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駐車場投資のメリットや成功のノウハウを徹底解説

        
公開日 2025.02.17 更新日 2025.02.17
    
駐車場投資 アイキャッチ

「遊んでいる土地はあるが、活用にお金をかけたくない」「いびつで狭い土地だから使い道がない」という地権者さまにおすすめなのが駐車場投資です。

初期投資が少なく、狭い土地でもいびつな土地でも車1台停められればOK、他用途への転用も容易ですが、一方で、収益性が低いのがネックです。

この記事では、こうした駐車場投資の基本的な知識から、成功させるためのポイントまでを解説しています。

ご自身の資産運用にお役立てください。

コインパーキングの需要

都心部などの駐車場不足を背景に、コインパーキングの需要は、右肩上がりで伸びつづけています。

一般社団法人日本パーキングビジネス協会(JPB)の調べによると、全国のコインパーキング数は2011年の44,600から、2020年の99,620へ10年間で2倍強の増加となりました。

少し前の調査のため、足元では10万か所を大きく超えていることが予想されます。

コインパーキング運営箇所数の推移

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引用元:一般社団法人 日本パーキングビジネス協会(JPB) 

 
日本でコインパーキングの運用が始まったのは1991年。

わりと最近といえますが、今や「飽和状態では?」との声も聞かれるほどです。

しかし、コインパーキングの需要にはいまだ陰りがみえず、運営会社の業績はどこも好調が続いています。

もちろん、タイムパーキングの需要がそれだけあるからですが、最近の時代的背景がそれを後押ししている面もあるのです。

まず、近年叫ばれている“若者の車離れ”からカーシェアの需要が増えていることが関係しています。

ステーションとよばれるカーシェア用の車の駐車スペースは、コインパーキング内に設置されているケースが多いのです。

このため、カーシェアが増加すればコインパーキングの需要にも跳ね返るようになっています。

時間貸しの一角で定期的利用が発生しているようなもので、今後も注目される動きとなりそうです。

二点目は、これも時流と関係ありますが、自宅から駅までは自家用車で行き、コインパーキングに停めてから、電車に乗り、通勤やレジャーに向かうという人が増えていることです。

「パーク&ライド」とよばれる、この使い方もコインパーキング需要の好調を支えています。

傍から見ていると変化に気づけないコインパーキングのありようですが、ただ車を停めておくスペースから、時代のニーズに合った使い方をされるようになってきているわけです。

それでは、コインパーキングは、いずれ供給過剰となって、価格競争が激しくなるのでしょうか。

これについては見方が分かれるものの、コインパーキングはアパート・マンション経営とは違い、土地活用のつなぎという性格から、飽和状態とはならないとの予測も聞かれます。

そうである以上、これからもオープンや閉鎖が頻繁に起こり、需要と供給は常に流動的でありながら、バランスしていくのかもしれません。

駐車場投資のメリット

不動産投資のなかでも、駐車場投資が特に人気を集めている理由はいくつかあります。

ここではそのうち、“参入の容易さ“に絞って解説します。

具体的に挙げると、初期費用がかからない、土地を選ばない、準備期間がいらない、の3つの理由からです。

メリット①初期費用を抑えられる

駐車場投資のメリットはまず「初期投資がかからない」ということです。

建物を建てる必要がないので、初期投資を抑えることができ、手軽に始められるとして、土地活用初心者にも人気があります。

料金の自動精算機も、月極駐車場であれば必要なく、コインパーキングでは運営会社に一括借り上げ(サブリース)してもらえば設備費用は負担せずに済みます。

すでに土地を所有していることが条件ですが、ローコストで始めようと思えば始められるのです。

100坪程度の土地で始める場合、200万円程度の初期投資で済むこともあるでしょう。

駐車場を自分で経営する、あるいは管理だけ委託して始める場合(サブリースでも運営会社によっては)、主な自己費用としては土地の整備費用が挙げられます。

たとえば、アスファルト舗装を行う場合、1㎡あたり4,000円から5,000円程度の費用がかかります。

また、車道と歩道の段差を解消するための工事が必要な場合は、30万円から60万円程度の費用を用意しなければなりません。

土地の広さ、地盤の状態、工事の規模、工法などによって整備費用は大きく変動するので、最終的にいくらに落ち着くかは読みにくい要素です。

より正しい費用を知りたい場合は、業者に見積もりを依頼するとよいでしょう。

メリット②狭い土地でも始められる

土地の広さや形をそれほど気にせず始められるのも、駐車場投資のメリットです。

車を1~2台程度停められる程度のスペースがあれば、十分に始められます。

数台しか留められない駐車場であっても、東京の都心部のように稼働率の高い場所であれば、安定した収入を得られる可能性が高いといえます。

また、コインパーキングをたたむ場合も、更地に近い状態であるため、比較的容易に他の土地活用への転用が可能という、撤退障壁の低さも駐車場経営の魅力といえるでしょう。

メリット③短い準備期間で始められる

開業までの準備期間が短くて済むのも、駐車場投資のメリットの一つです。

アパートやマンションを新築する場合、間取りや構造の設計、施工業者の選定から着手すると、賃貸事業開始までに1年程度を要するのが普通です。

中古の物件を購入する場合でも、マンションであればリフォームに月単位の期間を要するでしょう。

それに比べて建物がない駐車場は、準備期間がそれほどかからないのは自明の理です。

上物の解体が必要な場合でも、解体から土地の整備まで1か月程度あれば十分なはずです。

すでに更地が確保されているのであれば、半月程度で綺麗な駐車場に仕立てることができます。

駐車場投資のデメリット

駐車場投資が比較的ローリスクで始めることができるのは、これまでお話しした通りです。

しかし、ローリスクだからといって、周到な準備や戦略なくして成功できる甘い世界ではありません。

ここからは、駐車場投資を始めるにあたり、念頭に置いておきたいポイントを取り上げます。

デメリット①収益性が低い

駐車場投資は、アパートやマンションなどの賃貸住宅経営に比べて初期費用が抑えられる一方で、収益性の面では賃貸住宅経営に一歩も二歩も譲ります。

アパートやマンション投資(一棟)は、平屋建てでない以上、平面の土地に立体の建物を建てることで階数分の収益を得ることができます。

一方、駐車場投資はといえば、多くの場合は平面展開のため、1フロア分の収益しか得られないのが泣き所です。

収容台数を増やすための立体駐車場の建設には、高額な初期費用がかかり、おいそれとはいきません。

このため、駐車場の稼働率が低かったり、低下したりすると、たちまち収入の大幅減に直面するリスクを抱えているわけです。

デメリット②税制上の優遇が少ない

駐車場経営を始める前に知っておきたいデメリットの2つ目は、税制上の優遇が少ない点です。

一戸建てやアパート、マンションが建っている「住宅用地」は固定資産税の減税対象になりますが、駐車場の場合は対象外のため、固定資産税を満額支払うことになります。

具体的には、アパートやマンションの2~6倍にもなるケースも少なくありません。

駐車場の土地にアスファルト舗装や、街灯や精算機などの専用設備の設置を行った際にも固定資産税が課せられます。

なお、設備にかかった費用が150万円未満であれば課税対象にはなりません。

税制上のデメリットを補う方法もないではありません。
たとえば、駐車場を住宅用地と一体化させることで、固定資産税を軽減させる方法です。

駐車場投資を始める際には、メリットだけでなくこうしたデメリットもしっかりと理解したうえで、税金に関する知識を深め、対応策を講じておくことが重要です。

デメリット③節税には向かない

駐車場投資のデメリットの3つ目は、減価償却費が少なく、節税対策には向かない点です。

減価償却費を計上することができるのは、建物などの構造物で、土地は減価償却の対象ではありません。

そのため節税を目的として投資を始めたいのであれば、アパートやマンションの経営に向かうべきでしょう。

駐車場投資の利回り

初期費用(土地の取得費用)に対して、1年間の収益の割合を示したものを駐車場の利回りといいます。

利回りが高ければ、初期費用を早く回収できるわけです。

駐車場などの不動産の利回りは「表面利回り」(グロス)と「実質利回り」(ネット)の2つの指標があります。

表面利回り(%)は、(満車時の年間売上÷土地価格)×100で算出し、諸費用は考慮しないのが特徴です。

大まかな収益性を図るのには適していますが、投資の実態をこれだけで判断することはできません。

一方、実質利回り(%)は、(年間売上―運営費用)÷(土地価格+初期費用)×100で算出します。

運営費用とはランニングコストのことですね。

運営会社への管理委託料や固定資産税などが該当します。

表面利回りからこうした諸費用を差し引いた数字である実質利回りのほうが、よりリアルな評価ができるので、投資の判断においてはこちらが重要になります。

駐車場の実質利回りは平均4%程度とされていますが、周辺環境や立地、稼働率によって収入も費用も大きく異なるので、この数値から逸脱したケースも少なくありません。

表面利回り、実質利回りともに、満車時の年間収入で算出します。

しかし、現実には、稼働率が100%の状態が続くということはありません。

そこで、実際の稼働率に近い状態で利回りを計算することが大切になります。

例を挙げてみましょう。

稼働率を70%とした場合の実質利回りの計算式は下記の通りです。

実質利回り(%)=(年間売上×70%-運営費用)÷(土地購入価格+初期費用)×100

年間収入に関わる数値

ここからは、実質利回りを計算するための年間収入と初期費用などの数値について掘り下げて解説していきます。

まずは年間収入から。

年間収入に関連する数値は主に「稼働率」と「駐車料金」の2つです。

月極駐車場とコインパーキングでそれぞれ考え方が異なるので、以下にまとめました。

数値

月極駐車場

コインパーキング

稼働率

何台分の契約があるか

24時間のうち何時間利用されるか

駐車料金

1台につき月の賃料はいくらにするか

1台につき1時間あたりいくらにするか

駐車料金はエリアや立地によっても異なるので、近隣をチェックして条件が近い駐車場の料金がいくらか調べておきましょう。

初期費用に関わる数値

続いて初期費用です。

コインパーキングと月極の別で初期費用は大きく異なり、コインパーキングの初期費用は月極駐車場よりかなり高めです。

アスファルトの舗装整備にくわえ、精算機や看板などの設備をそろえる必要があるためです。

月極駐車場・コインパーキング問わず、土地を新規に購入したのであれば、その購入費用、運営会社に委託した場合は管理委託料も算入しなければなりません。

管理委託料は、運営会社に問い合わせて見積もりを教えてもらいましょう。

さまざまなデータを取り込んできちんと計算することで、より現実的な実質利回りを求められます。

運営会社に収益プランを提案された場合も、計算の根拠について詳しい説明を求めましょう。

駐車場投資を成功させるポイント

投資というものは駐車場に限らず、準備段階で成功するか否かが決まるといっても過言ではありません。

特に重要なのは、需要の見込める土地に開業できるか、収益をシビアに予想できるか、競合の存在を予測できるか、の3つです。

検討段階のうちに、これらのポイントをしっかり対策しておきましょう。

立地と需要を見極める

駐車場投資において、もっとも重要な要素は何かといえば、それは立地でしょう。

路上駐車が多くみられる地域は、駐車場を設置するには有望です。

立地と同時に、需要も慎重に分析しなければなりません。
アパートやマンションが多いエリアでは、月極駐車場の需要が高く、繁華街や商業施設、病院などの周辺ではコインパーキングの需要が見込まれます。

さらに、周辺に競合が少ないか、稼働率が低い駐車場が多い場合は、新たな駐車場を開設するチャンスといえるでしょう。

慎重に収益を予想する

駐車場に限らず、投資の成否を左右するのは最終的には収益性です。

収益性を測る指標に利回りがありますが、この利回りの計算においては、稼働率を正確に見積もることが非常に重要になります。

駐車場運営会社の収益計画で示される利回りの計算は往々にして、満車状態、つまり年間稼働率が100%であることを前提としたものが多いです。
しかし、前述した通り、駐車場が常に満車状態であることは現実的にはありえず、70~80%程度であれば上々といったところではないでしょうか。

収益のシミュレーションを行う際には、こうしたより現実的な数字、シビアな予測を前提としたほうが無難であることは言うまでもありません。

収支計画を作ったら、稼働率が楽観的な数字になっていないか、最後にもう一度確認するようにしましょう。

参入障壁が低いことを理解する<

駐車場経営は、初期費用が安く、すでに土地を持っている人ならすぐに始めることができる参入障壁が低いビジネスです。

しかし、参入障壁が低いということは、自分だけの特権ではなく、同じ条件を持ったライバルが多いということでもあります。

投資を始める前に、需要が見込める立地であれば同じような駐車場が近くにできるであろうことを考えておくべきでしょう。

競争率が上がれば、駐車料金を下げなくてはならないので、収支計画にも影響してきます。

こうしたライバルとの競争に打ち勝つだけの強みがなければ、好条件の立地であっても駐車場の開業は慎重に考えたほうがよいかもしれません。

駐車場投資は収益性を慎重に見極めてから

本記事では、駐車場投資の概要をメリット・デメリットとともに解説してきました。

駐車場投資は、土地を保有していれば、少額の資金から始められ、安定した収入が期待できる効率的な投資方法です。

住宅地であれば月極駐車場、繁華街や駅付近であれば時間貸しのコインパーキングが選択肢になります。

しかし、収益性が低い、税制上の優遇措置が少ないといったデメリットもあるので、実質利回りなども計算しながら慎重に開業を判断しましょう。

コインパーキングで一括借り上げ方式を利用すれば、駐車場経営の手間もいらず安定した収入を得ることができます。

初期投資を抑えた土地の有効活用法なら、ぜひユアーズ・コーポレーションにご相談ください。

コラム監修者

太田 佳里

太田 佳里(オオタヨシサト)

パーキング事業部 マネージャー

宅地建物取引士 2級土木施工管理技師

<略歴>

駒澤大学を卒業後、不動産業界へ就職

<コメント>

弊社では創業から50年不動産の有効利用、資産管理を一貫して行ってまいりました。土地活用のエキスパートとしてオーナー様のご要望にお応えするサービスの提供を行ってまいります。

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