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駐車場経営 保険

駐車場経営に欠かせない保険は?備えるべきトラブルを交えて解説

    

「駐車場経営に保険は必要?」と迷う方は少なくありません。

車や人の出入りが多い駐車場では、トラブルの発生を完全になくすことは困難です。

しかし、事前に適切な保険に加入しておけば、大きなリスクを避けることができます。

そこで、この記事では、駐車場経営に欠かせない保険を、トラブルの事例を交えながら解説します。

リスクを回避し、健全な駐車場経営を実現するために、最適な保険選びの参考にしてください。

駐車場経営に必要な保険

駐車場のトラブルは、場内の車両や利用者だけでなく、近隣住民や通行人とのトラブル、また最近、被害が甚大化している自然災害による設備の故障など多岐にわたります。

そうした事態に備え、損害を最小限に抑えるために必要な保険は次の5つです。

駐車場経営に必要な保険

  • 施設賠償責任保険
  • 動産総合保険
  • 機械保険
  • 火災保険
  • 自動車管理者賠償責任保険

ここからは、それぞれの保険について詳しく解説します。

ただし、各保険の詳しい補償内容や適用範囲などについては、各保険会社にご確認ください。

施設賠償責任保険

施設賠償責任保険は、運営者側の管理の不備や駐車場内の設備が原因で、利用者や通行人、近隣住民に損害を与えた場合に、その損害金を補償する保険です。

コインパーキングや月極駐車場など、すべての駐車場が対象なので、駐車場経営を始めるにあたり、最初に加入を検討すべき保険といえます。

たとえば以下のようなトラブルが補償対象となります。

施設賠償責任保険が適用されるトラブル例

  • 駐車場の看板が落ちて通行人にケガをさせた
  • 駐車場の塀が倒壊して通行人にケガをさせた
  • 設備の老朽化が原因で利用者の車にキズをつけた

こうしたトラブルが原因で、次のような費用が発生したときに保険が適用されます。

施設賠償責任保険で補償される費用

  • 法律上の損害賠償金
  • 賠償責任に関する訴訟費用・弁護士費用等の争訟費用
  • 求償権の保全・行使等の損害防止軽減費用
  • 事故発生時の応急手当等の緊急措置費用
  • 保険会社の要求に伴う協力費用

上記を見ていただければわかるように、施設賠償責任保険は、損害を受けた相手に対して支払われる保険です。

壊れた施設自体の修繕や改修にかかる費用は補償されません。

また、発生した事故のすべてに対して適用されるわけではなく、補償の対象とならない損害もあります。

施設賠償責任保険が適用されない損害例

  • 地震、噴火、洪水などの自然災害による損害
  • 施設の新築、修理、改造、取壊しなどの工事中の損害
  • 契約者、被保険者の故意による損害

上記のように、施設賠償責任保険は、自然災害に対しては適用されません。

自然災害に対する補償は、後ほど紹介する“動産総合保険”や“火災保険”でカバーできます。

動産総合保険

施設賠償責任保険とは違い、予測できない突発的な事故による、駐車場内の機器などの損害に対して適用されるのが動産総合保険です。

コインパーキングでは、精算機やゲートバー、ロック板などの機械設備(動産)が多く設置されており、故障すると経営者にとって大きなダメージとなります。

動産総合保険は、こうした機械設備に対する損害を幅広く補償し、経営者が予期せぬ修理費用や交換費用に対応できるようサポートします。

動産総合保険が適用される損害例

  • 精算機やゲートバー、ロック板などの破損・盗難
  • 精算機内の現金の盗難
  • 駐車場内の看板やポールなどの破損
  • 火災、落雷、破裂・爆発、取扱上の不注意などの偶然な事故による損害

上記のように、精算機用機器だけでなく、精算機内の現金も補償範囲に含められるので安心です。

ただし、以下のようなケースでは補償されません。

動産総合保険が適用されない損害例

  • 地震や噴火、津波によって生じた損害
  • 台風、暴風雨、豪雨による洪水や土砂崩れなどの水災による損害
  • 経年劣化が原因の故障

自然災害でも火事や落雷は補償対象となりますが、水災や地震は対象外です。

水災に関しては、後述の“火災保険”で補償されます。地震に備えるなら、別途、地震保険を検討するとよいでしょう。

また動産総合保険で支払われる保険額は“時価額”で算出されるのが特徴です。

時価額とは、保険金が支払われる時点での機器の評価額のことで、経年劣化や減価償却で価値が下がっている場合は、購入時よりも低い額が補償されることになります。

“新価”(新品の価格)ではないため、機器の買い替えに必要な金額が不足する可能性もありえるのです。

機械保険

機械保険は、動産総合保険と似た内容の保険で、駐車場内の機器が故障した場合に、その修理費用を補償します。

補償されるトラブル例

  • 精算機やゲートなど機械設備の故障
  • 雷や停電など突発的な事故による機械設備の修理
  • 従業員や第三者の運転、取扱上のミス、過失による事故

動産総合保険との違いは、機械保険では損害金を新価で評価する点にあります。

故障した機器と同等の機能を持つ新品と交換できるため、特に新しい設備や高価な機器を多く使う駐車場を経営する場合には、ありがたい保険といえます。

また、機械保険は盗難や窃盗による損害には適用されない点も、動産保険との違いの一つです。

補償されない損害例

  • 置き忘れ、紛失、盗難、詐欺または横領による損害
  • 自然の消耗または劣化により生じた損害
  • 台風、旋風、竜巻、暴風などの風災による損害

盗難による損害もカバーしたい場合は、現金に対して動産総合保険を付加することも可能です。

火災保険

火災保険は、火災だけでなく台風や落雷、河川の氾濫といった自然災害が原因で、駐車場の設備が故障した場合にも適用されます。

補償対象となる自然災害例

  • 火災
  • 台風
  • 落雷
  • 風災・雹災・雪災
  • 水災

自然災害の多くは火災保険で補償されますが、地震・噴火・津波など、規模が大きく、保険会社だけでは対応できない災害は対象外となります。

また、自然災害以外にも、“破損・汚損プラン”を付加すれば、駐車場の壁の破損や盗難などを補償対象とすることができます。

「破損・汚損」プランで対象となる損害

  • 駐車場内の壁の破損
  • 駐車場内の設備の破損
  • 盗難

このように、火災保険は、自然災害だけでなく、オプションによって設備の破損や汚損までカバーできるのが特徴です。

しかし、自然災害の中でも、地震・噴火・津波のように、規模が大きく、保険会社だけでは対応できない災害は対象外となります。

保険を選ぶときには、地震に備える保険や特約がないか? 火災保険に汚損・破損補償のオプションプランを加えられるか? を確認しておくとよいでしょう。

自動車管理者賠償責任保険

自動車管理者賠償責任保険は、駐車場で預かった車両に対して、駐車場管理者の過失により損害が発生した場合に補償するための保険です。

この保険は、有人管理の駐車場や、車両の鍵を預かって車を移動させるタイプの駐車場で必要になります。

無人のコインパーキングや月極駐車場では一般的に不要です。

補償されるトラブル例

  • 駐車場スタッフが車両を移動させる際にぶつけた
  • 預かっていた車両が盗まれてしまった

上記のような場合でも、自動車管理者賠償責任保険に加入していれば、車両の修理費用や賠償金を保険金でカバーすることができます。

駐車場経営に必要な保険の費用

ここまでで、駐車場経営で必要な5つの保険を解説しました。

しかし、保険に加入すると、年間でいくらぐらい保険料がかかるのか不安になる方も多いのではないでしょうか?

保険にかかる費用は、次のような要因によって変わってきます。

保険費用が変動する主な要因

  • 駐車場の立地や規模
  • 設備の状態
  • 安全対策の有無
  • 補償の範囲と限度額

補償内容よっては、保険料が高くなる場合もありますが、必要最低限の補償に絞れば年額数千円で収めることも可能です。

保険を検討する場合は、上記の4つの要因や保険内容、見込まれる収支などを踏まえ、保険会社と相談することが大切です。

駐車場経営において保険が適用される事例

駐車場経営のために必要な保険についてはご理解いただけたと思います。

ここからは、保険が適用される代表的な事例として次の3つを紹介します。

駐車場経営において保険が適用される事例

  • 駐車場の看板落下事故
  • 精算機荒らしによる現金の盗難
  • 駐車場壁面の擦り傷

いずれも、駐車場で比較的、起こりがちなトラブルになります。

駐車場の看板落下事故

「風の強いある日、駐車場の看板が落下してしまいました。

知らないうちに、看板を固定していたボルトが緩んでいたことが原因だったようです。

落下の衝撃で壊れた看板の破片が隣家の塀をキズつけてしまい、数十万円の損害賠償を請求されることに……。

しかし、加入していた施設賠償責任保険で全額カバーでき、ホッとしました。

ただ動産総合保険に加入していなかったため、落下した看板の付け替え費用は、自腹になりました」

施設賠償責任保険は利用者や利用者の車など、相手に対して補償する保険なので、看板や設備類の修理には適用されません。

どちらもカバーしたい場合は、動産総合保険や機械保険への加入も同時に検討しましょう。

精算機荒らしによる現金の盗難

「駐車場を見回っていたときに、精算機がこじ開けられ、現金が盗まれているのを発見したので、急いで警察と保険会社に連絡しました。

結局、犯人は捕まらなかったのですが、動産総合保険に加入していたおかげで、精算機の修理代金にくわえ、現金も補償されたので、本当によかったです」

精算機荒らしによる現金の盗難は、無人の駐車場やコインパーキングでは特に気を付けなければいけません。

動産総合保険に加入しておけば、精算機だけでなく、現金も補償対象となります。

ただし動産総合保険は時価評価での補償のため、精算機が古い場合、取り換え費用の満額は補償されません。

全額補償を希望する場合は、機械保険への加入をご検討ください。

駐車場壁面の擦り傷

「マンションの地下スペースを利用してコインパーキングを経営しています。

ある日、住人から『マンションの壁にキズがありますよ』と連絡があり、確認に出向くと、車で擦ったようなキズが……。

おそらく駐車場利用者によるものだと思いましたが、犯人が名乗り出てくることもなかったので、保険会社に連絡しました。

火災保険に加入したときに、破損・汚損プランもくわえたので、無事、全額を保険で補償してもらうことができ、助かりました」

壁面の擦り傷に対しては、火災保険の “破損・汚損プラン”を追加することで補償が適用される場合があります。

ただし、適用されるかどうかは、保険契約内容や損傷の原因によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

駐車場経営におけるトラブルリスク

さまざまな種類のトラブルが起こりうる駐車場ですが、トラブルの原因には、大きく分けて3つのタイプがあります。

駐車場経営におけるトラブルリスクの原因

  • 利用者とのトラブル
  • 外部とのトラブル
  • 設備に関するトラブル

これらのリスクが具体的にどういうものかを理解し、適切な保険を選ぶときの参考にしてください。

利用者とのトラブル

利用者とのトラブルで特に多いのが、駐車料金に関することです。

月極駐車場においては料金の未払いや滞納、コインパーキングでは駐車券の紛失、などが挙げられます。

また、駐車場の出入口が狭い場合、利用者同士、あるいは利用者と駐車場の構造物との接触や、物損事故もよくみられます。

物損事故となると、修理が済むまで駐車場の営業ができなくなり、収入が減ることにもつながりかねません。

こうしたトラブルでも、動産総合保険や機械保険に加入しておけば、損害賠償などに関する心配はある程度軽減できます。

外部とのトラブル

近隣住民や通行人といった、外部とのトラブルも無視できません。

特に、車の出入りに伴う騒音や排ガスのニオイについて、住民からクレームが寄せられることがあります。

これらの問題は、近隣住民との関係が悪化し、駐車場のイメージダウンにつながるおそれがあるので、特に注意をしたいところです。

また、駐車場は無人のところが多いため、ゴミの不法投棄も発生します。

放置すれば、悪臭や害虫が発生する要因にもなりかねません。

こうした近隣住民や通行人とのトラブルには、損害賠償金など幅広い費用に適用される施設賠償責任保険に加入しておけば安心です。

設備に関するトラブル

設備トラブルの例としては、駐車場内の精算機やゲートバー、ロック板などの故障や誤作動が挙げられます。

これらのトラブルは、利用者に不便を与えるだけでなく、賠償問題に発展することもあるため、発見次第意すぐに対処しましょう。

くわえて、近年では豪雨による河川の氾濫などの自然災害で、駐車場内の機器が水没したり、設備が損傷したりするケースも多くみられます。

こうしたリスクも、動産総合保険や機械保険、火災保険への加入しておけば被害を最小限に抑えることができます。

駐車場経営のリスク回避ために保険には加入しましょう

駐車場経営にあたり、さまざまなリスクを回避するために役立つ保険として、施設賠償責任保険、動産総合保険、機械保険、火災保険の5つを紹介しました。

これらの保険は、利用者や外部、設備のトラブルのほか、自然災害による損害などのトラブルに直面しても、損害をカバーしてくれます。

駐車場経営のための保険の加入は任意です。

しかし、さまざまなトラブルリスクを回避し、安心して健全な駐車場経営を続けるために、ぜひ、適切な保険に加入することをおすすめします。

コインパーキングの経営なら、ユアーズ・コーポレーションをご検討ください。

集客から清掃、さまざまなトラブルへの対応など、手厚いサポートで、駐車場経営をサポートいたします。

    
土地活用 月極駐車場

月極駐車場経営という土地活用法のメリット・デメリットとは

    

老後も安定して資金を得るために、月極駐車場の経営を考えている方もいらっしゃるかもしれません。
月極駐車場以外にも土地活用の方法はあるなかで、具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのか気になるところですよね。

そこで本記事では、月極駐車場経営のメリット・デメリットを徹底解説します。
ご自身に合う土地活用法を押さえて、安心して経営を始めたい方はぜひ最後までご覧ください。

土地活用としての駐車場経営とは

所有している土地を、何かしらの方法で運用して収益を得ることを“土地活用”とよびます。
なかでも、初期費用を抑えて手軽に始められるのが駐車場経営です。

その駐車場経営と同じ括りとして扱われる土地活用法が、コインパーキング経営です。
エリアや時間帯によって利用者の数が左右されるもので、経営に際して土地の整備や設備の導入など、高額な初期費用がかかります。

また、アパート経営やマンション経営といった賃貸経営も土地活用であり、収益性が高いのが大きな特徴です。
駐車場経営はこれらの土地活用法と比べると収益性は低いですが、経営リスクは大きくないので、初めて経営される方におすすめです。

駐車場の種類

先述にて軽く触れた部分ではありますが、改めて駐車場の種類をおさらいしていきます。
駐車場は、月極駐車場とコインパーキングの2つに大別できます。

すでに何度も登場している月極駐車場とは、1か月単位で貸し出す駐車場のことです。
契約者からの賃料を毎月回収できるので、契約者がいる限り安定した経営が望めます。

また、空車があれば契約なしで誰でも利用できる時間貸し駐車場を、コインパーキングといいます。
契約台数によって収入が左右される月極駐車場とは違い、コインパーキングは利用時間の長さが収入に反映されるのが特徴です。

今回は、月極駐車場の経営にフォーカスをあてて、具体的な概要を掘り下げていきます。

月極駐車場の管理形態

月極駐車場の経営方式は、大きく3つに分けられます。
それぞれの特徴を確認したうえで、ご自身に合う経営方式を考えてみてください。

自主管理方式

自主管理方式は、駐車場経営に関わるすべてを自身で行う方法です。
土地の整備から駐車場の管理・運営まで一人で行うため、手間がかかるという点が最大のデメリットですが、そのぶん経営で上がった収入は全額手元に入ります。

駐車場経営を副業としている方にとっては難しい経営方式ではあるものの、日々の管理や手間を負担に感じず、最大の収益を得たい方にはおすすめです。

管理委託方式

駐車場経営は自身で行うものの、駐車場の管理を管理会社に委託する方法を管理委託方式といいます。
利用者からの賃料の回収業務や利用者の募集、トラブルの対応などを、管理会社に委託する方法です。

管理委託方式では、駐車場の管理を一任できるので手間がかからないこともそうですが、経営に関するアドバイスをもらえる点もうれしいポイントです。
「初めての経営で不安だから、サポートしてほしい」とお考えの方には、うってつけの経営方式といえます。

なお、委託する管理会社に手数料を支払う必要があるため、そのぶんの収益が減ることはあらかじめ理解しておきましょう。

一括借り上げ方式

一括借り上げ方式とは、売上に関係なく契約した管理会社から毎月固定の金額が支払われる方法のことです。
所有している土地を管理会社に貸し出し、毎月の賃料を受け取る仕組みなので、駐車場の経営状況に左右されず、毎月安定した収入を得られるのが最大のメリットです。

また、多くの場合、経営に際する初期費用を負担してくれる管理会社が増えてきています。
「できるだけ初期費用を抑えつつ、日々の管理も丸投げしたい!」とお考えの方にとって、安心して経営できる方法です。

月極駐車場を経営するメリット

駐車場経営の運用方式やそれぞれの特徴を押さえたところで、月極駐車場の経営にどのようなメリット・デメリットがあるのか、深掘りしていきましょう。
まずはメリットからご紹介します。

メリット①安定収入が見込める

月極駐車場経営は月単位での契約となるため、契約者がいる限りは安定した収入が得られます。

逆に言えば、契約者がいなければ収入は得られないので、空きが多い場合は、早急に応募を募らなければなりません。
その点一括借り上げ方式で運営や管理を管理会社に委託している場合は、契約者の募集も任せられるので、空車リスクの不安も不要です。

毎月の収入が最大限となるよう、できるだけすべての区画を契約で埋める工夫を施しましょう。

メリット②初期費用を抑えて始められる

月極駐車場経営では、機械を導入する必要がないため、初期コストを抑えて初心者でも気軽に始められます。

コインパーキング経営や賃貸経営といった土地活用では、数百万~数千万円単位の初期費用が必要になるケースがあります。
その点月極駐車場経営であれば、駐車するスペースを整備するだけで運用を開始できるのです。

「土地は所有しているものの、手元に大きな資金がない」という方でも安心です。

メリット③投資リスクが低い

月極駐車場を経営するメリットの一つに、投資リスクの低さも挙げられます。
前述の“初期投資を抑えられる”という話にもつながりますが、初期費用を抑えられるということは、つまりそのぶんの投資リスクが低くなるということです。

莫大な初期投資をかけて運用を始めた賃貸経営が、空室だらけで赤字になるケースは少なくありません。
仮に契約者が少なかったとしても、毎月コンスタントに収入を得られるので、経営開始前にかかった初期費用を回収できるほどの収益は見込めます。

メリット④ほかの土地活用に転用しやすい

機械や設備を必要としない月極駐車場経営は、出口戦略を立てやすい点も強みです。

賃貸経営の場合、ほかの土地活用に転用するにあたって、建物を取り壊しから始める必要があり、お金や手間がかかります。
対して月極駐車場経営では取り壊す建物がないため、借地として貸し出したり住宅を建てたりといった用途への転用が容易になります。

月極駐車場経営を始めたものの、なかなかうまくいかない場合に、別の土地活用へとすぐに移行できるのは、安心できるポイントでしょう。

月極駐車場を経営するデメリット

月極駐車場の運営はさまざまなメリットがある一方で、注意したいデメリットがあるのもまた事実です。
経営を始める前に、押さえておきたいデメリットも紹介します。

デメリット①利益が少ない

月極駐車場の経営において、初期投資額を抑えられるというメリットに対して、そのぶん収益性が低いというデメリットが紐づきます。

たとえば、駐車スペースが3台分、月額15,000円とした場合、月間45,000円が上限の売上となります。
逆に言えば、これ以上の売上は見込めないということです。

経営を始める前に収支計算を行ったうえで、収支のバランスを確認しておきましょう。

デメリット②利益率が悪くなることがある

月極駐車場を経営する場合、駐車場の場所によっては利益率が悪くなるため、立地選びがとても重要です。

月極駐車場の需要がほとんどない土地で経営を始めると、契約者が増えず収益も伸びません。
節税対策として駐車場経営を始めたにもかかわらず、固定資産税も初期投資額も回収できないという事態も考えられるのです。

デメリット③税金の軽減措置が受けられない

どのような土地であっても、所有していると固定資産税がかかります。
アパート経営やマンション経営の場合は、固定資産税や都市計画税などに優遇措置が適用されて減税されることがあります。

しかし、月額駐車場経営の場合は、その優遇措置が対象外となり減税が見込めません。
土地の節税のために土地活用をお考えの場合は、月額駐車場ではない賃貸経営などを検討しましょう。

デメリット④トラブルが起こりやすい

月極駐車場は、契約者による料金の滞納が起こりがちです。
自主経営方式の場合、滞納者への請求や集金などもすべて一人で行わなければならないため大きな手間がかかります。

駐車スペースが数台しかない小規模経営の場合、1台の滞納でも全体の収益には大きな痛手です。
滞納者との連絡がとれなくなり、未納分が踏み倒されるリスクも考えられます。

賃料の滞納を防ぐためにも、契約時には必ず契約書を結びましょう。

月極駐車場経営にかかる費用

ここで改めて月極駐車場の経営にかかる費用の内訳を確認しましょう。
あくまで目安程度ですが、それぞれの費用の目安も紹介するので、参考にしてみてください。

初期費用

月極駐車場には、料金精算機やフラップ板などの設備は必要ありません。
そのため初期費用としてかかるのは、土地の整備のみです。

アスファルト舗装をする場合は、1㎡あたり4,000~5,000円/㎡、耐久性の高いコンクリート舗装の場合は、1㎡あたり8,000~1万円/㎡が相場の費用です。
コンクリート舗装のほうがやや割高になることがわかります。
さらに、駐車マスのライン引きや車止め、看板などの費用が加算されるので、少しでも費用を抑えたい場合は、更地に砂利を敷いて駐車マスをロープで作るのがおすすめです。

また、経営前の土地の上に建物が立っている場合は、さらに解体費用がかかります。
具体的な費用は建物の大きさや構造などで異なりますが、木造であれば1坪3万~5万円、鉄骨造であれば1坪5万~7万円、鉄筋コンクリート造だと6万~8万円ほどです。

維持費

月極駐車場の経営では、初期費用以外にも維持費も費用です。

維持費には、賃料の集金や清掃などにかかる運営費、固定資産税、所得税、保険料などが含まれます。
このうち、税金は土地の広さや売上などで大きく差が出る部分です。

さらに、管理委託方式で、管理業務を委託する場合は、手数料である管理委託料も加算されます。

税金

維持費に含まれる税金について、もう少し深掘りしていきましょう。
具体的な項目は、固定資産税や都市計画税、償却資産税、消費税などです。

固定資産税は土地所有者に必ずかかるもので、土地が市街地区域内にある場合には都市計画税も課税されます。
償却資産税は、アスファルト舗装やコンクリート舗装など、駐車場設備にかかるものです。

なお、消費税は土地の整備をしていない更地に近い状態だとかかりません。
土地所有者が土地を整備して、管理会社あるいは所有者が駐車場を運営した場合は、課税されます。

月極駐車場はどれだけ稼げるのか

最後に、月極駐車場の経営における利回りや利益の仕組みを確認して、実際にどのくらい稼げるのか計算してみます。

シミュレーションの条件

月額賃料 1万円
駐車可能台数 10台
契約率 100%
初期費用 250万円
初期費用の内訳 コンクリート舗装費:150万円歩道縁石の工事費:50万円

 

上記を踏まえて、利回りから見ていきましょう。

月額賃料1万円×10万円×12か月/初期費用250万円=48%

利回りが48%ということは、2年弱で初期費用を回収でき、黒字経営となる数値です。
今回のシミュレーションは、契約率を100%としているため、契約台数が少なくなるともちろん得られる収入も減少します。
仮に契約率が年間50%とすると、収益は半分に、初期費用を回収するまでに倍の期間を要することになるので、契約率は常に100%を維持しておきたいところです。

より具体的な収益を求める場合、ランニングコストも視野に入れなければなりません。
最短で黒字経営に軌道を乗せるバランスを見極めましょう。

月極駐車場の経営で最重要なのは立地環境

収益を最大化させるためには、前述のように契約率を100%に保持したいところですが、立地によっては、思うようにいかない可能性があります。
契約率を左右するのは、立地がカギを握っているからです。

月極駐車場の需要が高いとされている、土地の条件を以下にまとめました。

契約につながりやすい土地の条件

  • 繁華街や大型商業施設周辺
  • 住宅地周辺
  • 駐車場の台数が少ない大規模マンションがあるところ
  • 車が出入りしやすいところ

できるだけ、上記の条件に合う立地を選び、契約率を伸ばしましょう。
この条件から離れた立地だと、初期費用の回収に時間がかかり、赤字経営が長引くおそれがあります。

月極駐車場で土地活用を始めよう!

今回は、月極駐車場の経営について、メリット・デメリットなどを詳しくお伝えしました。

月極駐車場は、経営に際しての初期費用が少なく、初めての方でも手軽に始められるのが最大のメリットです。
しかし、収益性が高くないので利益率が悪くなるケースがある点には注意しておきたいところです。

常に契約者が埋まっており収益を最大化させられるように、専門の管理会社に委託することも視野に入れましょう。

株式会社ユアーズ・コーポレーションでは、土地活用の実績は2,000件以上であり、これまでにさまざまなお悩みを抱えた方のご相談に乗ってきました。
駐車場の委託にも自信がありますので、まずはお気軽にお問い合わせください。