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こんなにある遊休地の活用方法!そのままにしておくと損

        
公開日 2024.09.06 更新日 2024.10.18
    

遊休地を所有している方は、早めに手放すか、土地活用を検討しましょう。
固定資産税を最高税率で負担しなければならず、エリアによっては都市計画税も課せられるなど、そのままではお金が出ていくだけの、負の遺産がこの遊休地なのです。

「土地活用を始める自己資金がない」「需要調査が面倒」と放置している方も多いですが、定期借地権、等価交換など負担もなしに収益化できる方法もあります。
本記事ではその方法をご紹介します。

遊休地とは

遊休地とは文字通り、なんの用途にも使用されておらず、長期にわたって「遊ばせている」状態の土地のことをいいます。

国土利用計画法の定義では、土地取引の許可や届け出をして取得した後、2年以上利用されていない土地を指します。
この遊休土地に認定されたら、都道府県知事から土地活用か土地売却を推奨されることになっており、6週間以内に計画書をもってどちらにするか届け出なければなりません。
ただし、この制度に該当するのは、1,000㎡以上のかなり広い土地に限られます。

日本では今、遊休地を持て余して、そのまま放置されているケースが増えています。
遊休地を放置していると、所有者にさまざまな不都合が生じるので、早めの対策を考えましょう。

遊休地は活用しないと損をする?

法律による強制措置がなくとも、遊休地を所有している方は何かしらの活用方法を講じるべきだといえます。
利用していない土地を放置していると、税制面、管理面で次のような負担が生じるからです。

固定資産税が発生する

土地は所有しているだけで、毎年固定資産税を納めなければなりませんが、遊休地の場合、その額はマンションや自宅が建っている活用地と比べ、6倍にもなります。

もし、都市計画区域内の市街化計画区域に該当する場所であれば、都市計画税も発生し、負担が増します。
関連記事:固定資産税の仕組みを解説!いくら払うのか計算方法も紹介!

管理しないと周囲に迷惑がかかる

1,000㎡以上もの土地が利用されず、放置されたままだと、雑草や不法投棄によって土地が荒れてくるのは避けられません。

近隣住民から「何とかしてほしい」と苦情が持ち込まれるかもしれませんし、土地所有者の管理不足が地域で問題になるおそれもあります。
時間が経てば経つほどメンテナンス費用がかさむので、該当土地を相続した方は2年といわず早いうちに対策を講じたほうがよいです。

放置しておくと土地の価値が下がる

何も活用されずに荒れ放題という土地は、周囲からみた印象も悪く、土地の価値がずるずる下がってしまう可能性があります。
将来、計画地となれば有効な活用法が見いだされるかもしれませんが、確約されていない以上、遊休地は、税金を生む負の資産でしかありません。

遊休地の活用事例10選!

遊休地を放置していると税金と管理費の負担が大きくなるので、何か対策を考えなくてはなりません。
国はそんな遊休地所有者に、「売るか活用するよう」迫っているわけですが、売却は最後の手段として、まずは収益が得られる土地活用法を考えてみませんか。
成功すれば、税金を転じて利益を生むようになる賢い土地の所有方法といえるでしょう。

これから取り上げる10の活用事例は、それぞれメリット・デメリットがあるのでそれを説明していきます。

①アパートを建てて賃貸住宅経営

賃貸住宅を建てその経営を行い、家賃収入を得るという、伝統的な遊休地活用法の一つです。
アパート、マンション、戸建て住宅を建てて貸し出すことで、長期的に安定的な家賃収入を生み出します。
賃貸住宅経営は、ただ更地にしておくのに比べ、固定資産税が6分の1、都市計画税が3分の1になるほか、土地と建物の相続税の評価額が下がるなど強力な節税対策になります。

多岐にわたる賃貸業務(入居者募集、家賃集金、滞納金の督促、契約の更新業務、退去手続き、建物の清掃、建物のメンテナンス)は管理会社に委託することも可能です。
賃貸住宅を建てるための資金計画、空き室リスクの想定、建築基準法の建築規制区域外であることの確認、他の活用法への転換を思いついたときの住民対策などが課題になります。

②定期借地権を使って貸し出す

賃貸住宅経営のような利益は得られないが、遊休地のまま放っておくよりずっと安心という活用法が、定期借地という方法です。
定期借地による土地活用は、土地を事業者に貸し与え、そこで得た事業収入から一定の賃借料を支払ってもらう方法で、遊休地の所有者は借入も事業リスクも負うことはありません。

この活用法だと、土地の評価額は駐車場や店舗として賃貸するより低いため、固定資産税を低く抑えることもできます。
それほど高額な賃料を得られないのが難点といえば難点ですが、さまざまなリスクや負担を回避し遊休地のデメリットも排除できるのは、メリットといえるのではないでしょうか。

そんな、借地契約での活用が向いているのは、10年以内に土地を利用する予定がない方、ローリスク志向の方、住居や店舗、各種施設の需要がある土地を所有している方などです。

③介護施設や病院建設

老人ホームや介護施設、病院などの福祉・医療施設を建築して運営する方法です。
介護の場合、経営母体企業に土地を貸す方法と、建物を自分で建築してから貸し出す方法の2つが挙げられます。
高齢化社会を迎え、賃貸経営よりも安定収益が見込まれる事業ですが、老人ホームや介護施設は賃貸住宅より、自然豊かな場所が好まれるなど多少の立地的制約があります。

なお、サービス付き高齢者住宅(サ高住)の設立には、一定の要件を満たすと建築費の10分の1を上限に補助金が適用されます。

デメリットは、需要があっても人手不足で運営事業者を見つけづらい点、建物自体が特殊な施設のため、初期費用が高額で後戻りが効かない点です。

④大規模ならオフィスビルや商業施設

ビジネスとしての立地が良い場所では、大規模なオフィスビルを建設するのも有用です。
賃貸マンションやアパートに比べ、収益性が格段に高い土地活用法です。

需要のほうはといえば、最近では、テレワークの普及やワーケーションの導入により、地方でも遊休地の有効活用がみられ、それなりに期待できる状況が続いています。
居住用物件よりも建築基準法の要件が緩く、建設の制約を受けにくいのも有利な点です。

都市計画法で定めたオフィスビルの建設可能な用途地域

  • 第二種中高層住居専用地域(床面積1500㎡以下、二階建て以下の制限)
  • 第一種住居地域(床面積3000㎡以下の制限)
  • 第二種住居地域
  • 準住居地域
  • 近隣商業地域
  • 商業地域
  • 準工業地域
  • 工業地域
  • 工業専用地域

多くの地域でオフィスビルは建設できますが、居住用物件と比べ圧倒的に建築コストがかかるので、それなりに大きなビジネスとなります。
それだけのコストをかけて建設しても、景気に左右される面が多いので、景気が悪化すれば複数の企業がまとまって撤退という事態も起こるのがオフィスビル貸し出し事業です。

そういう意味では、ビジネスホテルを建ててホテル事業者に1棟貸しする事業は、オフィスビルよりローリスク・ローリターンのビジネスモデルといえるかもしれません。

一方、商業施設は、コンビニや飲食チェーン店事業者に土地や、建物の貸し出しで賃料をとる土地活用法です。
賃貸物件よりも高く家賃を設定できるほか、売上の利益に応じて家賃を設定する契約形態もあるので、より高い収益を見込める可能性があります。

ただし、建物から建てる場合は、建築費用が高額となり、黒字化までに時間を要するのでテナントとの折半出資というケースもみられます。
また、契約するテナントが売上を落として撤退したあと、空きテナント状態が長引くというリスクも想定しておかないとなりません。

オフィスビル、商業施設など大規模施設に向いているのは、需要のある地域にまとまった土地がある方、高い収益を狙いたい方、自己資金を豊富に用意できる方などに絞られます。

⑤初期費用低い駐車場経営

管理の手間が少なく、初期投資も比較的小さくて済む駐車場経営は、土地活用初心者に人気のある事業です。

国土交通省の「駐車場設計・施工指針について」では、普通乗用車の駐車ますは1台につき6.0メートル×2.5メートル以上と定めています。
つまり、車1台分のスペースがあれば、使い道に迷う狭小地や変形地でも駐車場として活用できるわけです。

大きな上物が不要なため、アスファルトやコンクリートで本格的な舗装をしても数百万円の初期費用で済み、転用が容易な点も大きなメリットといえます。

住宅地に多い月極駐車場と、一時駐車の需要が高い都心部の立地が向くコインパーキングの2つのタイプがあります。
月極駐車場の場合は、最低限の土地整備だけで開業できますが、コインパーキングの場合は、精算機や看板、ゲート、車止めなどの設備投資が必要です。

駐車場経営に向いている立地は、商業施設や病院の近く、住宅街など駐車場需要がある地域、不整形地や狭い土地など他の活用方法が難しい土地などです。
近い将来、土地を売却する予定だが、それまでのあいだ、簡易な土地活用をしたいという方も駐車場経営を検討してみるとよいでしょう。

参照元:国土交通省「駐車場設計・施工方針について」
https://www.mlit.go.jp/road/sign/kijyun/pdf/19920610tyuusyajou.pdf

⑥トランクルーム経営

トランクルームは、家では収納しきれない物を入れる施設で、近年増加している遊休地活用法の一つです。

使わない物を一時的に収容する施設なので、そばに住宅街などがあれば好適地ですが、契約者を集めるのが難しいのがデメリットです。
チラシや看板、ホームページなどで集客する費用が、コンテナなどの倉庫を設置する以外にかかり、すべて契約となるまで時間がかかるケースもあります。
つまり、広告宣伝費を計上したうえ、満契約に満たない想定で収入を弾く必要があるので、損益分岐点が高くなる可能性があるわけです。

税金面でも、土地の固定資産税の軽減も少なく、相続面での優遇もそこまで大きくありません。

⑦農園として貸し出す

遊休地を農園にして貸し出すという活用法も増えています。
もともと農地として使っていたのなら、土地の整地について費用は少なくて済みます。
都市近郊で農業を行いたい人は多く、人気のある土地活用法です。

ある程度の規模の農園であれば、街全体の活性化にもつながりますが、農園を開設するまでのプロセスはなかなか大変です。
遊休地が農地であってもなくても、農園を開設するには農業委員会で多くの手続きが必要で、加えて自治体への説明などの手間もかかります。
さらに、開園後は、営利目的の栽培への貸し出しを禁じた特定農地貸付法を厳守しなければなりません。

農園の一区画を借りて、賃料を支払い農作物等が生産できたとして、その販路がない以上、コストは回収できないため、借り手がなかなか見つからないことも少なくありません。
特定農地貸付法のルールを守らない借り手が出てきてもおかしくないでしょう。
その場合のトラブル対応も考えておく必要があります。
社会貢献も兼ねてぜひやってみたい! という人以外にはハードルが高い遊休地利用といえそうです。

⑧太陽光発電パネルを敷き詰める

太陽光発電パネルの設置も、当世人気の遊休地活用法です。
日照量が豊富な郊外に遊休地があり、賃貸アパートやマンション、店舗、駐車場でも需要が見込めないという場合に適しています。
太陽光発電により作られた電力は電力会社に購入してもらえます。

デメリットは、経済産業省のFIT・FIP制度に基づく太陽光発電の買い取り価格が年々下がっているため、今の価格で参入を決めると、収益見込みが予想を下回る可能性があることです。
太陽光発電の設備についても、メンテナンス費用がかかるので、一度設置してしまえばそれっきり、というわけにはいきません。

⑨資材置き場にする

一時的な土地活用方法としては、資材置き場も有効です。
建物が建てられない用途地域に遊休地がある場合や、郊外での建築資材や重機の保管場所に使える空き地があれば需要が見込めます。
特に、建設ラッシュに沸いている土地では、途切れなしに利用事業者が見つかるかもしれません。
初期投資が不要で、更地のまま貸せますし、更地のまま返ってくる点がメリットで、他の活用方法への転用も即可能です。

半面、あまり大きな収益や、継続・安定した収益は見込めません。
騒音問題などで、近隣住民とトラブルになる例もあるので、工事を始める前に会社から住民に挨拶回りをしてもらうなど、適切に対応しなければなりません。

⑩売却する

さまざま検討した結果、土地活用をしてまで所有するメリットがない、資金的余裕がない、管理の手間が面倒と判断した場合は、思い切って売却してしまうのも手です。
土地を売却してしまえば、毎年の固定資産税支払い義務から解放されます。

売却によって、まとまったお金が入ってきたら、新たな投資や家族の将来のための資金にもできます。
ただし、売却する際には、仲介会社の媒介手数料や譲渡所得税などの税金が差し引かれるほか、不動産価格の相場を見定めて売らないと、損をするのでその点は注意が必要です。

都市部の商業地や住宅用途が見込める標準的な土地であれば、すぐに買い手が見つかる可能性がありますが、地方の大きな有給地は市場性が乏しいため、売却まで期間を要します。
こうした場合は、全国にネットワークを持つ不動産会社に相談するとよいでしょう。
また、工場跡地の場合は土壌汚染の問題で、なかなか売れないということがあるので、事前に土壌汚染の調査会社に相談し、アドバイスをもらってください。
 

土地売却の一種、等価交換

土地売却の一つに、等価交換という方法があります。
ディベロッパーに土地の一部を売却して、敷地にマンションや商業施設などを建設してもらい、提供した土地と等価分の建物の区分所有権を得るというものです。

この手法によれば、所有土地の一部と引き換えに、自己資金なしで土地活用が可能で、賃貸用の建物が建てば固定資産税の節税効果も期待できるメリットがあります。
土地活用する知識や資金がない場合には適した手段といえるのではないでしょうか。

デメリットは、同一敷地内で複数の権利者が区分所有するので権利関係が複雑化すること、等価交換の相手が見つかる立地が限られることです。

遊休地の活用を相談できる土地活用会社の選び方

遊休地の立地や面積、エリアのニーズなどによって、その土地に向いた活用方法はおのずと絞られてきます。
また、土地所有者がどのくらいの投資意欲を持っているのか、どんな土地活用に関心があるのか、なども実現可能なビジネスを決めるうえで大きな要素となります。

とにかく、お手持ちの遊休地で始めてみたい土地活用法が見つかったら、あとはその道の専門家に相談することです。
遊休地の活用には、法規制や測量、周辺環境調査など、素人には対応困難なハードルがいくつもあります。
収支計画を立てるうえでも、精度の高い需要予測や事前シミュレーションが必要で、これもプロである土地活用会社に頼らざるをえません。
サポート実績豊富で税金対策に強いことが、選択の基準となります。
なかには、土地活用の相談から、建物の設計・施行、入居者募集、事業開始後の経営・管理まで一貫して請け負う業者もいるので、探してみてください。

関連記事:土地活用、相談先はどこ?ケース別に最適先を紹介

遊休地を有効活用して収益を生み出そう!

遊休地をそのままにしていると、高額の固定資産税の支払いを迫られたり、管理の責任を問われたりと、優雅な“土地持ち”生活とはほど遠いストレスに見舞われてしまいます。

いっそ、売却してしまうのも手ですが、うまく活用できれば、自身にとっても収益化や節税などのメリットに繋がり、地域貢献にもつながります。

この記事で紹介した通り、気軽に始められて副収入が入る方法、管理の手間がかからない方法、大きな利益を狙える方法など、さまざまな土地活用法があります。
ユアーズ・コーポレーションでは、コインパーキングの豊富な運営実績をもとに、お客様に有益な土地活用をご提案します。
遊休地対策でお悩みなら、お気軽にご相談ください。

コラム監修者

太田 佳里

太田 佳里(オオタヨシサト)

パーキング事業部 マネージャー

宅地建物取引士 2級土木施工管理技師

<略歴>

駒澤大学を卒業後、不動産業界へ就職

<コメント>

弊社では創業から50年不動産の有効利用、資産管理を一貫して行ってまいりました。土地活用のエキスパートとしてオーナー様のご要望にお応えするサービスの提供を行ってまいります。

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