければ、赤字になるリスクが高くなります。
また、シミュレーションしていたとしても、稼働率を100%として算出していた場合、実際に経営を始めたときの稼働率が乖離しており、結果として赤字になる可能性があります。

コインパーキングは、立地や周辺の状況、利用者の数によって稼働率が常に変動するものです。
正しくシミュレーションするには、事前に土地の市場調査を実施したうえで、赤字と黒字の境目となる稼働率を把握しておきましょう。
シミュレーションの結果が赤字になるようであれば、その土地での経営は避け、別の経営方法を考える、あるいは新たな土地を探すなどの対応が必要です。

資金計画の誤り

駐車場経営は投資なので、事前に資金計画を立てておく必要がありますが、その計画が甘いと黒字経営からは遠のいてしまいます。

なかでもコインパーキング経営では、初期費用だけでなく、固定資産税や修理費といったランニングコストも発生します。
最初の投資、つまり初期費用に対して、リターンがどのくらいの金額になるのか、収益から差し引いて計算してみてください。

月極駐車場経営の赤字原因3選

月極駐車場はコインパーキングと比較して、毎月安定した収入が得られるほか、ロック板や精算機などの設備が不要のため、さらに初期費用が抑えられるというメリットがあります。
収容台数によって月収の上限が決まるわけですが、契約に空きが出るとそのぶん収入が減ってしまうので、利用者を再度募集しなければなりません。

このような特徴がある月極駐車場の経営に伴って、赤字を引き起こすケースを見ていきましょう。

料金の未納・滞納

月極駐車場でよく起こるのが、利用者による支払い遅延や滞納です。

コインパーキングでは利用の都度料金を支払ってもらいますが、月極駐車場の支払いタイミングは月1回です。
つまりその1回の支払いサイクルで、支払い遅延や滞納が起こると、収入が一気に減ってしまいます。

1人の利用者による滞納であれば、まだ赤字にはならないかもしれませんが、複数人となると経営は赤字に陥るでしょう。
支払い遅延や滞納の対応について契約書に記載しておくなど、利用者への注意喚起は事前に行っておくことをおすすめします。

事前のリサーチ不足

コインパーキング同様、月極駐車場経営でも近隣駐車場の事前リサーチは欠かせません。

たとえば、近くの月極駐車場が設定している金額よりも、大幅に下げて集客しようとしたものの、安すぎて赤字になるケースはよくあります。
特に月極駐車場は、都度利用するコインパーキングとは違い、設定した利用料金を変更する際の、利用者への交渉は簡単ではありません。
根気強く説得するか、利用者の解約を待つしかなく、赤字経営が長引くリスクすら考えられます。

月極駐車場を経営する場合は、近隣の駐車場の金額設定は必ず確認したうえで、収益シミュレーションの結果を踏まえて適切な料金を設定しましょう。

近隣の競合の出現

すでに月極駐車場を運営中で、経営が安定していたとしても、近くに競合となる駐車場ができると、その経営も危ぶまれます。

新しくできた駐車場は、さまざまな面で有利です。
特に、需要の高いエリアであれば、駐車場が新しくできる可能性は否定できませんので、経営を始めたあとも、周囲のリサーチは欠かさず行ってください。

競合が出てきた場合は、焦らず対策を考えましょう。

駐車場経営の赤字化を防ぐための対策

コインパーキングと月極を含めた駐車場経営で、赤字に陥るケースについては、深く理解いただけたでしょう。
「じゃあどうすれば黒字経営できるの?」とお考えの方に向けて、ここからはその対策方法を解説します。

方法①事前の市場調査を念入りに行う

駐車場経営での赤字を防ぐには、経営をスタートさせる前の市場調査がとても大切です。

土地の周辺では、駐車場の需要があるのか、また競合の駐車場の料金設定を調べておきましょう。
需要の有無については、近隣の不動産会社に相談したり、夜中の駐車台数を調べたりする方法が挙げられます。

不動産会社によっては、管理している駐車場の稼働率を教えてもらえるかもしれません。
不動産会社に確認しても良い回答が得られなかった場合は、日中や夜中など、複数日にわたって時間帯を分けて利用台数を調べておくのが賢明です。

方法②料金の相場を調べ適切な料金を設定する

先述してきた通り、駐車場の料金設定は経営状況を左右する大きなカギです。
そのため、安易に料金を決めるのではなく、必ず近隣の駐車場の料金相場を調べてください。

相場より安すぎる、あるいは高すぎると、利用者の減少だけでなく赤字経営へとつながるきっかけとなります。
稼働率を含めてシミュレーションしたうえで、赤字に陥らない料金を設定しましょう。

方法③実質利回りを計算して足元の利益を確認する

駐車場経営においては、収益計画を立てる際に必ず実質利回りを計算します。
利回りには、表面利回りと実質利回りがありますが、実質的な収支を考えるうえでは、ランニングコストを含んだ実質利回りを算出する必要があります。

実質利回り:(年間の収入-諸費用)÷総投資額×100

表面利回りを計算すると、経営を始めた際の現実的な数値から乖離するリスクがあるためおすすめしません。

方法④ランニングコストを削減する

マンション経営やアパート経営などと比較して、収益性の低い駐車場経営では、ランニングコストをいかに抑えられるかが重要です。

駐車場経営には、さまざまなランニングコストが発生します。
P看板や電灯などの電気代や、設備のメンテナンス費用、消耗品の購入費、管理費、清掃費をはじめとして、固定資産税や都市計画税もその例です。

ランニングコストによる支出が収入を上回ると、赤字化するのは言うまでもありません。
無駄なコストはできるだけ抑えて、収入と支出のバランスを見極めましょう。

方法⑤固定資産税・都市計画税を加味して料金を設定する

前述したランニングコストのなかでも、大きな支出となるのが固定資産税と都市計画税です。
経営スタート時は「どれだけ儲けられるか」ではなく、「どうすれば赤字にならないか」という考え方を念頭に置きましょう。

固定資産税は、“敷地面積×固定資産税路線価×1.4%”で算出します。
また、都市計画税が課税される地域では、“敷地面積×固定資産税路線価×税率”で求めます。
この税率は1.3%が一般的ですが、地方自治体のホームページで確認できるので、お住まいの地域の税率は確認してみてください。

仮に固定資産税と都市計画税の合計が年間50万円、収容台数が5台だった場合、“50万円÷(5台×12か月)=8.333…”となります。
つまり、1か月の駐車料金が8,400円ほどで黒字経営となるわけです。
なお、上記は稼働率を100%として計算しているため、70~80%程度の稼働率に置き換えてシミュレーションしてください。

方法⑥トラブル対応の手間と費用を想定しておく

賃貸経営と比べるとトラブルは少ない傾向にある駐車場経営でも、トラブルが起こらないわけではありません。

駐車場経営で発生するトラブル例

  • 無断駐車、放置
  • 近隣住民からの苦情
  • 駐車場内での事故
  • 設備の破損

何かしらトラブルが起こったら、オーナーとして迅速な対処が求められるので、手間はもちろんのこと、設備の修復などには費用もかかります。
これらのトラブルを防止するためにも、防犯カメラを設置するなどの対応を検討しましょう。

方法⑦駐車場経営の専門家に相談する

初めての駐車場経営では、右も左もわからない状態からのスタートになります。
土地の需要から料金設定まで、すべて自分で決めることに不安を覚える方もいらっしゃるかもしれません。
そのようなときにおすすめなのが、駐車場経営の専門家に相談することです。

駐車場経営に長けた専門家であれば、月極かコインパーキングかといった経営の種類はもちろん、適切な料金などのアドバイスも受けられます。
経営種別によっては、管理を委託したりご自身の負担を軽減できたりします。

駐車場経営での赤字化を防げる運営会社選びのポイント

駐車場経営を自営することは、非常に大変です。
たとえば、コインパーキング経営の場合、利用料金の回収や駐車場内の掃除などの管理も必要です。
これを一人で対応するとなると多くの手間がかかりますし、副業で経営している方は時間が足りない可能性もあるでしょう。

そのため、駐車場経営については、管理会社に委託している方も多くいらっしゃいます。
しかし管理会社の質が悪いと、経営が悪化して赤字化するリスクがあるのです。
悪徳な会社の場合、不当な契約を結んで十分な利益が回収できないケースも考えられます。

管理会社を選ぶ際は、ホームページや口コミなどを確認して、信頼できるところを見極めましょう。

駐車場経営を始める前に事前調査と対策を練って、赤字経営を回避しよう

本記事では、駐車場経営が赤字になる原因とその対策方法を紹介しました。

駐車場経営は収益性が低いことから、さまざまな要因で赤字化につながります。
経営を始める前には、必ず近隣の調査を行ったうえで、入念に準備を進めましょう。

初めての駐車場経営では、失敗するリスクもあるため信頼できる管理会社に委託することも視野に入れてみてください。
株式会社ユアーズ・コーポレーションでは、これまでに2,000件以上のお客さまを支援してきた実績があります。
皆さまのベストパートナーとなれるよう尽力いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

コラム監修者

太田 佳里

太田 佳里(オオタヨシサト)

パーキング事業部 マネージャー

宅地建物取引士 2級土木施工管理技師

<略歴>

駒澤大学を卒業後、不動産業界へ就職

<コメント>

弊社では創業から50年不動産の有効利用、資産管理を一貫して行ってまいりました。土地活用のエキスパートとしてオーナー様のご要望にお応えするサービスの提供を行ってまいります。

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