月別アーカイブ: 2024年5月

    

土地の種類には何がある?地目の種類や調べ方、変更方法を解説

    

土地は一口に言ってもさまざまあります。土地の種類によっては、活用目的が叶わないことも少なくありません。そのため、土地を所有している人や土地運用を考えている人は、事前に把握しておくことが重要です。

 

本記事では、土地の種類や土地ごとの活用方法、住宅が建てられる土地について解説します。地目の変更方法や用途地域についても触れているので、土地選びや活用時に参考にしてください。

土地には23種類の地目がある

土地の種類は「地目」と呼ばれ、全部で23種類に分類されます。地目の分類は、土地の状況や利用目的に応じて法務局の登記官が判定します。

 

ここでは、不動産登記事務取扱手続準則第68条に規定されている、土地の種類と概要と調べ方について紹介します。

土地の種類

下記に23種類の名前と概要をまとめました。

土地の種類 概要
農耕地で用水を利用して耕作する土地
農耕地で用水を利用しないで耕作する土地
宅地 建物の敷地及びその維持若しくは効用を果すために必要な土地
学校用地 校舎、附属施設の敷地及び運動場
鉄道用地 鉄道の駅舎、附属施設及び路線の敷地
塩田 海水を引き入れて塩を採取する土地
鉱泉地 鉱泉(温泉を含む。)の湧出口及びその維持に必要な土地
池沼 かんがい用水ではない水の貯留池
山林 耕作の方法によらないで竹木の生育する土地
牧場 家畜を放牧する土地
原野 耕作の方法によらないで雑草、かん木類の生育する土地
他人の遺体又は遺骨を埋葬する土地
境内地 境内に属する土地であって、宗教法人法(昭和26年法律第126号)第3条第2号及び第3号に掲げる土地(宗教法人の所有に属しないものを含む)
運河用地 運河法(大正2年法律第16号)第12条第1項第1号又は第2号に掲げる土地
水道用地 専ら給水の目的で敷設する水道の水源地,貯水池,ろ水場又は水道線路に要する土地
用悪水路 かんがい用又は悪水はいせつ用の水路
ため池 耕地かんがい用の用水貯留池
防水のために築造した堤防
井溝 田畝又は村落の間にある通水路
保安林 森林法に基づき農業水産大臣が保安林として指定した土地
公衆用道路 一般交通の用に供する道路(道路法(昭和27年法律第180号)による道路であるかどうかを問わない。)
公園 公衆の遊楽のために供する土地
雑種地 以上のいずれにも該当しない土地

参照:法務省「不動産登記事務取扱手続準則」

土地の調べ方

土地の種類は、登記簿謄本上の表題部の地目で確認できます。登記簿は法務局の窓口、あるいは郵送やオンラインでも請求可能です。オンラインでPDFを入手する場合は、法務局のサイト内にある「登記・供託オンライン申請システム」をご利用ください。

 

また、土地の固定資産税の納付通知書に同封されている「課税明細書」や「評価明細書」にも記載されています。

土地活用に最適な土地の種類

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ここでは、土地活用に最適な土地の種類を紹介します。

宅地

宅地は、住宅や店舗を建てられる土地です。これから新しく注文住宅や建売住宅を建てたかったり店舗経営を考えていたりする場合は、宅地を選んでおくと安心です。

 

住宅や店舗以外にも工場を建設できるので、用途が変わっても対応できます。

田は田んぼのことなので、農地として活用できます。所有者が自由に農業したり農園として貸したり田んぼのまま売却したりと、使い道はさまざまです。農地転用を行って宅地にすれば、建物も建てられます。

 

関連記事:失敗しない土地売却の流れと注意点!土地を高く売る方法も紹介!

畑も同様、農地として活用できます。用水を利用しない農地になるので、野菜や果物などの栽培におすすめです。畑も農地転用を行って問題なければ宅地にできるので、使い道に困っている場合は地目変更を検討してみるとよいでしょう。

山林

山林は、耕したり肥料を撒いたりせず自然に竹や木が生えている土地のことです。

 

地目が山林であっても、農地として利用されている場合や保安林にあたる場合、市街化調整区域に該当するなどさまざまなケースがあります。そのため、活用前に確認することが重要です。

雑種地

雑種地は地目22種類のうち、どれにも分類されない土地のため、資材置き場や野球場、駐車場などに活用されています。建築の制限は設けられていませんが、住宅を建てる場合は宅地への地目変更が必要です。

住宅を建てられる土地の種類

ここでは、住宅を建てられる土地の種類について解説します。地目によっては変更せずに住宅を建てられる場合と、地目を変更しなければならない場合の2パターンがあるため注意しましょう。

宅地

先ほども紹介しましたが、宅地は住宅をはじめ店舗などの建物を建てられる地目です。一般の方が住宅を建てることを目的に購入するとなれば「宅地」になるでしょう。

 

ただし、建築基準法や都市計画法による基準を満たしているか確認する必要があります。地盤の強度は問題ないか、道路に面しているかなど、事前にチェックしましょう。また、土地の形状や広さ、建ぺい率なども調べておくと、理想の住宅が建てられるかどうかの判断ができます。

山林・原野・雑種地

山林・原野・雑種地も、地目を変更せずに住宅を建てられます。しかし、住宅ローンの借り入れを行って住宅を建てる場合は、宅地への変更が必要です。

 

なかでも山林は山極の土地を指定していることが多く、土砂崩れ警戒区域になっている場合も少なくありません。このような場合は、地目変更を行っても建物を建てられないことがあるため注意が必要です。

地目の変更方法

土地の活用用途によっては地目の変更が必要になることがあります。ここでは、地目の変更方法についてお伝えするので参考にしてください。

変更申請先

地目の変更を行うのは、その土地を管轄している法務局です。そのため、担当地区の法務局に必要書類を提出します。書類を提出すると、法務局の職員が現地に訪れ、問題なく地目変更できるかチェックします。

 

なお、申請は一般の方でもできますが専門的な知識を必要とするケースが多く、理解できないことも少なくありません。その場合は、不動産の表示に関する専門家である土地家屋調査士に依頼してみましょう。

変更の費用

基本的に地目変更は費用がかかりません。しかし、土地家屋調査士に申請代理を依頼した場合は、土地家屋調査士に依頼料を払います。

 

費用相場は担当する土地家屋調査士や変更内容によりますが1筆約5万です。2筆目以降は1筆2〜3万円と安くなる傾向にあります。

変更登記の必要書類

地目の変更申請には「登記申請書」と「土地の図面」の2つの書類が必要です。土地の図面は、土地の管轄である法務局で入手できます。

 

基本的には2つの書類で申請できますが、登記申請の内容によっては所有者の住民票が必要になる場合もあるため、あらかじめ確認しておきましょう。

農地の地目変更方法

農地の地目変更は農地法が絡んでくるため、他の地目変更と比べると複雑です。農業委員会とやり取りすることから、専門知識や実務経験がなければスムーズに進みません。変更を希望する際は、専門家に依頼するようにしましょう。

 

農地の地目変更は「農地転用」といい、これは行政書士の業務です。土地家屋調査士の中には、行政書士の資格を所有している場合もあります。

用途地域についても知っておこう把握しよう

地目以外で把握しておきたい土地といえば「用途地域」です。用地地域とは、建物の用途に一定の制限が設けられている地域のことを指します。都市計画法の地域地区の一つです。用途地域は13種類ありますが、大きく3つの地域に分けられます。

住居系用途地域

住居系用途地域は、基本的に住宅を建てられるエリアです。戸建てやマンション、駐車場などの建築に向いています。ただし、低層住居専用地域は高さ10メートル以下にしなければならないという規制があるので注意してください。

 

用途地域の13種類のうち、住居系用途地域には下記8種類があります。

  • 第一種低層住居専用地域
  • 第二種低層住居専用地域
  • 第一種中高層住居専用地域
  • 第二種中高層住居専用地域
  • 第一種住居地域
  • 第二種住居地域
  • 準住居地域
  • 田園住居地域

商業系用途地域

商業系用途地域は、住宅に限らず商業施設や工場などさまざまな建物を建てられるエリアです。繁華街周辺は商業系用途地域に指定されていることが一般的のため、店舗やオフィスを構えるケースも少なくありません。

 

また、建ぺい率や容積率は他の用途地域と比べて高めに設定されていることから、ショッピングモールや高層マンションを建てやすいといえます。

 

用途地域の13種類のうち、商業系用途地域には下記2種類があります。

  • 近隣商業地域地域
  • 商業地域

工業系用途地域

工業系用途地域は、商業系用途地域同様さまざまな建物を建てられます。主に工場や倉庫を建てるエリアとして指定されていますが、工業地域と準工業地域に関しては規制が緩く、住宅を建てることも可能です。

 

ただし、宿泊施設や学校などの建築は規制されています。生活する上であまり不便さを感じないエリアではありますが、工業系用途地域のため今後住宅周辺に工場や倉庫が立ち並ぶことも視野に入れておかなければなりません。

 

用途地域の13種類のうち、工業系用途地域には下記2種類があります。

  • 工業地域
  • 準工業地域
  • 工業専用地域

土地の種類を把握して適切に活用しよう

地目は23種類、用途地域は13種類と、土地にはさまざまな種類があります。土地によって適切な活用方法が異なるため、必要に応じて地目変更を行ったり再度土地探しを行ったりして理想の土地を手に入れましょう。

 

ユアーズ・コーポレーションでは、お客様が所有する土地の概要に配慮し、最適な活用方法をご提案します。とくにコインパーキング経営のことならお任せください。集客方法から不正駐車に対する対応など、さまざまな面からサポートします。「土地の活用方法がわからない」「収益化を目指したい」とお考えの方は、ぜひユアーズ・コーポレーションへお気軽にお問い合わせください。

    

固定資産税の仕組みを解説!いくら払うのか計算方法も紹介!

    

固定資産税は、不動産所有者が知っておくべき重要な税金です。この記事では、固定資産税の基本から計算方法、さらには軽減措置までを詳しく解説します。

 

また、具体的な例を通じて、一戸建てやマンションの固定資産税がどのように異なるかも見ていきます。固定資産税を理解し、賢く不動産を管理しましょう。

固定資産税とは

固定資産税と呼ばれる税金は、自分が所有している土地や建物などの「固定資産」にかかる地方税のことです。これは国税ではなく、所有している土地や建物がある地域の地方公共団体に支払われます。

 

通常、居住用の家(マイホーム)を所有している場合、所有者は毎年、都市計画税と固定資産税の納税通知が届きます。この税金は、不動産だけでなく、償却資産にも適用されるので注意しましょう。以下は固定資産税の具体的な対象カテゴリです。

  • 土地:田畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野などが含まれます。
  • 家屋:住宅、店舗、工場(発電所や変電所も含む)、倉庫などが対象です。
  • 償却資産:構築物、機械装置、工具、船舶、航空機などの事業用資産で、法人税法や所得税法に基づいて減価償却の対象とされている資産です。ただし、自動車税種別割や軽自動車税種別割に属する資産は除外されます。

固定資産税の納税義務者は、「1月1日現在、固定資産課税台帳に登録されている土地、家屋、および償却資産の所有者」です。そのため、1月1日に所有者である人が税金を支払う義務があります。

 

固定資産税額を計算する方法は、土地や建物に適用される「課税標準額×標準税率1.4%」です。課税標準額とは、固定資産税評価額に基づいている数字であり、この評価額は3年ごとに資産価格の変動に対応して調整されます。一般的に、不動産の市場価格の約70%が評価額として設定されます。

 

また、各市町村は独自の必要に応じて異なる税率を設定することが可能です。固定資産税の具体的な金額は、登録されている価格と地方公共団体が決定する標準税率に基づき計算されます。

 

関連記事:コインパーキング経営にかかる税金を徹底解説

固定資産税の計算方法

 

固定資産税を理解するためには、まずはその計算方法を把握しておくことが大切です。土地と建物はそれぞれ、異なる基準で固定資産税が計算されます。

 

ここでは、それぞれの具体的な計算手順について見ていきましょう。固定資産税は、固定資産の評価額と地方自治体が設定する税率に基づいて決定されます。

土地部分の固定資産税

土地に課せられる固定資産税は、公示価格の70%を課税標準額(固定資産税評価額)として使用します。

 

たとえば、土地の市場価格が2,000万円の場合、課税標準額は1,400万円です。この額に標準税率1.4%を乗じると、固定資産税は19万6,000円と計算できます。この金額が、その土地に対して1年間に支払うべき税額です。

建物部分の固定資産税

建物の固定資産税は、固定資産課税台帳に登録されている評価額を基に計算できます。新築の一戸建てでは、通常、建築費の約60%が評価額として設定されます。

 

建築費が1,500万円の場合、課税台帳には約900万円が記載されているでしょう。この評価額に1.4%の税率を適用すると、固定資産税は12万6,000円です。

土地と建物の固定資産税を合算

土地と建物の固定資産税を加算することで、一戸建ての総固定資産税額を求められます。上記の例で言えば、土地の固定資産税が19万6,000円、建物が12万6,000円で、合計では32万2,000円です。この金額は、特別な軽減措置が適用されていない場合の税額です。

 

軽減措置がある場合は、この額からさらに減額される可能性があります。固定資産税を支払う立場にある場合は、地方自治体に確認して軽減措置を受けられるかどうか確認しておきましょう。

一戸建ての固定資産税額を計算シミュレーション

固定資産税のシミュレーションを、価格帯が異なる一戸建ての例を通じて詳しく説明します。ここでは、3,000万円と4,000万円の一戸建て住宅にかかる固定資産税の計算方法を見ていきましょう。

3,000万円の一戸建ての場合

土地の固定資産税は、公示価格の70%を評価額として用います。そのため、1,900万円の土地の評価額は1,330万円です。200平米以下の土地に適用される軽減措置を考慮すると、次のように計算できます。まずは、土地の固定資産税額から見ていきましょう。

 

1,330万円(土地の固定資産税評価額)×1/6(200平米以下の軽減措置)×1.4%(標準税率)=3万1,033円
この結果、土地部分の固定資産税は3万1,033円です。

 

一方、建物の固定資産税の計算には、建築価格の60%が評価額として用いられます。1,100万円の建築価格に基づく評価額は660万円です。建物にも軽減措置が適用されるため、次のように計算します。
660万円(建物の固定資産税評価額)× 1/2(軽減措置)×1.4%(標準税率)=4万6,200円

 

 

したがって、建物部分の固定資産税は4万6,200円です。土地と建物の固定資産税を合算すると、3,000万円の新築一戸建ての総固定資産税額は次の通りです。
3万1,033円(土地の固定資産税額)+4万6,200円(建物の固定資産税額)=7万7,233円
この計算により、固定資産税の全体的な負担が明らかにできます。

 

この税額は、新築の一戸建て住宅を所有する際の年間の税的なコストの一部を示しています。

4,000万円の一戸建ての場合

固定資産税の計算を4,000万円の新築一戸建てを事例として見ていきましょう。この住宅では、土地の公示価格が2,400万円、建物の再建築価格が1,600万円で、土地面積は280平米、建物の居住部分の床面積は120平米です。

 

公示価格の70%を固定資産税評価額とするため、2,400万円の土地は1,680万円の評価額が適用されます。この評価額をもとに、土地の固定資産税が計算できます。

  • 200平米以下の部分:1,680万円(土地の固定資産税評価額)×200平米/280平米(面積の割合)×1/6(軽減措置)×1.4%(標準税率)=2万8,000円
  • 200平米を超える部分:1,680万円(土地の固定資産税評価額)×80平米/280平米(面積の割合)×1/3(軽減措置)×1.4%(標準税率)=2万2,400円

この2つの額を合計すると、土地の固定資産税は5万400円です。

 

続いて、建物の固定資産税計算を見ていきましょう。建物の再建築価格から60%の評価が固定資産課税台帳に登録されるため、1,600万円の建築費の場合、評価額は960万円です。この評価額に基づき、建物の固定資産税を次のように計算できます。
960万円(建物の固定資産税評価額)×1/2(軽減措置)×1.4%(標準税率)=6万7,200円

 

土地と建物の固定資産税を合わせると、総額は次の通りです。
5万400円(土地の固定資産税額)+6万7,200円(建物の固定資産税額)=11万7,600円
この計算結果により、4,000万円の新築一戸建ての固定資産税の総額が11万7,600円となることが確認できます。

 

この税額は、所有者が毎年支払うべき額を示しており、不動産の価値と位置に基づいた適正な負担であることが理解できるでしょう。

住宅にかかる固定資産税には軽減措置がある

固定資産税は、不動産の所有者が毎年負担する税金ですが、住宅に関しては軽減措置が存在し、税の負担を減らすことが可能です。

土地(住宅用地)に対する軽減措置

住宅用地に適用される軽減措置は、土地の固定資産税評価額に基づいて大きく割り引かれます。具体的な割引率は以下の通りです。

  • 200平米以下の土地:評価額の1/6
  • 200平米を超える土地:評価額の1/3

たとえば、土地の面積が300平米で評価額が6万円/平米の場合、課税標準額は次のように計算できます。
課税標準額=6万円/平米×200平米×1/6+6万円/平米×(300平米-200平米)×1/3
=200万円+200万円
=400万円
固定資産税額=400万円×1.4%
=5.6万円

 

合計した課税標準額は400万円となり、これに1.4%の税率を適用すると、固定資産税は5.6万円です。ただし、新築予定の住宅用地で年を跨ぐ場合は、この特例が適用されないため注意しましょう。

新築一戸建て購入・建築時の軽減措置

新築住宅を購入または建築した場合、戸建て住宅では3年間、マンションでは5年間、固定資産税が半額です。さらに、住宅が長期優良住宅に認定された場合、戸建ては5年間、マンションは7年間の軽減が適用されます。

 

軽減措置を受けるためには、以下の条件が必要です。

  • 新築住宅が2024年3月31日までに完成していること
  • 住宅の床面積が50平米から280平米であること
  • 賃貸併用住宅の場合、居住部分が全体の半分以上であること

固定資産税の軽減措置を受けるには、自治体への申請が必須です。申請期限は住宅購入の翌年の1月末までとなっていますので、期限内に手続きを完了させておきましょう。

一戸建てとマンションの固定資産税はいくら違うのか?

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一戸建てとマンションの固定資産税の違いについて、同じ地域で同額で購入した場合の例を用いて解説します。固定資産税は長期的に考慮する必要があるため、その影響を短期的および長期的な観点から見ていきましょう。

建物の評価額がポイント

一戸建て住宅では土地と建物の評価が分かりやすい一方で、マンションでは所有する部屋の広さに応じた建物の評価額が基準です。マンションの場合、土地は建物全体の土地を全戸数で割った面積がそれぞれの所有部分とされます。その結果、マンションでは土地の保有面積が少なく、評価額が低めに設定されがちですが、建物の評価額は比較的高くなってしまうので注意しましょう。

 

一戸建てとマンションを合わせて比較した場合、一戸建ては土地と建物の比率が土地7:建物3、マンションでは土地3:建物7の割合です。

木造の新築注文住宅はマンションより固定資産税が安い

地域が同じでも、新築一戸建てとマンションの固定資産税は経年変化とともに差が開いてきます。土地の価格は長期間大きな変動が少ないのに対し、建物は時間の経過とともに価値が低下します。これは土地が価値を保ちやすい一方で、建物の劣化が進むからです。とくに、木造の新築一戸建ての耐用年数は22年とされ、評価額が早期に下がる傾向にあります。

 

これに対して、マンションの耐用年数は約47年と長く、価格の下落が緩やかです。そのため、長期にわたってマンションは比較的高い固定資産税が課される可能性がありますが、木造の新築一戸建ては早くから税額が下がり、結果的に固定資産税の負担が軽くなることが多いです。

新築住宅の固定資産税評価額の決め方

新築住宅の固定資産税評価額を正確に把握することは、家を建てる際に避けては通れない道であることは間違いありません。この評価額は、使用される建材や設備の詳細な調査に基づき、再建築費を基準に算定されます。

 

以下では、新築住宅の固定資産税評価額の設定方法と、その評価額に異議がある場合の対処方法について説明します。

家屋調査のタイミングは?

新築または増築された住宅の家屋調査は、工事完了後1ヶ月から3ヶ月の間に行われることが一般的です。この調査には物件の所有者が立ち会う必要があります。調査では、建物の構造や使用されている材料、設備の状態が詳細にチェックされ、これらの情報が評価額の算出に大きく影響します。

 

なお、立ち会いは所有者によって拒否されることも可能です。その場合、提出された書類のみで評価が行われます。立ち会わなかったことで評価額が実際よりも高く設定されるリスクがあるので、注意しましょう。

固定資産税評価額に納得がいかない場合は再審査の依頼が可能

固定資産税の評価額に不服がある場合、所有者は評価額の再審査を依頼することが可能です。この申請は、固定資産税の納税通知書を受け取った日から3ヶ月以内に行う必要があるので、期間に注意しましょう。

 

再審査では、市町村の評価担当者による再評価が行われ、必要に応じて追加の情報提供を求められることもあります。この再審査を通じて、評価額が適正化される可能性があり、結果的に固定資産税の負担が軽減されることも期待できます。

固定資産税の納付時期と支払い方法

固定資産税の支払いは、所有する不動産の価値に基づいて毎年課税され、その支払い方法と時期を理解しておくことが、賢明な資産管理の一環です。

 

ここでは、固定資産税の納付時期とその支払い方法について具体的に解説します。

固定資産税の納税時期

固定資産税は通常、年4回の分割で納付するのが一般的です。具体的な納付月は自治体によって若干の違いがあるものの、多くの場合、6月、9月、12月、そして翌年の2月が一般的です。

 

これらの納税期限を過ぎてしまうと、税額に加えて遅延金が課せられます。この遅延金は、滞納した日数に応じて加算され、年間最大で14.6%にも上ることがあります。そのため、可能な限り遅延金が発生しない期限内に納付しましょう。

固定資産税の支払い方法

固定資産税の支払い方法は多岐にわたります。主な方法としては、以下の支払い方法が一般的です。

  • 現金払い:金融機関の窓口やコンビニエンスストアで支払う方法
  • 口座振替:銀行口座から自動で引き落とされる方法で、手続きを一度行えば毎回の支払いを忘れる心配がありません
  • ペイジー:ATMやインターネットバンキングで支払う方法
  • クレジットカード:カードで支払い、ポイント還元を受けることも可能
  • 電子マネー:nanacoやWAONなどの電子マネーで支払う方法
  • スマートフォン決済:PayPayやLINE Payなどのアプリを使用して支払う方法

それぞれの支払い方法には特有のメリットや手数料が伴うため、事前に確認しておくことが望ましいです。たとえば、クレジットカード払いではポイント還元が受けられる可能性がある一方で、一部の方法では手数料が必要な場合があります。

 

また、口座振替は初期の登録に手間がかかりますが、一度設定してしまえば毎回の手続きが不要となり、便利な支払い方法です。

固定資産税を理解して賢く家を購入しましょう

固定資産税は、土地、建物、償却資産の所有者が支払う必要のある地方税です。この税額は、土地や建物の市場価格に基づく評価額と地方公共団体が設定する税率によって算出されます。支払いは年4回に分割され、さまざまな方法で納付可能です。特に新築住宅には軽減措置が適用される場合があり、これらの情報を理解し適切に管理することで、税の負担を効果的に管理できます。

 

ユアーズ・コーポレーションでは、土地の運用に困っている方に賢く土地を運用する方法を提供しております。使用していない土地の固定資産税で悩んでいるのであれば、ぜひご相談ください。コインパーキング経営で毎年の固定資産税以上のリターンを提供いたします。

    

失敗しない土地売却の流れと注意点!土地を高く売る方法も紹介!

    

土地売却を成功させるためには、適切な手順と準備が不可欠です。

 

この記事では、土地を効果的に売却するための方法と注意点を解説します。仲介と買取の違い、売却の詳しい流れ、高く売るための戦略など、土地売却に関する情報を提供し、売却の際の課題や解決策について深く掘り下げていきましょう。

土地売却には仲介と買取の2種類の方法がある

土地を売却する際には、仲介と買取の2つの方法から選択できます。どちらの方法にもメリットとデメリットが存在し、自分の状況や売却の目的に合わせた選択が求められます。

 

ここでは、それぞれの特徴を詳しく解説し、賢い土地売却を実現するためのポイントを見ていきましょう。

仲介のメリット・デメリット

仲介による土地売却は、不動産会社を通じて市場で買い手を見つける方法です。最大のメリットは、高値の市場価格で売れる可能性があることです。多くの買い手候補に対して広告を行い、最適な条件での取引が期待できます。

 

ただし、買い手が見つかるまでに時間がかかる場合があり、内覧対応などの手間が必要になることもデメリットとして挙げられます。

買取のメリット・デメリット

買取による土地売却は、不動産会社が直接、あらかじめ提示された価格で土地を購入する方法です。この方法のメリットは、速やかに現金化でき、買い替えや資金計画が立てやすいことにあります。また、買取後のトラブルが少なく、周囲に知られずに手続きが完了するためプライバシーも保護されます。

 

しかし、市場価格よりも低価格での取引になる可能性があるのがデメリットです。

土地売却の流れ

土地売却を完了させるためには、流れをしっかりと理解し、段階ごとに適切な対応を行うことが重要です。売却の流れは主に6つの段階に分けられるため、それぞれのステップについて詳しく見ていきましょう。

①事前準備

事前準備として、売却に関わる重要な事項を整理することが必要です。

 

はじめに売却の希望条件を設定しましょう。ローン残高の確認、希望する売却時期や価格の検討も大切です。続いて、売却する土地の市場価値を把握するために、周辺の土地価格と比較して相場を調べておきましょう。これにより、適切な売り出し価格の設定が可能です。

 

次に、土地の境界線の確認が必要です。売買する際は、土地の正確な範囲を明示することが法的に要求されます。不明瞭な境界線は隣接地との紛争を引き起こす可能性があるため、境界線を明確にしておきましょう。

 

これを行うためには、「確定測量図」を用意するのが最適です。もし手元に適切な測量図がなければ、土地家屋調査士に依頼して新たに測量を行い、必要な図面を作成してもらうことをおすすめします。

 

さらに、土地売却には他の法的文書も必要です。主な書類には身分証明書、実印、印鑑証明書、登記権利書、固定資産税評価証明書があります。相続土地の場合は売却前に名義変更を完了させておく必要があります。ストレスを感じずに売却を進めるために、これらの準備を整えておきましょう。

②不動産会社による査定

準備が完了したら、不動産会社に査定を依頼することが次のステップです。一般的に、不動産査定にはオンラインで情報を入力し簡易的な結果を得る「簡易査定」と、担当者が実際に現場に訪れて行う「訪問査定」の2つの方法が存在します。より詳細で正確な評価を望む場合は、訪問査定を選択しましょう。

 

訪問査定では、不動産の位置や地形、周辺の環境、敷地内の障害物の有無など、多くの要素が詳細にチェックされます。通常、この調査には約1週間ほどかかります。査定価格が提示された後は、その価格だけでなく、不動産会社の対応や信頼性、実績なども考慮し、納得できる不動産会社を選び、その会社と媒介契約を結びましょう。

③不動産会社による販売活動

媒介契約を不動産会社と結んだあとは、売り出し価格の設定が行われます。不動産会社から提案される査定価格を基に、売主が最終的な価格を決めるのが一般的です。

 

価格が決まれば、不動産会社は販売活動に入ります。これには、チラシの配布や、インターネット上の不動産サイトへの掲載などが含まれます。売主側では、土地の見た目を良くするために、雑草を取り除いたり、不要な物を片付けておきましょう。これにより、土地がより魅力的に見え、購入希望者の関心を引きやすいです。

④購入者との売買契約

買い手が見つかり価格に合意が得られた場合、売買契約を進めます。契約日には、不動産会社が買い手に対して契約内容や重要な事項を詳しく説明します。売り手も契約内容を事前に確認し、誤りがないか慎重にチェックすることが大切です。

 

契約書への署名と捺印は、売り手と買い手双方によって行われ、これが完了すると買い手から売り手へ手付金が支払われます。この手付金は、契約違反が発生した際には違約金として機能するものです。もし買い手が契約を破棄する場合は手付金を放棄し、売り手は受け取った手付金を返金するとともに、同額の違約金を支払い、契約が解除されます。

⑤手付金の残りを決済・引渡し

土地の引き渡し時には、手付金の残額が支払われることが一般的です。この時点で、売主は買主に全ての必要な書類を提供します。

 

もし買主が住宅ローンを使用している場合、決済は主に関連する金融機関で行われます。ローンに関する手続きが完了すると、その金融機関を通じて売主へ残額が支払われるのが通常の流れです。

⑥売却後の確定申告

売却が完了した後、次の年には確定申告が必要です。売却による利益、すなわち譲渡所得が発生している場合、これを申告し税金を納めることが義務付けられています

 

また、特定の条件に該当する場合は、節税措置を適用することが可能です。そのため、確定申告を通じて税額を減らせます。確定申告時には、売却に関連するさまざまな費用を経費として申告可能です。これには測量費、解体作業費、仲介手数料などが含まれます。これらの費用を正確に計上するためにも、関連する領収書は必ず保管しておくことが重要です。

土地売却にかかる費用・税金は?

土地を売却する際には、さまざまな費用と税金が発生します。これらは売却価格に大きく影響を与えるため、事前に理解しておきましょう。

仲介手数料・費用

土地を売却するときには、不動産会社に仲介手数料を支払うことが一般的です。この手数料は売却価格に基づき計算され、契約によって異なります。また、ローンが残っている場合、その一括返済には繰上げ返済手数料が必要になることがあるので事前に確認しておきましょう。

 

土地の測量が必要な場合の測量費用や、更地にするための解体費用も、売却費用として計上されることがあります。

不動産売却時の主な税金

土地の売却に伴って、いくつかの税金が発生します。契約書に貼付するための印紙税、ローンの抵当権を抹消するための登録免許税、そして土地の売却益に対する譲渡所得税(所得税と住民税)です。

 

これらの税金は、売却プロセスにおいて重要な役割を担い、売却益の最終的な手取り額を決定します。

土地を高く売る方法

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土地を売却する際、最大限の利益を確保することは多くの売主にとって重要な目標です。ここでは、土地を高額で売却するための方法を見ていきましょう。

  • 土地を売るタイミングを見計らう
  • 高く売ってくれる不動産会社を探す
  • 売却理由やアピールポイントを整理する
  • 隣地所有者に声をかけてみる
  • 越境の覚書を締結しておく
  • 古家や廃棄物は取り除いておく
  • 駐車場のアスファルトは撤去しておく

土地を売るタイミングを見計らう

不動産、とくに土地の売却価格は、市場の需要と供給の関係に強く影響されます。売却を計画する際には、市場が最も活発な時期を狙って売り出すことが望ましいです。

 

たとえば、一般的に不動産市場が活発になるのは、新生活が始まる4月前の1月〜3月の間です。この時期に売り出すことで、良い条件で売却を進めることが可能になり、希望する価格での取引が実現しやすくなります。また、更地の場合は建築計画も考慮に入れ、適切な売り出しを行うことが理想的です。

高く売ってくれる不動産会社を探す

1つの不動産会社だけではなく、複数の会社に価格査定を依頼しましょう。これにより、1つの価格に依存せず、市場価値を正確に把握できます。また、不動産会社のサービスや対応を比較することも可能です。通常、オンラインや電話で簡単に行える簡易査定は、4社から5社に依頼すると良いでしょう。

 

一方で、より詳細な現地調査を伴う訪問査定は、3社程度が適切です。この際、土地売買に強い専門性を持つ不動産会社を選ぶことが望ましいです。たとえば、マンションや賃貸物件の取引に特化した会社ではなく、土地取引の経験が豊富な会社を選ぶべきでしょう。

 

また、地元の市場に精通した地域密着型の不動産会社や、広いネットワークを持つ大手不動産会社など、異なるタイプの会社に査定を依頼することで、より広い視野で土地の価値を評価できます。

売却理由やアピールポイントを整理する

土地を売る際には、できる限り迅速に、かつ高値での取引を目指すのが一般的な売主の願望です。一方で、買主も可能な限りお手頃価格で優れた土地を求めています。このため、売却する土地の特性や魅力を正確に伝えることが、双方にとっての信頼関係構築に影響します。

 

土地の詳細情報、とくに売却の理由は、透明性を持って買主に伝えるべきです。これには、土地の利点だけでなく、売却を決意した動機も含まれます。この情報を明確にすることで、買主に対して信頼性を示し、取引の進行をスムーズにすることが可能です。

隣地所有者に声をかけてみる

隣地所有者へ声かけしてみるのも有効な手段です。自分の土地を拡張するために、隣接する土地に対して高い関心を持つことが多いため、隣地所有者へ売却する方が高額になる可能性があります。

 

声をかける方法としては、不動産会社を通じて行う方法と、個人で直接連絡を取る方法があります。不動産会社を利用する場合は、営業担当者に指示を出すだけで、法的な問題も少なくスムーズに進めることが可能です。

 

一方、自分で直接声をかけようとを考えている場合は、締結している媒介契約の種類に注意しましょう。専属専任媒介契約の場合は自己発見取引が禁止されていますが、専任媒介契約ならば可能です。

 

一般媒介契約では、他の不動産会社にも依頼でき、自己発見取引も許可されています。既に隣地の所有者と良好な関係がある場合や、個人的に交渉を進めたい場合は、専属専任媒介契約を避け、専任媒介契約や一般媒介契約を選択することをおすすめします。これにより、柔軟に土地売却を進めることが可能です。

越境の覚書を締結しておく

土地売却において、越境の問題に対処するために覚書を締結することは、買主にとって魅力的な要素の1つです。越境の覚書とは、土地の境界線上に存在する越境物に関して、隣地所有者と合意に達した内容を文書化したものであり、この文書には、越境物の所有権や是正措置についての合意が含まれます。

 

越境物にはさまざまなものがあり、代表的なものとして木の枝、フェンスの基礎、ブロック塀、擁壁やエアコンの室外機などが挙げられます。これらの存在は是正が難しい場合に、土地売却の際の障害となる可能性が高いです。たとえば、擁壁の地下部分が隣地に越境しているようなケースでは、簡単には解決できません。

 

しかし、越境の覚書がある場合、これらの問題が買主にとっての不安要素を大幅に軽減します。そのため、覚書は買主にとって安心材料となり、売主にとっても高値での売却を促進する効果があります。覚書の作成は必須ではありませんが、存在する場合は土地の価値を向上させることが多く、印象を良くするためにも有効です。

 

越境の覚書の作成は、測量会社に依頼することが一般的であり、確定測量図を作成する際に一緒に依頼するのがおすすめです。越境物が存在しない場合には、覚書の必要はありませんが、不動産取引においては、これらの文書が取引の透明性を高め、双方にとって有利な条件を作り出す手助けとなるでしょう。

古家や廃棄物は取り除いておく

売却する際には、土地に存在している古家や廃棄物を取り除いておくのが、高額での売却につながることが多いです。古家や廃墟のような利用価値がない状態の建物がある場合、これらを事前に取り除くことをおすすめします。

 

利用価値があり、住むのに適している建物がある場合には、そのまま売却することでスムーズに取引が行われることもあります。しかし、廃墟等については買主にとって撤去が必要となるため、結果として土地の価格が下がる原因になります。廃棄物や使えない建物が残っていると、それだけで土地の魅力が大幅に低下し、売却自体が困難になることがあります。廃墟に近い状態の古家の場合、売主が事前に撤去しておくことで土地の価値を高めることができるでしょう。

 

完全に壊すべきかどうか迷う状態の古家がある場合は、一度、不動産会社に査定を依頼してみると良いでしょう。その査定結果を基に、建物を壊すべきかどうかの判断を行うことが、経済的にも無駄がなく効率的です。

駐車場のアスファルトは撤去しておく

駐車場として使用されている土地を売却する際には、アスファルトを撤去しておくことが、より高い価格で売るための戦略としておすすめです。

 

駐車場の契約を解除するのは比較的簡単であり、アスファルトが敷かれたままでも土地を売ること自体は可能ですが、アスファルトが残っていると、将来的にそれを撤去する必要が買主に発生します。

 

この撤去費用は、買主にとって追加の負担となり、土地の購入に際して交渉の材料として使われることがあります。結果的に、土地の売却価格が下がる可能性があるため、アスファルトを事前に撤去し、土地をすぐに利用できる状態にしておくことが望ましいです。

 

このようにしておくことで、土地が即座に使える魅力をアピールでき、より高い価格での売却が期待できます。

土地を売るときの注意点

土地の売却を考える際、いくつかの注意点に気をつける必要があります。ここでは、以下の注意点について詳しく見ていきましょう。

  • 事前に相場を調査しておく
  • 売却期間に余裕を持っておく
  • 隣地との境界確定と測量を済ませる
  • 相続した土地の相続登記をしておく
  • ローンが完済できているか確認しておく
  • 土地売却に必要な書類をしっかりと把握しておく
  • 前面道路との関係に注意する
  • 契約不適合責任の内容に注意する
  • 借地や底地の売却ではトラブルに注意する
  • 遠方の土地売却では現地の不動産会社に依頼する
  • 共有の土地売却では登記簿謄本を取得しておく
  • 重要事項は売買契約書にしっかりと記載する

事前に相場を調査しておく

土地を売却する際には、不動産会社に査定を依頼する前に自分で市場の相場を調査しておきましょう。

 

これは、提案された査定価格が適切かどうかを判断するために重要です。相場を事前に把握しておくことで、査定結果に対しても納得感を持つことができ、より適切な価格設定で土地を売り出すことが可能です。

 

土地の相場価格は、国土交通省の土地総合情報システムを利用して調べられます。このシステムでは、具体的な地域における土地取引の実績が詳細に記載されており、坪単価などのデータを通じて、その地域の土地価格の傾向を理解することが可能です。したがって、売却を開始する前に、これらの情報を活用して市場価格を把握し、適切な取引の準備を整えることが重要です。

売却期間に余裕を持っておく

土地を売却する際には、計画性を持ってスケジュールを立てましょう。スケジュールに余裕を持たない場合、売却が急がされることになり、結果として不利な条件で土地を売却してしまうリスクが高まります。公益財団法人東日本不動産流通機構のデータによると、首都圏での土地売却は過去10年の平均で約94.3日、つまり約3か月が必要であることが示されています。
しかし、これはあくまで平均的な数値であり、売却期間は状況によって長くなることもあるので注意しましょう。このため、売却を始める際は、時間に余裕をもって準備を進めることがおすすめです。余裕を持つことで、市場の動向を見極めながら最適な売却のタイミングを選ぶことが可能となり、焦ることなく適切な価格で土地を売却できるチャンスが増えます。

隣地との境界確定と測量を済ませる

土地を売却する際には、隣接地との境界を明確にしておきましょう。境界が不明確な状態では、将来的に隣地との間でトラブルが発生するリスクがあります。境界を明確にするためには、境界標を設置し、土地家屋調査士が作成する境界確定図を取得する必要があります。

 

境界標はコンクリートなどの耐久性のある材料で作られており、土地の端を示す重要なマークです。これが設置されていない場合は、専門の土地家屋調査士に依頼して新たに設置しておきましょう。これにより、土地の正確な境界線が確認でき、売却がスムーズに進行し、将来的な問題発生の可能性を低減できます。

相続した土地の相続登記をしておく

相続した土地を売却する前には、名義変更、つまり相続登記を完了させる必要があります。相続により土地は、相続人の間で共有状態になるのが一般的です。このため、土地の正式な所有者が誰であるかを明確にするために、登記簿に記載される登記事項証明書の名義を更新する必要があります。

 

相続登記がなされていない場合、土地の売却は法的に認められません。相続登記を行うには、戸籍謄本や除籍謄本、さらには住民票などが必要です。この手続きは自分で行うことも可能ですが、多くの時間と手間を要するため、司法書士に依頼するのが良いでしょう。司法書士による登記手続きの手数料は、5万円〜10万円程度です。

 

さらに、相続した土地を売却する際には、「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」という税制優遇措置を利用できます。この特例は、相続した財産を相続発生後3年以内に売却する場合、一定額を取得費に加算して、譲渡所得税を軽減できる制度です。

 

この特例を利用するためには、相続税が課税された財産であること、及び適切な確定申告が必要です。このように、相続した土地を売却する際には、法的手続きと税務処理の両方に注意を払いましょう。

 

関連記事:土地の相続放棄はできないの?不要な土地の手放し方を解説

ローンが完済できているか確認しておく

土地にかけられているローンが完済されているかどうかを必ず確認しておきましょう。もし住宅ローンなどの残債がある場合、土地を売却してもローンを完済できるかどうかが重要なポイントです。売却価格がローン残高をカバーできない場合、売主は自己資金を使って残債を清算する必要が出てきます。

 

ローンの残債状況は償還表(返済予定表)を参照することで確認できます。もし償還表が手元にない場合は、担当の金融機関に問い合わせて具体的な情報を取得すると良いでしょう。

土地売却に必要な書類をしっかりと把握しておく

土地売却においてスムーズな取引を行うためには、事前に必要な書類を整えておくことが重要です。ここで紹介するのは、売買契約を効率良く進めるために必要となる一般的な書類です。

  • 登記済証または登記識別情報:この文書は土地の所有権を証明するもので、通常「権利書」として知られています。土地の正式な所有者が誰であるかを証明する際に必須です。
  • 固定資産税納税通知書:これは毎年5月〜6月にかけて発行され、土地の面積や評価額が記載されています。この書類は土地の価値を示す重要な資料です。
  • 土地測量図および境界確認書:これらの文書は土地の正確な面積と境界線が明記されており、土地の具体的な範囲を示すために必要です。
  • 住宅ローン償還表:この書類には住宅ローンの残高が記載されており、売却時にローンが残っている場合にはこの残高を清算する必要があります。
  • 購入時の売買契約書および重要事項説明書:土地の購入時に交わされた契約書や重要事項の説明書は、土地の詳細や条件を確認する際に役立つ書類です。

これらの書類を揃えておくことで、売買契約の際に不測のトラブルを避けられます。すべての書類が揃っていないと必ずしも売買契約ができないわけではありませんが、事前にこれらの有無を確認し、準備しておくと安心です。

前面道路との関係に注意する

土地を売却する際、土地が接する道路の種類とその特性を理解しておくことは重要です。道路には大きく分けて公道と私道の2つのタイプがあります。建築基準法では、建物を建築するためには、幅員4m以上の道路に少なくとも2m以上接している必要があると定められているので、事前に確認しておきましょう。

 

この要件を満たさない土地では、基本的に建築許可が下りず、したがってその土地の資産価値が低下してしまいます。再建築不可の土地は市場価値が大幅に下がり、地域の相場価格で売却するのが難しくなることがあります。土地の査定価格も、前面道路の種類や幅によって大きく変動するため、売却前にこれらの情報を正確に把握しておきましょう。

 

道路の詳細については、地元の役所で確認できます。これにより、土地がどの程度の価値を持つか、またどのような制限があるのかを理解し、適切に売却計画を立てることが可能です。

契約不適合責任の内容に注意する

土地を売却する際、契約不適合責任について十分な注意が必要です。この責任は、売り渡された物件が契約内容に適合しない場合に、売主が買主に対して負う法的な義務を指します。以下は契約不適合責任が問われる典型的な状況です。

  • 契約で取り決めた土地面積より実際の面積が小さい場合
  • 土地内に予期せぬ埋設物が発見され、その撤去が必要な場合
  • 土地が環境汚染により汚染されている事実が後に判明した場合
  • 売却前に発生した事故や事件が心理的瑕疵を引き起こすものであったにも関わらず、その情報の開示がなかった場合

これらの事例では、売主に対して損害賠償請求や代金の減額請求が行われる可能性があります。

 

したがって、土地売却時には契約の条項を明確にし、隠れた瑕疵がないかを事前に調査し、必要な情報を全て買主に提供することが重要です。これにより、トラブルを避け、両者間の信頼を保持できます。

借地や底地の売却ではトラブルに注意する

借地および底地の売却は注意が必要です。これらの取引には独特の複雑性が伴います。借地とは土地を地主から借りている状態を指し、底地はその土地の所有権を示します。

 

物理的には一致していますが、法的な概念としては異なり、借地人にとっては借地、地主にとっては底地として扱われる点を理解しておきましょう。売却が最もスムーズに進むのは、借地人自身が土地を購入する場合です。

 

しかし、価格面での合意が得られなかったり、借地人が購入意欲を示さない場合もあります。底地を売却する際には、一般的に投資家が関心を持つことが多いですが、専門の買取業者を利用するのも有効な選択肢です。借地人と正式な借地契約が結ばれている場合、地代や契約更新料の詳細が明確に記載されているはずです。

 

しかし、契約書が未整備のケースも少なくありません。底地を売却する際は、トラブルを避けるため、事前に借地契約書を整え、借地人と改めて確認しましょう。これにより、両者の権利と義務が明確化され、スムーズな売却が期待できます。

遠方の土地売却では現地の不動産会社に依頼する

遠方に位置する土地を売却する際には、その地域に精通している現地の不動産会社への依頼がおすすめです。地元の不動産会社は、その地域の市場動向を把握しており、広範なネットワークを活用して効率良く買主を見つけられます。

 

自身が住んでいる場所の近くにある不動産会社よりも、売却予定の土地がある地域の専門家に依頼した方が、地元の特性を活かした売却戦略を立てやすいでしょう。土地をより適切な価格で、スムーズに売り進めることが可能です。

共有の土地売却では登記簿謄本を取得しておく

共有土地を売却する際は、所有権の割合を明確にするために、事前に法務局から登記簿謄本(登記事項証明書)を取得しておきましょう。多くの共有者は自らの持分について正確な理解を持っていないことが一般的です。この登記簿謄本には、土地の面積や所有権の詳細が記載されており、これを基にした正確な情報が、不動産の査定時にも大いに役立ちます。

 

このように、適切な文書を準備しておくことで、土地売却の過程がスムーズに進行し、将来的なトラブルも防げます。

重要事項は売買契約書にしっかりと記載する

売買契約書の作成時には、重要事項を正確に記載しましょう。契約書には、取引価格や手付金の金額、支払条件等の基本情報のほか、特別な約款も含めることが可能です。

 

例として、境界確認作業が契約時に未完了である場合、これを契約書に明記し、面積の差異が1平方メートル以上あった際の価格調整についての条項を設けることが考えられます。

 

また、その他重要な事項についても、不動産の専門家と綿密に相談し、将来の問題発生を避けるために契約書に詳細に記載するのがおすすめです。

土地売却に関するよくある質問

土地売却は、多くの疑問を引き起こす可能性があります。ここでは、土地売却に関するよくある質問を紹介します。

個人間でも土地の売却はできるのか?

個人間で土地を売買することは実際に可能です。ただし、不動産の反復継続的な売買には宅地建物取引業の免許が必要になるので注意しましょう。個人間取引の大きなメリットは、仲介手数料が不要なことです。

 

たとえば、買主が既に友人や隣地の所有者である場合、金銭の授受と所有権の移転登記を行うだけで取引が完了します。しかし、売買契約書の作成など専門知識が求められる場面も多く、正確な手続きが行えないとトラブルの原因となることがあります。トラブルが発生した場合には、法的な手続きのために弁護士への支払いも必要になりますので、安全を期すなら不動産会社を通じた仲介がおすすめです。

全然売れない場合はどうしたらいいのか?

土地がなかなか売れない時はどのように対処すれば良いでしょうか。通常、土地が売れない原因は「価格設定」「不動産会社の対応」「土地自体の特性」という3つの主要な問題に分類されます。価格設定が市場と合っていない場合は、事前のリサーチや価格調整を通じて買い手の関心を引き出すことが可能です。

 

不動産会社が効果的な販売活動をしていないと感じる場合は、別の会社に依頼するか、契約の種類を変更することも1つの手です。土地自体の問題がある場合、たとえば地盤が不安定であれば、整地や改良工事を行うことで売却可能性を高められます。これらの手段にもかかわらず売れない場合、不動産会社に土地を直接買い取ってもらう選択肢も検討する価値があります。

土地売却の解体費用はいくら?

解体費用の概算はどの程度か、というのは土地売却を考える際に重要な要素の1つです。建物の種類により、解体費用は大きく異なります。たとえば、木造建築では坪あたり約4〜5万円、鉄骨造であれば6〜7万円、鉄筋コンクリート造は7〜8万円の範囲が相場です。

 

土地を売却する際には「更地渡し」という方法で、建物を事前に解体しておくことがあり、この費用は通常、売主が負担します。しかし、解体作業中に道路の幅が狭い場合などは、廃棄物の搬出が難しくなり、費用が高くなることがあります。

 

一方で、「現況渡し」により建物をそのまま引き渡す選択肢もありますが、この場合は買主との合意が必要です。解体の具体的な条件や費用については、不動産会社に相談して最適な方法を模索することがおすすめです。

入念な事前準備でスムーズな土地売却をしよう

いかがだったでしょうか。土地売却は計画的に進めることで、より高い価格での取引が可能です。重要なのは、市場の動向を理解し、適切なタイミングで売り出すこと、さらに隣地所有者へのアプローチや必要書類の準備も欠かせません。また、越境の覚書や解体費用など、細かな部分にも注意を払うことで、売却をスムーズに進め、予期せぬトラブルを回避できます。このように、適切な準備と情報の把握が、土地売却の成功への近道となるでしょう。

 

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