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無断駐車の対策方法とは?注意点も解説

        
公開日 2024.09.30 更新日 2025.04.28
    
違法駐車

土地活用のために駐車場経営をしている方に向けて、無断駐車への対応についてまとめました。 

契約もせず、料金も支払わずに停める無断駐車は駐車場経営の大敵です。 

警察に相談するべきか、どのように対処すればよいのかと悩むオーナーも少なくありません。 

 

そこで今回は、無断駐車の対策方法と、万が一駐車された場合の適切な対処法を解説します。
この記事を読んで、無断駐車に泣き寝入りするオーナーが一人でも減れば幸いです。

無断駐車とは

無断駐車とは、許可なく、利用料金も支払わずに、あるいは踏み倒すかたちで勝手に車を停めることです。
月極駐車場の場合は契約している利用者のスペースに、勝手に駐車されることもあります。
コインパーキングにおいても、利用料金を支払わずに駐車されるケースは少なくありません。

無断駐車は道路交通法の処罰対象となる行為です。
しかし私有地では、警察に連絡しても解決が難しいのが実情です。

利用料金を支払わないまま駐車されると、契約している人の権利を侵害し、駐車場管理者の利益を毀損することになります。

駐車場経営において、無断駐車はこのうえなく迷惑な行為なのです。

無断駐車を未然に防ぐ方法

駐車場経営に大きな損害をもたらす無断駐車対策において重要なのは“未然に防ぐ”ことです。

一度許してしまうと、常習犯となりやすく、対処するにも時間と労力がかかるので、できるだけ“無断駐車をさせない”ように対策することが必要なのです。

無断駐車を予防する対策について、具体策を6つ取り上げます。

方法1:コーンやチェーンを設置する

カラーコーンやチェーンを設置して、スペースをふさいでしまう方法です。
コーンやチェーンがあると、駐車する際に一度車を降りて、どかしたり外したりしなければなりません。
無断駐車をしようとしている人にはひと手間となるため、無断駐車される確率が減るでしょう。
ただし、正規の契約者にも、コーンやチェーンを動かす手間がかかり、不便さを感じさせてしまうため、契約時に前もって説明しておく必要があります。

なお、無断駐車をしている車に対して障害物で囲む行為は自力救済となり、違法です。

方法2:看板を作成して設置する

看板を設置するのも対処法の一つです。
“無断駐車禁止”“契約者以外駐車禁止”の看板を設置すると、無断駐車をしにくい状況が生まれます。

なかには、「私有地とは知らず駐車した」という悪意のないケースもあるので、そういう人を気づかせる効果もあるでしょう。

看板に、無断駐車に対する罰金の内容を記載しようかと考える方もいるかもしれませんが、それはおすすめできません。

その罰金の要求に法的な効力はなく、無断駐車した側も支払う義務はないうえ、金額によっては、恐喝行為として逆に訴えられてしまう可能性もあるからです。

方法3:防犯カメラを取りつける

無断駐車を防ぐための対策としてよく利用されるのが、防犯カメラを設置する方法です。
目立つように防犯カメラを設置すれば、監視されているという意識が高まり、有効な対策となることがあります。

その意味では、フェイクカメラでもそれなりに効果が期待できます。

無断駐車をされたとしても防犯カメラの録画が証拠として残るため、強力な武器となるでしょう。

ただし、防犯カメラのグレードによっては費用が大きくなるので、どこまで装備レベルを上げるかは予算次第です。

方法4:場内をきれいに保つ

駐車場内を清潔に保ち、料金を払っている人のための駐車場であることを伝える景観を保つことも大切なことです。

場内の清掃や古い看板の撤去・交換、雑草刈りなど、基本的なことから徹底しましょう。
駐車場内が汚いと、あまり管理されていない駐車場とみなされ、無断駐車や迷惑駐車を招く原因となります。

駐車場の清潔感は、無断駐車対策のみならず、車上荒らしや放置車両の防止、ひいては、契約者離れを食い止めることにもつながる極めて大事なポイントです。

方法5:デッドスペースを埋める

変形地など土地の形状によっては、レイアウトを工夫してもデッドスペースができてしまうことがあり、無断駐車の温床となりやすいのでスペースは埋めておきましょう。

デッドスペースに自動販売機やコインロッカー、照明写真機などを設置したり、バイク駐輪場を設置したりすることで対策できます。

駐車場運営会社に管理を委託しているコインパーキングの場合、管理会社にデッドスペースを作らないよう申し入れておいてください。

方法6:管理会社へ委託する

不正駐車に悩まされているなら、管理会社への委託を検討してみてはいかがでしょうか。
定期的に見回りをしてもらえるので、無人経営のコインパーキングの場合でも管理体制が強化されます。

管理会社が持っているノウハウに従って、適切に対処してもらえるはずです。

無断駐車をされたときの対処法

対策をとっていても、無断駐車をされてしまうことはあります。

どのように対応すればよいのか、最善の対処法を探っていきましょう。

対処法1:警告の張り紙をつける

簡単に行える対処法は、警告の張り紙をつけることです。
コンビニエンスストアの駐車スペースなどで、ワイパーに張り紙が挟まっているのを見たことがないでしょうか?
あれは、無断で駐車している車に対する注意喚起です。

常習犯とならないよう、無断駐車が禁止であること、即刻車を移動させてもらいたいことを書いた張り紙を設置します。
その際、ガムテープで貼り付けてしまうと、塗装の剥がれや剥がしたあとに汚れが残ることもあるので、ワイパーに警告の張り紙を挟んでおくのがおすすめです。

無断駐車の車両やナンバー、登録番号を撮影し証拠を確保しておくことも忘れずに対応しておきましょう。

対処法2:所有者を特定して注意喚起する

車の所有者を特定したうえで、直接注意喚起する方法もあります。

まず、何度も同じ車に無断駐車されているという証拠を写真で残して、車のナンバープレート番号と私有地放置車両関係位置図を記録しておきます。

これらの必要書類一式を用意して陸運局に提出し、開示請求手続きを行って車のナンバーから所有者を特定する、という段取りです。

所有者が特定できたら内容証明を送り、撤去や無断駐車の禁止、迷惑料の支払いを直接請求できます。

開示請求手続きは、弁護士など専門家に代行してもらうことも可能です。

対処法3:管理会社に連絡する

管理会社に駐車場を任せているなら、管理会社に連絡すれば適切な対応をとってもらえるはずです。
車種、ナンバー、車の色を伝えて、あとは管理会社に任せてください。

無断駐車に対して”素人“の駐車場オーナーが個人的に対応するより、管理のノウハウを知っている管理会社に任せれば手間もなく、トラブルも防ぎやすくなるはずです。

対処法4:警察に相談する

必ずしも解決できるわけではありませんが、警察に相談するのも一つの方法です。
無断駐車をしている車に注意喚起をしても、一向に車を移動させる気配がないときに試してください。

しかし警察は民事不介入が原則のため、私有地での無断駐車は取り合ってもらえないかもしれません。

有効な手立てというわけではありませんが、良い方向に動くことを願って警察に相談してみることも視野に入れてみましょう。

対処法5:弁護士に相談する

どのような手段を試しても無断駐車がなくならないなら、お金はかかりますが弁護士に相談しましょう。
弁護士に相談すれば、車両の所有者を特定してもらえるはずです。
さらに法的手段によって、解決をはかってもらえたり、訴訟を起こしたりできるようになります。

駐車場としている土地の権利は、駐車場経営者のものです。
権利を侵害する無断駐車は、訴訟を起こせば経営者が勝訴する可能性が高いでしょう。

ただし、この方法は、弁護士への依頼料と時間がかかります。
無断駐車が悪質な場合の最後の一手と考えておきましょう。

無断駐車に対応する際のNG行為

ここまで無断駐車されたときの対処法について解説しました。
しかし、迷惑を受けたからといって、何をしてもよいわけではありません。

次のような対処に出てしまうと、被害者の立場から加害者へと一転し、不利な立場となりますから注意が必要です。

NG行為1:無断でレッカー移動する

無断駐車している車を、無断でレッカー移動することはやってはならない行為です。
レッカー移動は“自力救済”となり、法的な手続きを取らず私的実力によって権利を守ることに該当します。
民法において権利を守るには、司法手続きによってなされなければならないとされており、これによらない無断でのレッカー移動は、損害賠償問題へと発展しかねないのです。

無断駐車をしている側が、駐車場経営者と利用者の権利を侵害していることは明らかですが、法的に正しい立場でいるためにも、無断でレッカー移動する対処は避けるべきです。

NG行為2:車両に傷や汚れをつける

無断駐車をされると頭にきて、車に傷や汚れをつけたくなる方もいるかもしれません。
しかし実際に行動に移してしまうと、車両を傷つけた側が違法行為をしたことになります。
車両に傷や汚れをつける行為は器物破損に該当します。

先に解説したように、ガムテープで張り紙を貼ることも汚れをつける行為の一つとなります。

車両の持ち主に訴えられる可能性も生じるので、車両には被害を与えないことが大原則と心得ておきましょう。

ご自身の立場を守るためにも、絶対、車両には傷や汚れをつけないことです。

NG行為3:車両を動けなくする

車両を動けないようにすることもNG行為です。
無断駐車への対処として、ポールを立てて車両を動けなくする処置を行う方もいます。
また車両の前に車を駐車して、駐車場から出られないようにするケースも見受けられます。

しかし車両を動けなくするのも、自力救済に該当する行為です。

車両を動かせなくした方が違法行為を行ったと判断されるため、絶対に避けるようにしてください。

NG行為4:脅迫的な張り紙をつける

無断駐車禁止の張り紙をするとしても、脅迫的な文言は避けるべきです。
脅迫的な文言とは他人の平穏を侵害し、不安にさせる言葉のことです。
暴力的な言葉もそれに含まれます。

無断駐車をされた怒りに従って張り紙を貼ると、脅迫罪に該当してしまうことがあるため注意してください。

冷静な状態でチェックした文面を使用しましょう。

NG行為5:車両のナンバーをインターネットで公開する

最近は、インターネットで車両のナンバーを公開する方も少なくありません。
しかしナンバーを公開してしまうと、プライバシーの侵害となります。
個人情報保護法に抵触してしまう可能性があるため、たとえ無断駐車をされてもインターネットでのナンバー公開は控えましょう。

ただしナンバーを記録すること自体は違法ではありません。
弁護士や警察に相談するために、ナンバーを写真に収めることは問題ないでしょう。

あらゆる対策を超えた無断駐車には、法に従って適切に対処しましょう

今回は、無断駐車の防ぐ対策方法から、実際の対処法について解説します。

この記事を読んでいただいたことで、無断駐車についてご理解いただけたと思います。

無断駐車は利用者の権利やオーナーの利益を損なうものです。
しかし車に損害を与えては、被害者から加害者になってしまうおそれがあるため、まずは冷静になることが必要です。

法律内で何ができるかを検討し、適切な対処を心がけてください。

ユアーズ・コーポレーションではコインパーキング経営のサポートを行っております。 
無断駐車も適切な対処を行いますので、駐車場経営ならユアーズ・コーポレーションにお任せください。 

コラム監修者

太田 佳里

太田 佳里(オオタヨシサト)

パーキング事業部 マネージャー

宅地建物取引士 2級土木施工管理技師

<略歴>

駒澤大学を卒業後、不動産業界へ就職

<コメント>

弊社では創業から50年不動産の有効利用、資産管理を一貫して行ってまいりました。土地活用のエキスパートとしてオーナー様のご要望にお応えするサービスの提供を行ってまいります。

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