月別アーカイブ: 2024年3月

    

コインパーキング経営のランニングコストは?税金も紹介

    

土地の有効活用の手段の一つとして、コインパーキング経営が挙げられます。
アパート・マンション経営など、土地活用のほかの手法と比較すると異なる点も多いため、詳しく知りたいとお考えのオーナー様も多いのではないでしょうか。

この記事では、駐車場経営を検討されているオーナー様に向けて、業界固有のランニングコストや、かかる税金を紹介します。
収益性などを比較検討するうえでも、ぜひ本記事の内容をお役立てください。

コインパーキングの3つの経営方式

はじめに、コインパーキングの経営方式を3つ紹介します。
これから駐車場経営に挑戦しようとお考えの方は、ご自身に合った方法を探す際の参考にしてみてくださいね。

①自主管理方式

自主管理方式は、用地取得からコインパーキングの整備、その後の運営管理まですべてオーナー様ご自身で行う方式です。
管理を委託しないため、業者へ手数料を支払う必要がなく、生じた利益はすべて自身のものとなります。
また、料金など、諸条件を自由に設定できるという、裁量性の高さも魅力です。

一方で日々の管理業務や広告宣伝を、すべてオーナー様ご自身で行わなければならないため、片手間感覚では難しいでしょう。
特に、自宅から離れているコインパーキング、あるいは複数のコインパーキングを自主管理する場合は、時間的制約、肉体的な負担も増します。
くわえて、敷地内でトラブルが起きれば、オーナー様ご自身が対応に当たらねばなりませんし、機器の故障時の修理費用はもちろん自分持ちです。

このように、自主管理方式は業者への手数料支払いがなく、裁量性が高いぶん、日々の管理業務や修理対応、広告宣伝をご自身で行う必要があるという点を、覚えておきましょう。

②管理委託方式

所有している土地をコインパーキングとして整備したうえで、管理・運営を管理会社などに委託するという方法もあります。

先述した、日々の管理業務をはじめ、トラブル対応や機器の修繕、広告宣伝を業者に任せられるので、オーナー様の負担を大幅に軽減可能です。
管理運営や集客のノウハウがない場合にも、良い選択肢となります。

所有している駐車場が自宅から離れている場合、日々の点検やトラブル対応のたびに、現地を訪れるのは現実的ではありません。
このような場合にコインパーキング周辺にある業者に管理委託することで、迅速かつ行き届いた管理を実現できるのです。

しかし、ここまでのことをやってもらう以上、無料というわけにはいかず、業者に対して収入の5~10%程度の管理手数料を支払う必要があります。
コインパーキング管理委託を行う場合、自主管理方式にはなかった手数料という支出項目がくわわる点に留意しておきましょう。

③一括借り上げ方式

一括借り上げ方式は、コインパーキングの整備から日々の管理、トラブル対応まで、専門業者に丸投げする経営手法です。
サブリース(又貸し)ともよばれ、アパート・マンションの経営手法としても用いられています。

業者が、法人としてコインパーキングの全区画を一括で借り上げるため、実際の稼働状況にかかわらず、契約に基づいた一定の収益が毎月、オーナー様に支払われます。
これにより、オーナー様は安定した駐車場経営を行うことが可能です。
この点は、稼働状況によってオーナー様の賃料収入が上下する管理委託方式と異なります。

また、管理の手離れが実現するというのも利点の一つです。
土地さえ用意できれば、業者が整備・広告宣伝等を行うので、オーナー様が経営・運営に携わることはありません。

初期費用だけでなく、経営を始めたあとのメンテナンス費用なども、原則業者負担です。
先述した通り、管理委託方式では、メンテナンス・修理費用はオーナー様が負担します。
そのため、業者から提示される修繕見積もりなどをチェックして承認する工数が発生します。
一括借り上げ方式であればそのような手間もなく、管理の完全な手離れを実現できるのです。

ただし、手数料は収益の15~20%程度と、管理委託方式よりも高めに設定されています。
一括借り上げ方式は固定収益志向の方におすすめできますが、稼働率が上がっても、オーナー様の収益へ反映されることはないので、儲け重視という方には向かないかもしれません。

コインパーキング経営のランニングコスト

続いて、コインパーキング経営に際して発生するランニングコストを6つ紹介します。
駐車場経営の収支予想を立てる際などに、お役立てください。

コスト➀電気代

コインパーキングを稼働させるうえでは、電気が必要不可欠です。
コインパーキングのタイプにもよりますが、概ね下記設備で電力を消費するため、電気代が発生します。

【コインパーキングの経営で発生する電気代の内訳】

  • 看板満空灯
  • 看板照明
  • 利用規約看板の照明
  • 精算機・各種決済端末
  • 場内照明
  • ロック板
  • ゲート機
  • 防犯カメラ
  • 遠隔システム

なお、毎月の発生する電気代の額は、コインパーキングの規模や電力会社によって異なります。

コスト②清掃・巡回費

日々の清掃・巡回費も発生します。

コインパーキング内は、定期清掃を行い清潔に保たなければなりません。
トラブル防止や、集客のうえでも重要なポイントですので、内容や頻度については慎重に検討することをおすすめします。

コスト③定期点検費

定期点検費は、コインパーキング内の機器類が正常に動作しているかを定期的にチェックする際に発生する費用です。

対象機器は、ロック板や防犯カメラ、精算機、照明などです。
定期点検で機器の不調や故障が発見された場合は、後述する修理や交換を行う必要があります。

コスト④保守点検費

機器類は点検するだけではなく、故障を未然に防ぐためにメンテナンスを行う必要性もあり、それにともなって発生するのが保守点検費です。

コインパーキングであれば、下記の機器類に対して、定期的なメンテナンスが必要です。

【コインパーキング内でメンテナンスが必要な機器類】

  • 料金精算機・各種決済端末
  • 場内照明
  • ロック板
  • ゲート機
  • 防犯カメラ
  • 遠隔システム

メンテナンスをしっかりと行うことで、機器の寿命を伸ばすことができ、また故障に起因したトラブルの未然防止にもつながります。

コスト⑤修理・交換費

コインパーキング内に設置している機器・設備が故障した場合は、修理・交換が必要です。

仮に、ゲートや精算機などの大型設備が故障して、部品交換となった場合、それらの費用負担は決して小さなものではありません。
コインパーキング経営を行ううえでは、定期的に発生するこのような出費も想定したうえで、備えを講じておく必要があります。

コスト⑥手数料

コインパーキングの運営を業者へ委託する、管理委託方式および一括借り上げ方式においては、契約に基づき、毎月一定の運営管理費(手数料)が発生します。
金額の目安としては、管理委託方式で収入の5~10%前後、一括借り上げ方式で15~20%程度です。

毎月、賃料収入から手数料が差し引かれた額が、オーナー様へ送金されます。

コインパーキング経営にかかる税金

ここからは、コインパーキング経営にかかる主だった税金をお伝えします。
日々発生する前記ランニングコストとは違いますが、経営を行ううえで押さえておかなくてはならない必要経費の一つです。

税金➀固定資産税

固定資産税は、主に土地や建物などの不動産に対して課せられる税金です。
コインパーキングの場合は、土地に対して課税されます。

課税額は、「土地と償却資産の評価額(課税標準額)×1.4%」で算出されます。
1.4%というのは固定資産税の標準税率ですが、市町村の判断により、財政上、特に必要があるときはこれを上回る税率を課すことが可能です。
なお、土地の評価額が30万円未満の場合は、固定資産税の課税対象外となります。

納税通知書は概ね、4~6月頃に届くので、納付期限までに滞りなく支払いましょう。

税金②償却資産税

償却資産税とは、土地や建物以外の償却資産にかかる税金のことです。
コインパーキングにおいては、アスファルトや精算機、ロック板やゲートが対象となります。

ただし、償却資産の評価額の合計が150万円以下の場合は、課税対象外です。

税金③都市計画税

都市計画税とは、都市整備を目的として、市街化区域内の土地・家屋を対象とした税金を指します。
税率は最大0.3%であり、また、土地の課税標準額が30万円未満、建物の課税標準額が20万円未満の場合は課税されません。
都市計画税も固定資産税と同様、4~6月頃に納税額が決定され、通知書が届きます。

税金④消費税

説明の必要はないかもしれませんが、消費税は商品・サービスの購入時に発生する税金です。
消費者側が負担し、商品・サービスの提供者である事業者側が納税します。
ご存じの通り、2024年3月現在、消費税率は10%です(酒類・外食を除く飲食料品と新聞は8%)。

なお、同じ駐車場経営でも、消費税の課税対象となる場合と、ならない場合があります。

用地にそのまま車を止めるタイプの“青空駐車場”は非課税であり、土地の整備を行い、設備導入をした場合は、課税対象です。
コインパーキングの場合は後者に該当するため、消費税の納税義務があるのです。

なお、対象となる2年前の売上高が1,000万円を下回った場合には、当該年度の消費税の納税義務は発生しません。

税金⑤所得税

所得税は、個人の所得に対してかかる税金のことです。
コインパーキング経営の収入も、所得とみなされて課税対象となります。

なお、所得税には累進課税制度が採用されており、コインパーキング経営によって得た収益が大きくなればなるほど、税率も高くなっていきます。

税金⑥個人事業税

事業を行う個人に対しては、個人事業税が課せられ、駐車場経営も例外ではありません。
法律で定められた70の業種別に、3~5%の税率が設定されており、コインパーキング経営の場合は5%が適用されます。

なお、個人事業税の納付期限は、毎年8月末日と11月末日の2回です。

 

関連記事:コインパーキング経営にかかる税金を徹底解説

コインパーキング経営における節税方法

このように、コインパーキング経営には多くの税目が課されていますが、少しでも納税額を減らす術はないでしょうか。

ここでは、節税術を2つ紹介します。

方法➀設備費を150万円以下に抑える

設備にかける費用を150万円以下にすることで、償却資産税の節税につながります。
先述した通り、償却資産税は、機器・設備の評価額が総額150万円を超えた場合に課税されるため、これを下回る評価額にできればよいというわけです。

コインパーキングにおいて、償却資産税の課税対象となる設備としては、精算機、ロック板・ゲート、フェンスなどが挙げられます。
なお、取得金額が10万円を下回る機器・設備は課税対象となりません。

大規模なコインパーキング経営でないのであれば、機器・設備の評価額を150万円以下に抑えられるか、調整してみることをおすすめします。

方法②小規模宅地等の特例を受ける

上記税金には含みませんが、大きな税金である相続税を節税する方法も紹介しましょう。

駐車場経営を行っている土地を相続するときは、相続人に相続税が課せられます。

この相続税は、小規模宅地等の特例を受けることで、節税が可能です。
アスファルト舗装を施すと、小規模宅地等の特例を受けられる場合があり、認められれば土地の評価額が50%ほど減額されます。
ただし、法律によって土地の広さが最大200㎡までと定められている点には留意が必要です。

将来的に駐車場の相続を視野に入れているのであれば、アスファルト舗装を検討しておくことをおすすめします。

ランニングコストと利回り

ランニングコストや税金について押さえたところで、コインパーキングの健全な経営のために重要な利回りについても知っておきましょう。
コインパーキング経営における利回りとは、投資額に対する満車想定での1年間の収入の割合を指し、「表面利回り」と「実質利回り」の2つに分かれます。

先述したランニングコストや税金がわかれば、これらを使って利回りも計算できるようになります。

表面利回り

表面利回りは、投資額に対する、1年間の収入額の割合のことです。
業者へ支払う手数料や、設備の修繕費といったランニングコストは加味されません。

あくまで、「何年程度で、資金回収できるか」という収益性を比較するための物差しとして役立ちます。

実質利回り

一方、実質利回りは、1年間の収入額からランニングコストや税金を差し引いた「純利益」の割合を示します。
表面利回りが、コインパーキングの収益性を判断する指標として用いられる一方で、実質利回りは、より現実的な細かいシミュレーションと言えます。

ランニングコストと税金を知ったうえでコインパーキング経営を始めよう!

今回はコインパーキング経営をテーマに、3つの経営方法や、ランニングコスト、税金について解説しました。

コインパーキングには、「自主管理」「管理委託」「一括借り上げ」の大きく3つの経営方法があります。
また、コインパーキングを経営する際の必要経費は、敷地内、設備の清掃や修繕などの運営管理ランニングコストと、固定資産税などの税金関連の大きく2つに分けられます。
健全な駐車場経営を行ううえでは、これらの費用を正しく把握することが大切です。

ユアーズ・コーポレーションでは、オーナー様にとってベストな経営をご提案いたします。土地の有効活用を検討されているオーナー様は、ぜひユアーズ・コーポレーションにお問い合わせください。

 

    

コインパーキング経営による相続税対策を徹底解説

    

コインパーキングの土地と設備を相続した場合、気になるのが支払う相続税ですよね。
更地の次ぐらいに減税措置がないのが駐車場経営ですから、アパートやマンション経営などに比べ、相続税も固定資産税もかなり高負担なのは事実です。

しかし、駐車場として活用される以上、完全な更地と同じ扱いではなく、相続税の評価額を下げる裏技(もちろん合法的に)もあります。
本稿ではコインパーキングを例に相続税対策を徹底解説します。

そもそも相続税とは?

相続税とは、亡くなった人からお金や土地を受け継いだ際、その受け取った財産に課税される税金のことです。

相続税は、相続した財産全体にかかるわけではありません。
相続した財産の額から、一定金額を控除できる「基礎控除」という制度があります。
相続財産から借金や葬儀費用などを引いた金額が、この基礎控除額を超えた場合に、相続税がかかります。
相続税は、相続する土地の価値をもとに計算されるため、まずは相続税路線価などを用いて土地の価値をはっきりさせる作業から始まります。

 

関連記事:コインパーキング経営にかかる税金を徹底解説

相続税の計算フロー

駐車場を相続した際、または相続する予定があるとき、相続税がいくらになるかは気になるところですね。

一般的な相続税の計算方法は以下の流れに沿って行われます。

【相続税を計算するフロー】

  • 遺産総額の確認
  • 法定相続人の人数を確定し、それに基づき基礎控除額を計算
  • 相続税の総額を算出
  • 実際に支払う相続税額を計算

遺産総額は土地や不動産、現金、株式などすべての相続財産から、借金などを差し引いた金額から求められます。
土地の評価額は別途計算して算出します。
遺産総額が、法定相続人の数に基づいた基礎控除額を上回った場合は、相続税が発生するわけです。

相続税を申告するときの基準となるのが相続税評価額で、遺産総額をもとに算出されます。
駐車場などの不動産は、条件ごとに決められた計算方法で、納税者が自ら相続税評価額を計算します。

駐車場の相続税評価額の計算方法

ここからは、駐車場の相続税評価額について説明します。
例として取り上げるのは、運営会社に貸し出した土地がコインパーキングとして利用され、土地オーナーの賃借権が発生しているケースです。

この場合、コインパーキングの相続税評価額は、以下の式を用いて計算します。

コインパーキングの相続税評価額=自用地としての価額×(1-減額割合)

自用地(自家用地)としての価額とは、更地としての相続税評価額のことです。
減額割合は以下の表の通り決まっています。

【自用地としての価額に乗じる割合表】

貸借権の残存期間 5年以下 5年超10年以下 10年超15年以下 15年超
減額割合 2.5% 5.0% 7.5% 10.5%

自用地としての価額が3,000万円で、駐車場契約の残存期間が3年の場合は、相続税評価額は以下のようになります。

コインパーキングの相続税評価額=自用地としての価額×(1-減額割合)
= 3,000万円×(1-2.5%)
= 2,925万円

後ほど説明しますが、上記のような計算式が適用できる条件は、土地オーナーがアスファルト舗装を実施した土地を、駐車場会社が賃貸してコインパーキングを設置した場合です。

契約期間が5年以下だとわずか2.5%の減額ですが、土地オーナーが経営する青空駐車場はなにも手をつけずにいると自用地とみなされ、これすら適用はありません。
また、アスファルト舗装を施しただけの土地であっても、駐車場に供されていなければ相続税評価額は自用地からわずかな減額にとどまります。

駐車場の相続税を安くするには

以上の通り、税制上は更地の扱いに近い駐車場の相続税の減税効果は小さく、限定的といわざるを得ません。

例外的に、土地の賃借人がその土地上に自らの負担で構築物等を設置している場合には、その土地には賃借権が存在すると認められ、一定の評価減が可能になる程度です。
前述のコインパーキングはこれに該当するわけですが、マンション、アパートなどの賃貸住宅などと比較すると、相続税、固定資産税などの税制面の恩恵はないに等しいといえます。

それでも、駐車場にも節税効果がまったくないわけではありません。
工夫次第で、「駐車場」を使った相続税対策も可能ですので、その事例をいくつか紹介していきます。

小規模宅地等の特例を利用する

小規模宅地等の特例を使うと、土地の相続税を大幅に下げることができます。
土地の上に建物または構築物があることと、貸し駐車場であればその証明として営利実績を上げつつ継続的に行われていることです。

駐車場の土地は、小規模宅地等の特例で「貸付事業用宅地」に分類され、200㎡(車約10台分)までの部分は相続税評価額を50%減額することができます。
評価減を受ければ、資産の評価額が低くなり、そのぶん税金も安くなります。

では、貸し駐車場を相続して、「青空駐車場」にしているとどうなるでしょう。
そのままでは、小規模宅地等の特例は使えません。
まず、「土地の上に建物または構築物」の条件をクリアしなくてはならないからです。
しかし、実はアスファルト舗装にすると、この“構造物”とみなされるのです。
わざわざ、コインパーキングの高価な機器類を設置する必要はありません。
ただし、貸駐車場の面積が200㎡を超えた部分には、小規模宅地等の特例が使えないので注意が必要です。

月極駐車場の場合

基本的に月極駐車場よりコインパーキングのほうが節税の方策がありますが、月極駐車場が賃貸アパートに隣接し、入居者専用駐車場として利用しているケースは例外です。
この場合、月極駐車場も賃貸アパートと一体評価で貸家建付地として、小規模宅地等の特例が適用されるからです。
下手にコインパーキングに変更して、入居者専用駐車場でなくなると、この税制メリットは消滅し、貸家建付地評価よりも大幅に評価額が上がってしまうので注意しましょう。

生前贈与を活用する

これは駐車場経営に限らない話ですが、生前に財産を贈与して、相続する財産を減らしておくことも相続税対策になります。

生前贈与には、「暦年贈与」と「相続時精算課税制度」があります。
暦年贈与は、非課税枠である年間110万円以内の贈与を繰り返して節税する手法です。
相続時精算課税制度は、累計で2,500万円まで贈与税を納めずに贈与を受けることができます。
贈与者の死亡後、その贈与財産の価額と、相続財産の価額を合計した金額から相続税額を計算し、まとめて相続税として納税する制度です。

養子縁組で相続人を増やす

養子縁組で法定相続人を増やすことも有効な相続税対策です。
法定相続人を増やすと基礎控除額も増え、相続税の減額につなげることができます。

小規模宅地等の特例を受けられる駐車場

小規模宅地等の特例を受けられる駐車場について、おさらいしておきましょう。

アスファルト舗装

前述の通り、アスファルト舗装をすることで、土地の上の「構造物」とみなされ、小規模宅地等の特例により、土地の評価減を受けることができます。
もし、すでに駐車場経営を行っているのであれば、自らアスファルトの施工費を負担すると、その費用は駐車場の必要経費、損金として処理することが可能です。
業者に負担させても初期費用をなくせるので、最終的により節税になるほうを選択するとよいでしょう。

砂利敷きの駐車場

砂利敷きの駐車場については、小規模宅地等の特例が適用されるという意見と、適用されないとする見方があります。
結論から言うと、砂利敷きは構築物とみなされるので、基本的には小規模宅地等の特例が適用できるのですが、砂利が流れてしまい、地面がむき出しになっていると微妙です。

税務署が見て砂利敷きと認めなければそれまでなので、砂利は常に駐車場に敷き詰められている状態にしておくか、無難にアスファルト舗装に変えましょう。

アスファルト舗装が一部のみされている駐車場

敷地面積の一部のみがアスファルトで、残りが土の駐車場があったとしましょう。
この場合、敷地全体に小規模宅地等の特例の適用は可能でしょうか?
残念ながら、小規模宅地等の特例が受けられるのはアスファルト舗装部分のみです。

また、アスファルト部分の面積が著しく小さいようだと、そのアスファルト部分についての小規模宅地等の特例が適用されない場合があります。

小規模宅地等の特例が受けられない駐車場

続いて、小規模宅地等の特例が受けられない駐車場についても、今一度確認しておきましょう。
特例が適用される、されないの分かれ目は微妙なので、気をつけていないと思わぬ税制上の不利を被ってしまいます。

青空駐車場である

小規模宅地等の適用を受けるのは、青空駐車場にしただけではダメで、土地の上に構造物を作ることが条件です。
砂利敷きでも大丈夫、とする意見もありますが、長年放置すると流出しやすいので、なるべくなら万人が認めるアスファルト舗装を選択しましょう。

親族や知り合いに、駐車場を貸している

小規模宅地等の特例を受けるには、「土地の上に建物又は構築物があること」「貸駐車場が相当な対価を得て継続的に行われていること」の2つの条件が必要だとお伝えしました。

もし、子どもや友人に無料ないし、賃貸借契約書の証拠もなしに安価で駐車場を貸していると、継続的営利目的の条件を満たしていないと判断されてしまいます。
この場合、小規模宅地等の特例を受けることができなくなるので、注意が必要です。

駐車場の一部に自家用車を駐車している

自家用車を土地の一部に停めていると、その部分の面積は小規模宅地等の特例を受けられない場合があります。
ただし、アスファルト舗装にしたり、コインパーキングにしたりすれば貸付事業用の小規模宅地等の特例が適用され、土地の評価額は50%減額になります。

コインパーキング経営を含む駐車場の相続税対策はいろいろある

今回は駐車場と税金問題のうち、相続税を対象に有効な節税方法を紹介しました。
土地の評価額を200㎡まで50%減額できる小規模宅地等の特例は、相続したばかりの青空駐車場であっても、土地の上をアスファルトで舗装すれば適用されます。
この方法を使えば、駐車場にしたうえでの相続税対策も可能です。

ユアーズ・コーポレーションでは、蓄積された豊富なノウハウをフル活用し、オーナー様にコインパーキング経営で安定した収益をお約束します。
詳しくお知りになりたい方はお気軽にご相談ください。

    

コインパーキング経営にまつわるトラブルの対処法を解説

    

遊休土地の機動的な活用法として人気があるのが、コインパーキングなどの駐車場経営ですが、手軽に始められる利点がある一方、多くのトラブルにも見舞われやすいのが難点です。
料金未払い、機器の損壊、不正利用、構内での事故、異物投棄、近隣住民からの苦情など。
多くは、管理が行き届かない無人運営ならではのトラブルと言えます。

本稿ではこうした駐車場経営のトラブルに焦点を当て、対策法を解説します。

駐車場経営とは

駐車場経営とは、土地を駐車場に変え、駐車料を収入として得る土地活用法を指します。
形態として、月間契約の月極駐車場と時間貸しのコインパーキングの2つがあります。

月極の利用者は契約者が固定され、契約台数によって収入が決まりますが、コインパーキングはスポット利用のため、利用者は不特定多数です。
コインパーキングは利用者が途切れることなく、スペースが埋まっている時間が長いほどオーナーには理想的な状態と言えます。
駐車場の稼働率が上がれば利回りも上昇しますが、それは主に立地と料金設定の適切さで決まります。

初期投資費用において、コインパーキングは精算機やロック板などを必ず導入しなければならないので、その分の費用はかかりますが、運営会社に丸投げすることもできます。

 

関連記事:駐車場経営の初期費用とは?コインパーキング経営のポイントも紹介

駐車場の経営方式

ここからは駐車場の3つの経営方式について解説します。
それぞれ経営者が管理を行う範囲が異なります。

自主管理方式

駐車場の管理・運営を、すべてオーナー自身で直接行う経営方式です。
月極駐車場で選ばれることが多く、看板の設置、利用者の募集、料金設定から、集金、清掃といった日常業務まで個人で行うため、その時間が確保できない人には向きません。

長時間の労働となる日も多いでしょうが、中抜き利益は一切ないので駐車料金はまるまる自分の収入になります。

半面、労力不足ゆえに、管理業務に時間や手間がかかるし、設備劣化にともなう修繕費を積み立てていくことも忘れることはできません。
また、運営会社とのコンタクトがないため、駐車場経営のプロのアドバイスももらえることがなく、立地が悪い場所で行き詰まると早々に撤退に追い込まれやすいのが弱点です。

委託管理方式

駐車場の管理業務を、駐車場の運営会社や管理会社に委託する経営方式です。
管理会社に対して賃料の5~10%の手数料を支払い、残りが利益となります。

どこまで管理を委託するかは、業者との契約内容によって決めることができるため、清掃や巡回といった日常業務だけを管理会社に任せることもできます。
毎月管理委託料がかかりますが、自分の駐車場が自宅から遠方の土地にある方や、駐車場経営に手前をかけたくない方、管理やトラブルへの対応に自信のない方にはおすすめです。

一括借り上げ方式

土地を駐車場運営会社に貸し出し、その賃料だけを毎月得る方式です。
オーナーは土地を貸しているだけの“丸投げ方式”なので、駐車場経営に携わっている実感は薄いでしょう。
設備費用などは負担してくれる会社が多いため、初期投資がかからないこともメリットです。

駐車場の稼働率や収益に関係なく、毎月一定の賃料収入を得られるため、低額ながら安定的に収入を得たいと考えている、土地オーナーに向いた土地活用法といえます。
駐車場経営に関する専門的知識も不要なので、主にコインパーキングで選ばれている経営方式です。

駐車場でトラブルはなぜ起こる?

さて、以上3つの経営方式のいずれかを選んで駐車場経営に乗り出したとします。
駐車場経営というのはさまざまなトラブルに遭遇しやすいという事実を知っておかねばなりません。
なぜ、そのようなトラブルが発生するのか、その背景は主に次の4つです。

【駐車場トラブルが起きる背景】

  • 情報誤認
  • 入出庫時の接触
  • 近隣住民との関係
  • 料金変更不浸透

情報誤認とは、その駐車場のルールをドライバーがよく認知していなかったり、料金体系がよく理解されていなかったり、といったケースです。
狭いパーキングでは入出庫時の車同士の接触などのトラブルが頻発します。
これは、駐車場のレイアウトに問題があることが少なくありません。

住宅地にある駐車場は深夜の出入りに関わる騒音や車の光などが原因で、近隣住民からクレームが舞い込むこともあります。
料金値上げは、告知が不徹底で利用者によく周知されていないと、これもトラブルの元となるでしょう。

駐車場経営で起こるトラブルの大半は、これら4つの原因のどれかに当てはまっていることが多く、これらの対策をきっちり実行することがトラブルの未然防止につながります。

駐車場経営でよく起こるトラブルと要因

ここからは、もう少し事象を掘り下げ、駐車場でよく起こるトラブルとその要因を詳しく探っていきます。

コインパーキングは不特定多数の人が24時間出入りできる環境だけに、さまざまなトラブルの温床ともなりがちです。
月極駐車場は大丈夫かといえばそんなことはなく、長期契約特有のトラブルが発生することがあります。

①料金の未払い

料金関係では、月極駐車場とコインパーキングで発生するトラブルが異なります。
一般的な料金の未払い、すなわち滞納問題が発生するのは月極、料金計算の複雑さや、看板と実際の料金が異なることに対するクレームです。

料金未払いが続くと、駐車場収入の減収につながりますし、催促状や送付解約通知の作成と送付などの手間も発生するので、早めに対策を講じたいところです。
料金未払いの原因として考えられるのは、支払い期日や料金設定がわかりづらく、払い忘れや残高不足を誘発していること。
なかには、最初から払わないつもりで契約してくる悪質な客もいるので要注意です。

また、フラップ板やゲートを破壊して料金を踏み倒すコインパーキングの粗暴犯的未払いトラブルの原因は、管理・巡回不足にあることが多いようです。

②不正駐車・放置車両

駐車場は月極もコインパーキングも無人経営なので、不正駐車や放置車両が発生しやすいのは否めません。

オーナーだけでなく、利用者にも迷惑が及ぶ問題なので、早期に解決する必要があります。
特に、契約者以外の車が長期間放置された場合、駐車料金の回収は難しくなるし、最悪車両撤去となればその費用はオーナー持ちで、事実上の泣き寝入りというケースが大半です。
都心部や駅チカにあるコインパーキングは、車室以外のスペースに車を置く不正駐車の被害が多いようです。

 

関連記事:【コインパーキング】不正駐車への対策方法

③駐車場内での事故

駐車場内で事故が起こると、駐車場側に特段の過失がなくてもある程度のペナルティが課せられることが少なくありません。
駐車場利用者同士の事故であっても、駐車場オーナーに管理責任が問われるためです。

駐車場内の事故でよくあるのは、車同士の接触事故や車と人の接触事故、機材や壁、フェンスにぶつける物損事故などでしょうか。
機材や設備破損により修理となれば、その間営業ができず、収益に影響が出てしまいます。
設備がない、あるいは少ない月極なら別ですが、コインパーキングの場合は精密機器も多いので、物損事故の被害は意外に甚大になることがあります。

車両事故の原因は、駐車場の形状や配置にあることが多く、駐車スペースが狭く停めづらい駐車場、見通しの悪い駐車場は、ドライバーの技量頼みのぶん事故が起きやすいのでしょう。

④借主・近隣住民からの苦情

近隣住民からの苦情では、「駐車場の音がうるさい」「車の出入りが頻繁すぎる」「駐車場で騒いでいる人がいる」「夜間の照明が眩しい」といった内容が上位を占めます。
どちらかというと、固定メンバーしか利用しない月極駐車場よりも、不特定多数が出入りしやすいコインパーキングのほうが、こうしたトラブルの舞台となることが多いです。

騒音問題の主たる原因は、管理不足にあります。
管理が行き届いていないことがうかがえる駐車場では、若者のたまり場になったり、ゴミの不法投棄が行われたり、といった問題が起こりやすいのは確かです。

照明に関するトラブルの原因は、周辺環境のリサーチが足りていないことにあります。
周辺が商業施設であれば、外観が明るいお店も多いため問題はありませんが、住宅地ではやはり迷惑でしょう。
街中にある駐車場経営では、いかに近隣住民と調和し、信頼関係を維持するかが長く運営していくために大事なことです。
ただ、夜でも明るい駐車場は、近隣の防犯対策として喜ばれることもあるので、近隣住民とよく意思の疎通を図ったほうがよいでしょう。

⑤ごみの投棄

ごみの不法投棄も駐車場トラブルの上位を占めます。
自動販売機も設置している現場も多いので、公共マナーの低い人からごみを捨てられやすく、放置しておくと、「不潔」「怖い」といった悪評がたち、利用者離れを招きます。

捨てられるのは、空き缶やペットボトルなどの一般ごみ、ペットの排泄物、家具等の大きなごみまで。
特に、コインパーキングの場合は、粗大ごみが車室を塞いでいたら、稼働ができませんし、ニオイがひどければ近隣住民からクレームが起こります。

大きなごみの場合は撤去に費用もかかりますし、オーナーはたまったものではありません。
月極駐車場の場合、頻繁にゴミが捨てられあまり清掃がされていないようだと、管理が行き届いていない駐車場だと判断され、車上荒らしなどの犯罪のリスクも高まります

⑥機器の故障

機器の故障のほとんどはコインパーキングで起こります。
入出庫を機械で管理しているコインパーキングで故障事故が起きたら、即、営業停止に追い込まれてしまいます。
よくある機械トラブルは次のようなものです。

【コインパーキングのよくある故障事例】

  • 精算機の故障
  • ゲートの破損
  • フラップ板の故障

故障といっても、元から壊れているケースもあれば、乱暴な利用者が壊してしまうケースもあります。
フラップ板は料金踏み倒しを強行せんと、利用者が無理やり乗り越えて出庫するときに、被害に遭いやすい機器です。
フラップ板が壊れると出庫できず、上がったままでは駐車ができません。

駐車場内でのトラブルの対処法

こうした数々の駐車場経営に関わるトラブルに対して、有効に対処するにはどうすればよいでしょうか。

トラブルの種別に主な対処法をまとめたのが下表ですが、総じて言えることは、無人運営にともなう管理不足が原因ということです。
そのための対策として、防犯カメラの設置を呼び掛けていることにお気づきになると思いますが、これはコインパーキング経営において必須の防備といえるかもしれません。

【駐車場内のトラブルの対処法】

トラブルの種類

主な対処法

料金の未払い ・シンプルな看板表示と前払い制度の導入・保証人を立てて契約を結ぶ・防犯カメラの設置・個人経営の場合は管理会社への委託を検討
不正駐車・放置車両 ・定期的な見回りと防犯カメラの設置
駐車場内での事故 ・場内のレイアウト変更・防犯カメラの設置、見守りやメンテナンスの強化・責任の所在を貼り紙等で明確化
借主・近隣住民からの苦情 ・騒音問題には防犯カメラの設置と定期的な見回り・コインパーキングには24時間365日対応のコールセンターの設置・照明問題では夜間の現地リサーチ
ごみの投棄 ・定期的な巡回・清掃の実施・防犯カメラ、照明の設置・駐車場運営会社への管理業務委託・ゴミ箱の設置
機器の故障 ・定期的な機器の点検とメンテナンスを実施・防犯カメラの設置

支払期日を過ぎても支払わない、滞納を続けるといった月極駐車場で発生しやすい料金未払い対策としては、割安な前払い制度を導入したり、保証人を立てたりすると有効です。
機器を破壊して無理やり入出庫するコインパーキングの未払いトラブルには、防犯カメラを設置するとともに、清掃を欠かさずきちんと管理されていることをアピールしましょう。

不正駐車や車両放置、ごみの投棄にはやはり定期的な見回りと防犯カメラの設置及び警告文の張り出しが有効です。
これらは犯罪行為なので、早めに対策を打たないとどんどんエスカレートし、ほかの利用者が逃げてしまうことになりかねません。
必要なら、警察に相談するのも解決策を探る一手です。

騒音・照明問題などの近隣対策も、長く駐車場経営を続けていくうえで極めて重要です。
近隣からの苦情にいつでも対応できるよう、コインパーキングには24時間365日対応するコールセンターを設置し、きちんと管理している姿勢をアピールしましょう。
夜間照明によるトラブルには、事前に夜間の現地を訪れ、住民目線から照明を設置した場合の影響を実測し、迷惑にならない光量を探っておくとよいでしょう。

機器の故障対策としてはやはり、管理会社に頼み、定期的なメンテナンスを行う必要があります。
個人経営には限界があるので、管理コストを惜しんだあまり、故障に気づかずそのままになったり、機材の交換タイミングを逃したり、といった事態になったら本末転倒です。

トラブルを未然に防ぐ対策

駐車場トラブルの対処法についての概要は以上の通りです。
トラブルの発生に適切に対処することはもちろん大切ですが、できればこうしたトラブルを予知し、開業の時点で未然に防ぐようにしておきたいところですね。

そこで、これらに役立つ対策をいくつか挙げてみます。
トラブルの事後処置と重なる部分もありますが、問題が起こる前に対策しておくことがトラブル抑止と損失減少につながることがおわかりいただけると思います。

監視カメラの設置

前述した通り、月極、コインパーキングを問わず、駐車場というのは無人運営ですから防犯カメラの設置は最低限必要です。
そこにカメラらしきものがあることがわかるだけで抑止力になるので、極端な話、フェイク品でもよいのです。
ただし、不正行為の証拠を映像に残しておくと、のちのち有利に働くので、夜間でも撮影可能な高性能のカメラであれば言うことはありません。

 

関連記事:コインパーキングに防犯カメラを設置する理由と必要な機能とは?

適切な看板・表示の設置

防犯カメラの設置とともに、駐車場の入口や各スペースに、利用ルールや料金、禁止事項などを明確に示した看板を設置するとよいでしょう。
夜間でも見やすいように、照明や反射材を使用した看板を選ぶとベターです。

駐車場のメンテナンスや整備

コインパーキングにおける機器類の定期的なメンテナンスの必要性はもちろんですが、利用者の評価ポイントはそれだけではありません。
月極の場合も、アスファルトのひび割れがあったり、砂利の均一性に乏しかったりすると、利用者の目には“使いづらい駐車場”と映ってしまうかもしれません。

これらは定期的なチェックと、必要に応じて補修作業を行うことで防げます。
雨水の排水路や側溝の掃除も欠かさず行い、水たまりがもたらす清潔度低下に目を光らせましょう。

スタッフの教育・研修

駐車場のスタッフや警備員がいる場合は、研修や定期的なミーティングを実施して、トラブル時の対処法や顧客対応マナーを共有しておきましょう。

管理会社に一任する場合は不要ですが、日常的にどんなスタッフ教育を行っているのか聞いておくと安心です。

経験豊富な管理会社

駐車場トラブルの未然防止には、このように多くのチェックポイントがあり、個人経営の方が自力で管理しようとするとかなりの手間とコストを要します。
ここはプロの管理会社の力を借りるというのも一つの手です。

もし、管理を委託する場合は、経験豊富な運営管理会社を選ぶことがポイントです。
お伝えした通り、駐車場トラブルの事例はほぼパターン化しているので、経験豊富な運営管理会社であれば適切な対処法を熟知しているからです。

 

管理会社の質を見極めるポイント

実際にその管理会社が管理している駐車場に出向き、現場の様子を確認することをおすすめします。
見るべきポイントは、清掃が行き届いているか、防犯カメラを設置しているか、24時間対応のコールセンターはあるか、といった点です。

また、看板や貼り紙で不正利用と防犯をアピールしているかも重要ですが、ほかの利用者の不信を招くような、行き過ぎた警告文になっていないかに注意しましょう。

コインパーキング経営はトラブルの未然防止がカギ

本稿では、駐車場経営者を悩ますさまざまなトラブル事例を取り上げ、原因と対策およびトラブルの事前防止策を解説してまいりました。

駐車場経営には、常駐管理者不在からくる不正利用、料金トラブル、構内事故などがつきものです。
こうしたさまざまなトラブルに対処するには、防犯カメラや告知看板の設置が欠かせませんが、個人経営の方は管理会社への委託検討も一つの方法です。
ユアーズ・コーポレーションは首都圏における月極め駐車場の草分け的な存在として、トラブル管理にも様々なデータやノウハウを蓄積しております。

ユアーズ・コーポレーションでは東京、宮城を中心にコインパーキングの導入実績があります。コインパーキング開設をご検討中の方がいらしたら、ぜひご相談ください。

    

コインパーキング経営の成功に外せないポイントを徹底解説!

    

コインパーキング経営は、比較的低コストで始められるため、手持ちの土地の有効活用を検討している方に、人気のあるビジネスです。
マンション、アパート経営などの上物建設の手間もなく、ほかへの転用もききやすいのも、土地活用を考える際に候補に挙がる理由でしょう。

しかし、ビジネスとして取り組む以上、利益はきっちり確保したいところですよね。
今回はそんなコインパーキング経営の成功の秘訣をご紹介します。

コインパーキングの経営とは?

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駐車場経営は、手軽に始められる遊休地の利用法として人気があります。
メリットは多々ありますが、主なものを挙げると次の通りです。

【コインパーキング経営のメリット】

  • 初期費用が少ない
  • 狭い土地でも始められる
  • すぐに始められる
  • 撤退が容易
  • 災害に強い

コインパーキング経営の一番のメリットは、初期費用がかからない点です。
土地の貸し出しなら初期費用はゼロ、管理会社に委託する場合でも設置費などを負担してくれる管理会社と契約すれば、ごく少額の資金でスタートできます。
早い話、土地さえあればのビジネスなので、開業までの準備期間もさほどかからず、すぐに始められるのがコインパーキングなのです。

面積の制約も少ないのが駐車場経営のメリットの一つです。
1台でも停めることができるスペースがあれば、狭小地や変形地でも開業できるのは他の土地利用法にはない強みです。

また、駐車場というのは上物がないか、あっても精算機やロック板程度なので、解体・整備の手間がいらず、アパートやマンション経営などほかの業態への転用が容易です。
建物がないということは、風や大雪などの天候災害に強いということでもあります。
地震によるコインパーキングの器物破損や地割れは心配ですが、これも修理が済めば短期間で復旧可能でしょう。

このように、コインパーキング経営は、立地や形状に恵まれていれば、他の利用法より短期に収益化が見込めるので、土地活用法としては人気があります。

 

【関連記事】

コインパーキング経営のすべてを集約!失敗しない始め方を徹底解説

コインパーキングは儲かる?利点欠点や経営成功のコツも紹介

コインパーキングの経営方法

 

前章でも少し触れた通り、コインパーキングの経営方法には大きく分けて以下の3つがあります。

自己経営

駐車場システム機器を自ら購入して揃え、オーナー自身が駐車場の経営・運営を行う方式のことをいいます。
利益は原則的にすべて自分の収入になります。
利用料金などは自分で決めることができますが、日常業務のすべてを一人でやりきる必要はなく、一部を外部に委託している人もいます。

管理会社へ委託

駐車場設備を整備したら、管理会社に手数料を払って管理業務全般を依頼する委託方式です。
経営主体は土地のオーナーであり、稼働率に比例して毎月の賃料収入が変動します。

毎月管理委託料がかかりますが、所有駐車場が自宅から遠方の土地にある方や、駐車場経営に手前をかけたくない方管理やトラブルへの対応に自信のない方にはおすすめです。

依頼できる業務には、以下のようなものがあります。

【管理会社に外部委託できる業務(例)】

  • 集金管理
  • トラブル対応(コールセンターや現場駆けつけ)
  • 清掃
  • 故障修理・定期メンテナンス
  • 返金や領収書の発行代行
  • アスファルトの路面補修工事、照明追加工事等の各種工事
  • 樹木伐採など
  • その他

土地の貸し出し

土地所有者が運営会社に土地を貸し付け、駐車場の稼働率の変動には関わりなく、毎月一定額の賃料を受け取る方式です。
一括借り上げ方式、サブリース契約ともよばれます。

運営業務はすべて運営会社が行うので、土地所有者である駐車場のオーナーに実務面の手間暇はほとんどかかりません。
オーナーは貸した土地が駐車場に使われているだけなので、駐車場経営に携わっている感覚は乏しいでしょう。

コインパーキング経営を成功させるポイント

コインパーキング投資に、もっとも重要なのは立地の適性です。
土地活用法である以上、これは絶対外せないポイントといえます。

料金設定も極めて大切です。
周辺のコインパーキングと比べて高くなく、利用者が少ない夜間などの時間帯はちゃんとそれなりの値下げ対応を行っている、などが利用者へのアピールポイントになります。

立地

コインパーキングの利用者が多いとされているのは一般的に、商業施設や病院の近く、繁華街など、人の集まる地域です。
そのほか、路上駐車が多く見られる地域も、駐車場の不足を意味しているので有力といえます。

周囲に競合のコインパーキングが、どのくらいあるかチェックすることも大切です。
競合者が多いと、利用者の奪い合いが激しくなります。
事業を始める前に、自分の所有する土地がコインパーキングに適しているのか、土地の周辺を車や徒歩で回り、利用者の視点で見てみるようおすすめします。

 

駅前

駅前は、徒歩圏外の自宅から駅まで車で来る通勤・通学客や、駅周辺施設の利用者が多く見込める、コインパーキングにとっては好環境の場所です。
駅にもよりますが、おあつらえ向きの空き地はなかなかない場合が多いので、駅に近いというだけでかなりの引き合いがあるのではないでしょうか。

 

オフィス街

オフィス街も、コインパーキングの開業者にとっては大いに商機がある環境です。
駐車場を持ってない会社が営業車を停めておいたり、会社への来訪者が駐車したりするスペースとして、日中を中心に、かなりの稼働率が見込めるはずです。

このあたり、住宅街だと駐車場の空きがないマンション住人などに、月極駐車場の需要が高いことが多いので、コインパーキングの適環境と好対照といえるでしょう。

 

観光地

一年中人気にあるスポットと、季節やイベントの有無で人出が大きく変動する場所で事情は異なるものの、混雑が予想される現場では駐車場も混み合うことが多くなります。
お祭りや海水浴、紅葉狩りなどのイベント時には、需給の論理で特別料金を設定するなどすれば、収益最大化も可能です。

 

商業地域・行楽施設の近く

コインパーキングで、もっとも安定的に需要が見込めるのがこの2か所です。
特に、土日祝日に混雑する大型商業施設の周辺は、うっかり車で来てしまった駐車場難民であふれています。

こんなところにコインパーキングがあったら、渡りに舟、とばかり需要が殺到することでしょう。
ただし、こうした場所は、平日は打って変わって閑古鳥、というところが多く、稼働率で均すと休日頼みがはっきりするので、平日は料金が引き下げるなどの対応が必要です。

 

飲食店・美容室の近く

美容室や飲食店、個人病院など、街中の施設は定期客が見込める半面、自前の駐車場はないか、あっても狭いところが多いので安定した利用者が見込めます。

病院の場合は、患者本人のほか見舞い客の利用もあるので、開業時間中、駐車場は高稼働が予想されます。

 

周辺にコインパーキングがないところ

駐車場経営に限らず、競合相手がいない、というのが商売をするうえではもっともストレスのかからない環境です。
需要と供給のバランスからいえば、周辺にコインパーキングがなければ需要を独占できるため、安定した収益を得られる可能性が高いでしょう。
逆に、周辺に好敵手多数では、どんなに立地が良くても客の奪い合いになり、料金値下げによる無理な誘客などで赤字となるリスクも大きいと言えます。

コインパーキング経営では、立地ととともに、需給バランスも重視しなくてはいけません。

料金設定

駐車料金は立地条件と並んで、コインパーキングの稼働率を左右する大きな要素です。
前述したように、近隣のコインパーキングとの料金バランスを考慮し、時間帯や曜日、その土地のニーズによって利用料を機動的に変動させる戦略が必要です。

開業時の料金のままでずっと押し通せるほど甘い世界ではないので、近隣競合相手の出方をウォッチするのは大切ですが、そればかりに時間をとられてはおれません。
いかに手間暇かけても個人で調べられることには限界があります。
そんなときには、コインパーキングを扱う専門の事業者に相談し、アドバイスをもらうのも一つの手です。

コインパーキングの活用場所

究極のすき間産業でもあるコインパーキング経営は、遊休地のみならず、街中にぽっかり空いたわずかな空間でも収益を生み出す“マネースペース”に変えることができます。
いくつか例を挙げてみましょう。

建物の1階

よく見かけると思いますが、アパートやマンションの1階部分をコインパーキングにするのも有効な土地活用です。
狙い目は、アパート、マンション入居者からの契約がなく、1階駐車スペースが遊んでしまっている、あるいは1階のテナントが撤退して空きスペースになっている場所です。
このような土地は他に活用方法が少ないので、改装してコインパーキングにしてしまったほうがよいかもしれません。

アパート・マンションの1階部分であれが、住民の来客用として使われるでしょうし、駅や商業施設の近くであれば、その利用者らによる安定的な需要が見込めます。

売地や建設予定地

半年後に住宅を建設する予定する空き地も、買い手が見つからない売却予定地も、遊ばせておくのはもったいありません。
コインパーキングとして活用すれば、短期間であっても、収益を生み出してくれます。
オープンや撤去にかかる工事期間も短いので、住宅建設の時期がきたり、土地の買い手がみつかったりすれば、すぐに撤収することができます。

月極の空き車室

月極駐車場の空いている車室だけをコインパーキングにしているところを見たことはありませんか?
実はこれも儲かる土地活用法の一つなのです。

月極駐車場は場所にもよりますが、アパートと同じで、なかなか借り手が見つからない、満契約にならないという事態に陥りがちです。
そんなときに、空いている車室だけをコインパーキングとして貸し出せば、利用回数に応じて売り上げが発生します。
満車が難しい月極駐車場にとっては空きスペースを機動的に活用するベストな方法といえるでしょう。

狭小地・変形地

賃貸住宅地には向かない「狭小地・変形地・傾斜地・三角地」であっても、立地さえよければコインパーキング経営は可能です。
1台、2台でも駐車スペースがあれば大丈夫といわれていますから、関心のある方は専門業者に問い合わせてみてはいかがでしょうか。

コインパーキング経営が失敗する要因

土地活用初心者にも、参入障壁が低いコインパーキング経営ですが、事前の調査不足などが原因で早期撤退に追い込まれてしまうケースも少なくありません。
簡単そうにみえてもビジネスとして取り組む以上は、情報収集に力を注ぎ、さまざまな状況を想定し、リスクに備えておかないと成功はおぼつかないでしょう。

ここからは、コインパーキング経営のよくある失敗例とその原因・対策を探りながら、失敗を回避するポイントを解説します。

需要と競合の調査が不十分

どのような商売でもそうですが、コインパーキングの開業前には、まず需要が本当にあるのかのリサーチから始めるべきです。

たとえば、周辺のコインパーキングが常に満車状態であったり、駐車場がない店舗があったり、日中利用者が見込める施設があれば、開業に適した地域と判断できます。
ただし、オフィス街であっても、バスや電車の利用者が大半であればコインパーキングをつくってもそれほど利用は見込めないし、周辺に競合が多すぎる場所も厳しいでしょう。

またこれは、立地と関係しますが、駐車場が見つけやすい場所にあるか、人気施設から離れすぎていないか、といった視点も重要です。

コインパーキング経営が失敗する理由の一つは、こうした需要の見極め不足にあります。
大事なお金を無駄にしないよう、開業前にじっくり時間をかけて開業予定地周辺のポテンシャルを判断したいものです。

高すぎる料金設定

前述した通り、料金設定は非常に重要な要素です。
料金は、競合相手との横並びを意識したほうがよいでしょう。
周辺地域の相場より明らかに高い値段で始めると、「あそこは高い」という印象が根づいて、利用者が離れてしまいます。

また、料金設定においては、基本料金のほかに、1日の最大料金となる上限料金についても研究しましょう。
長時間駐車が多い利用者が重視しているのは、この上限料金だからです。
自分のコインパーキングの利用者の属性を把握することは、料金を決めるうえでも重要なポイントです。

近隣に競合が出現

コインパーキング経営では、周辺に条件の良い競合が出現して、利用者を取られてしまうこともありえます。
料金を下げて利用者を集めようとすると、価格競争の泥沼にはまって、予定していた資金計画から外れて撤退を早めてしまうかもしれません。

基本料金の値下げのみで対抗するのではなく、前述の上限料金や夜間時の料金を変えるといった工夫も交えて利用者の反応を見ましょう。

想定外の税金

税金についての理解が不十分で、撤退を余儀なくされる小売店は多いのですが、コインパーキング経営も例外ではありません。
「開業したら税金の負担が想定よりもはるかに重く続かない……」といった事態に陥らないように注意しましょう。

コインパーキング経営は、初期費用が少なく手軽に始められる半面、毎年発生する固定資産税や都市計画税の土地関連税の負担は、アパート経営よりも大きくなります。
これは落とし穴と言えます。
アパートやマンションなどの居住用の物件が建っていない駐車場は、固定資産税の減額メリットもありません。

しかし、駐車場の単体利用でも、アスファルト舗装にすれば固定資産税は減額できますし、青色申告の承認を受けて青色申告特別控除を適用すれば、65万円の控除が受けられます。
駐車場経営を始める前に、こういった税金に関する勉強をして、知識を身に付けておくのも大事な準備といえるでしょう。

低需要の場所

コインパーキングは立地条件が死命を制するビジネスですから、需要が見込めないような電車通勤者が多そうな地域や、商業施設が極端に少ない場所は回避したほうが無難です。

ただし、再開発が始まるなど、将来展望のある街であるなら先行投資的に打って出るのも一つの戦略でしょう。

パーキング内でのトラブル

駐車場は、管理人が現場に常在しない24時間出入り自由な空間であるため、保安上の問題が勃発しやすく、経営者は対応を迫られるリスクが常にあります。
施設内にたむろする不審者や、ケンカ、ゴミ放置などは、放っておくと「怖くて汚い駐車場」の悪評がたち、客離れが起きてしまうかもしれません。

また、料金未払いや設備破損など、コインパーキング特有の事故にも注意する必要があります。
こういったトラブルに、自力で対応しないといけないのか、運営会社に委託できるものなのかよく調べておきましょう。
また、自己経営方式であっても、経営委託であっても、無人パーキングを運営する以上は、防犯カメラの設置ぐらいは最低限必要です。

 

関連記事:コインパーキングに防犯カメラを設置する理由と必要な機能とは?

【注意点】コインパーキングは土地がなくともできる?

 

コインパーキング経営は、相続などですでに土地を所有している人向けの土地活用法です。
土地を持っていない人がこれから土地を購入、もしくは借りてから投資目的に始めようというのでは、リスクが大きすぎます。

マンションやアパートなどの他の土地活用と比較して、コインパーキング経営は収益性が低いからです。

投資目的で土地を購入し、コインパーキング経営を成功させるには、売上の予想、経費と税金の見積もり、利回りの計算をシビアに行うことが大前提です。
この時点で、投資コストを回収するのが容易ではないことがわかります。

駐車場運営会社に、一括借り上げで土地を貸せば初期費用0円で始められますが、コインパーキング経営の収入だけでは、固定資産税分を賄えないこともしばしばです。
借地での営業となると、固定資産税の負担はない代わりに、毎月の賃料の支払いが必要なため、それらを差し引いて利益を出すのはよほど好立地でない限り簡単ではないはずです。

以上のことから、コインパーキング経営は、土地の相続者や遊休地所有者といった、すでに土地を所有している、スタートラインに立っている人向けのビジネスといえます。
そうであれば成功する、という保証はもちろんありませんが、少なくとも最初から大きなハンデを背負いこんで始めるようなものではないということです。

 

関連記事:土地なしのコインパーキング経営とは?始め方や注意点も紹介

コインパーキング経営の成功の秘訣は

本記事では、コインパーキング経営を成功させるための立地環境、料金設定、活用場所を中心に解説し、失敗する要因についてもいくつかの例を取り上げました。

コインパーキング経営の成功の秘訣は一に立地、二に料金設定です。
立地さえ駐車場に向いていれば、狭小地でも建物の1階でもコインパーキングは経営できますが、需要が見込めない土地に、出店するのだけは避けるべきです。
競争力のない料金設定も客離れを招きますから競合リサーチは必須です。

ユアーズ・コーポレーションでは、コインパーキング事業を成功に導くノウハウを蓄積しております。
土地活用として駐車場投資に興味のある方は、ユアーズ・コーポレーションにぜひご相談ください。

    

コインパーキングの料金相場とは?留意すべき最大料金も解説

    

ドライバーにとっては救世主ともいうべきコインパーキングですが、立地条件によって、料金相場に大きく開きがあるのはご存じですか?
スポット利用が主体のため、利用料は割高ですが、長時間利用者にはお得な最大料金を設定しているところもあります。

そこで本記事では、コインパーキングの料金相場と最大料金について詳しくご紹介します。
できるだけお得にコインパーキングを利用したい方は、ぜひ参考になさってください。

コインパーキングの料金相場とは?

コインパーキングの料金相場は、地域によって差があります。
同じ都道府県内であっても、県庁所在地とその以外の地域で格差があるほどです。
これからコインパーキングの経営を始めようという方は、オープンを予定する土地柄と相場を勘案して料金を設定する必要があります。

以下は、全国主要10都市のコインパーキングの料金相場を見たものですが、比較するうえで次の条件を揃えてみました。

【比較をするうえでの設定条件】

  • 大手のコインパーキングを検索。駐車規模は20台以上
  • 駅から500m以内で平日の昼間料金
  • 極端に安い・高い料金は除外
  • 駅は主にJR駅を選択

【全国主要都市のコインパーキング料金相場】

地域名

料金相場(1時間あたり)

北海道/札幌

400~600円

宮城県/仙台

300~600円

東京都/東京

600~1,200円

愛知県/名古屋

300~600円

京都府/京都

600円

大阪府/大阪

600~1,200円

広島県/広島

400~600円

愛媛県/松山

300円

福岡県/博多

300~600円

沖縄県/那覇

200~300円

やはり、東西の大都市である東京と大阪の相場がほかの都市を引き離しており、高値では1,000円を超えています。
ほかの都市は、沖縄を除けばおおむね横並びの水準であり、300~600円程度の相場です。

同じ地域、条件でも、相場に200~300円の幅があるのは、コインパーキングの運営会社によって料金設定に差があること、また、地域性の違いも関係しているとされています。

地方より都心のほうが高い理由

東京都区内は地方都市に比べると、コインパーキング料金が大幅に高く設定されています。
地方では60分200円程度のところが多いのに対し、都区内の繁華街では20分400円なら安いほう、場所によっては10分500円という場所も存在します。
区境など、隣り合っていても倍以上違うケースも珍しくありません。

なぜ、都区内の駐車場料金がこれほど高いかといえば、もともとの地価が高いことにくわえ、駐車スペースが少ないという、駐車場の供給不足も理由に挙げられます。
スポット利用が主体のコインパーキングは、付近の駐車場が満車だったり、とにかく急ぎの用事があったり、という人が多少高くても使うことが多いのです。
ほかの地域からみれば、すこぶる強気な価格設定でも需要が見込める以上は、適正ということでしょう。

抑えておきたいコインパーキングの最大料金

コインパーキングで時間料金の横に「昼間最大」「夜間最大」と書かれた看板を見かけた方は多いのではないでしょうか。

この「最大料金」とは、定められた時間内であれば、最大料金に達したあとは課金されないシステムのこと。
長時間駐車をした場合に、お得になるよう設計されています。

最大料金の条件設定は、「24時間毎」「区間最大」「当日24時まで」などの種類があります。
また、後述するように、最大料金の繰り返し有無の設定(1回限りとか、繰り返し適用といった)の表示もされているので、利用する際はここも確認する必要があります。

最大料金がない場合

最大料金の設定がないコインパーキングも存在します。
こうした場合、おおむね次のように表示されています。

【最大料金のないコインパーキングの表示】

  • 8:00~24:00 30分/300円
  • 24:00~8:00 60分/150円

この駐車場を8:00から18:00までの10時間使用したとき、利用料金はいくらになるでしょう。
当該時間帯は1時間で600円ですから、10時間利用した場合は6,000円ということになります。

次に、8:00から翌日8:00まで24時間利用した場合を考えてみます。
まず、8:00~24:00(16時間)までが「600円×16時間=9,600円」、24:00~8:00(8時間)までが「150円×8時間=1,200円」です。
これを合計すると1万800円となり、2日間利用した場合は2万1,600円になります。

最大料金がない場合、いくら使っても割引とはならないため、比較的割高な代金になってしまいます。

最大料金がある場合(繰り返し適用あり)

次に、最大料金が設定されており、かつ繰り返し適用されるケースを見てみましょう。

【繰り返し適用ありのコインパーキングの料金表示】

  • 8:00~20:00 30分/200円 昼間最大1,000円
  • 20:00~8:00 60分/200円 夜間最大500円

※最大料金は繰り返し適用になります

こうした価格表示がされているコインパーキングを、8:00~18:00まで10時間利用したとしましょう。
その場合は、昼間最大の1,000円が適用されるので1,000円になります。
丸1日利用した場合は、昼間最大1,000円+夜間最大500円の1,500円です。
1日中停車しても代金は1,500円ということです。

「最大料金は繰り返し適用」と記載されているので、2日間にわたる駐車でも3,000円となります。
利用者にもわかりやすく、良心的なプランだと言えるでしょう。

今日の駐車場でもっとも普及しているのがこの繰り返し適用ありの最大料金制なのです。

最大料金がある場合(繰り返し適用なし)

最後に繰り返し適用なしの最大料金の場合です。

【繰り返し適用なしのコインパーキングの料金表示】

  • 8:00~20:00 40分/400円 昼間最大1,500円(1回限り)
  • 20:00~8:00 60分/200円 夜間最大600円(1回限り)

この駐車場を、朝8時から、夕方18時までの10時間利用した場合は、②と同じように昼間最大料金の1,500円が適用されます。
丸1日利用した場合も、「1,500円+夜間最大料金600円=2,100円」で、この考え方も②と同じです。

違うのはここから、2日連続で使用した場合です。
1日目は2,100円で、これはいいのですが、最大料金適用は1回限りなので2日目は左の単位料金で計算することになります。
すなわち、「昼間12時間分7,200円+夜間12時間分2,400円=9,600円」となり、2日分合計の代金は「2,100円+9,600円=1万1,700円」となるわけです。

これは同じ最大料金でも「繰り返し適用あり」の3,000円に比べて8,700円もの割高ですから、長時間利用者には向かない設定といえるでしょう。

高額請求にならないために注意すること

最大料金をうまく使えば、コインパーキングをリーズナブルに利用することができますが、その際、繰り返し適用がないと、2日目以降の代金が跳ね上がるので注意しましょう。

また、ほかにも時間帯や曜日、季節など、最大料金を適用する条件が細かく決められている場合がありますから、看板掲示でしっかり確認しておきたいものです。

また、コインパーキングの駐車料金は、入口付近の看板に大きく記載されているので、「何時間利用すればいくら」という見当をつけておきましょう。
時間制のコインパーキングでは、最大料金の設定がないところに車を長く停めた結果、数万円という金額を請求された例もあります。

駐車場の代金は都心部ほど高額になるので、このあたりのコインパーキングを利用しなければならないときは、周辺で少しでも安い場所を事前に探しておきましょう。

 

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コインパーキング料金の仕組みを知って賢く利用しよう

コインパ-キングの料金相場は、地価が高く、駐車スペースが少ない大都市部の中心ほど高く、地方との格差は大きく広がっています。
主要都市で一番高いのは、東京と大阪で、高値では1時間あたり1,000円を超えます。
ほかの都市はおおむね1時間あたり300~600円の相場となっています。

駐車場を長時間利用するには、最大料金の設定があるコインパーキングを選択すると、リーズナブルに利用できます。

ユアーズ・コーポレーションでは東京、宮城を中心にコインパーキングの導入実績があります。
首都圏と東北が中心ですが、全国規模でコインパーキング事業を今後も展開していきます。