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駐車場経営の委託方式と委託できる業務内容とは

        
公開日 2024.09.30 更新日 2025.05.08
    
駐車場経営 業務

「駐車場経営を始めてみたい」と考えても、さまざまな疑問や不安でなかなか踏み切れない方は多いのではないでしょうか。
「雑草は誰が処理するのか?」「無断駐車への対処は?」「清掃と見回りは大変そう」など、始めるにあたって気になることはたくさんありますよね。

そこで今回の記事では駐車場経営で委託できる業務と、委託費用の相場について解説します。
本記事を参考にしていただければ、どのように駐車場を経営していくのか具体的にイメージしていただけるはずです。

駐車場の経営方式

駐車場経営の委託について見ていく前に、まずは経営方式について解説します。
主流は次の3つです。

経営方式①:個人経営方式

“個人経営方式”とは、業者を利用せずご自身ですべての駐車場業務を行う方式のことです。
初期投資から管理、運営まで、経営のすべてを1人で実施します。

業者を利用しないためすべての利益が手元に残りますが、その分、管理の労務と時間がかかります。

点検や清掃、集金などはすべてご自身で行う必要があり、トラブルが起きた際には、その都度対応しなければなりません。

本業の傍ら副業として駐車場を経営したい場合には、負担が大きくなりすぎるためあまり現実的とはいえません。

経営方式②:一括借り上げ方式

駐車場経営会社に土地を貸し出し、駐車場の設営から管理・運営業務一切を丸投げできるのが“一括借り上げ方式”です。
運営会社から毎月の固定賃料が支払われ、それがオーナー様の利益となります。

土地を貸すだけで収入が得られるため、駐車場経営に関わる手間は一切発生しません。

時間や手間をかけず、保有している土地を有効活用したい方に適する方法です。

稼働率によって、収入が左右されやすいコインパーキングで多く採用されます。
一括借り上げ方式であれば、毎月、一定の収入が確保できるためです。
ただし、コインパーキングがフル稼働しても得られた利益は収入に反映されません。

経営方式③:管理委託方式

“管理委託方式”は、駐車場の管理を業者に委託する駐車場経営の方法です。
管理手数料を支払いますが、清掃や管理、集金など手間のかかる業務を一任できます。

業者に委託できる業務が増えるため、すべての管理業務をご自身で行わなければならない個人経営方式と比較して、その負担の差は明確でしょう。

管理手数料を支払う必要はありますが、稼働率の変動は個人経営方式同様、毎月の収入に反映されるので一括借り上げ方式とは違って、経営に関わる楽しみはあります。

「手間を減らして利益は追求したい」という方にはおすすめの経営方式といえます。

管理委託費方式の費用相場

駐車場の管理委託費用の相場は、賃料収入の5~10%とされています。

たとえば1台6,000円で10台分貸したとしたら、駐車料金は1か月あたり6万円です。
6万円の賃料の5~10%で、3,000~6,000円が委託手数料の相場となるでしょう。
コインパーキングでも計算方法は変わらず、得られた収入の5~10%が相場です。

駐車場の大きさや委託業務の内容、業者によって変わるため、見積もりをとることをおすすめしますが、手数料は賃料の5~10%程度と考えておけば大きな間違いはありません。

駐車場経営で委託できる業務

駐車場経営で委託できる業務について解説します。
委託できる業務は業者によって変わりますが、おおむね次のような業務です。

業務①:宣伝・集客業務

まず挙げられるのが、駐車場利用者を募るために行う宣伝や集客業務です。
広告を出したりインターネットで集客を行ったりして、すべての駐車スペースが埋まるように働きかけます。

前提として、駐車場は利用者がいなければ利益になりません。

月極駐車場は、契約者がいたとしても、途中で解約となることもありますし、コインパーキングであれば、宣伝をしなければ駐車場に気づいてもらえない可能性もあります。
駐車場のすべてが埋まるよう、利益を上げるための宣伝・集客は欠かせない業務といえます。

業務②:設備の点検・整備業務

設備の点検や整備業務は、設備の管理や修繕を行うために駐車場経営で委託できる業務の一つです。

月極駐車場であればコインパーキングのような設備は必要ありませんが、車留めやフェンスなどを設置するケースもあります。
車留めやフェンスが破損した場合には修繕が必要となり。照明が設置されていれば、電球の交換も必要でしょう。

コインパーキングでは精算機やロック板など、必要な設備が増えるため設備の管理・修繕業務はより重要となります。
設備の管理と修繕は、駐車場を問題なく使えるようにするために欠かせない業務です。

業務③問い合わせの対応業務

問い合わせの対応業務も委託可能です。
駐車場経営をしていると、利用者や近隣住民から問い合わせが入ることがあります。

基本的に駐車場は24時間いつでも出入りする可能性があります。
そのためもし駐車場経営を始めるなら、いつでも問い合わせに対応できる体制を築かなければなりません。

もし本業を持っていて日中働いているなら、会社に拘束されている時間は問い合わせに対応できないことになります。
駐車場経営を委託すれば、夜中であっても本業を持っていても、いつでも対応してもらえるため利用者の満足度が高まるはずです。

業務④:清掃・除雪業務

駐車場をきれいに保つための清掃業務です。
基本的に野外である駐車場は、さまざまなゴミが散らかりやすくなります。
街路樹の落ち葉や鳥のフン、中には空き缶やタバコの吸殻などが捨てられる駐車場もあるかもしれません。
ゴミが落ちていると利用者が不快感を抱き、解約率が高まる可能性もあります。

そこで重要となるのが日々の清掃業務です。
ゴミを拾ったり雑草を除去したりして、駐車場をきれいに維持します。
毎日の清掃は意外と面倒であり、委託できると経営がしやすくなるでしょう。

業務⑤:売上金の集金・集計業務

売上金の集金・集計も重要な業務です。

駐車場利用料として利用者から徴収した売上金を集計し、管理します。

これは、月極駐車場でもコインパーキングでも同様です。

コインパーキングは、日々の運営において小銭で支払われることも多いですが、そのままにしておくと、窃盗に遭ってしまうこともあるかもしれません。
そのためコインパーキング経営では、集金が特に重要性の高い業務だと言えます。

業務⑥:不正駐車の対応業務>

駐車場経営における大きな問題である、不正駐車に対応する業務です。
特に月極駐車場において多く生じやすいですが、コインパーキングでも起こることがあります。
コインパーキングの場合は、すぐに対応しなければ収益が減る原因ともなり得ます。

しかし先に解説したように、駐車場経営者がいつでもすぐに対応できる環境にいないこともあります。
外出していたり、本業の仕事をしていたり、夜間で眠っていたりすることもあるでしょう。
駐車場経営を問題なく続けるには、不正駐車への対応を委託できると大変便利です。

業務⑦:クレーム対応業務

近隣住民や利用者からのクレームに対応する業務です。
駐車場の管理がしっかりと行われていれば、利用者からのクレームはあまりないでしょう。
しかし近隣住民との問題は、駐車場利用者によって生じることがあります。
たとえば深夜に大きな音楽をかけながら停まっていたり、ライトが住宅に向けられて眩しかったりなどです。

不特定多数が利用するコインパーキングに比べると、利用者が決まっている月極駐車場では起こりにくいかもしれません。
しかしクレームへの対応は納得してもらうためのコツが必要です。
委託できれば、駐車場経営は格段に楽になるでしょう。

業務⑧:督促業務

月極駐車場の利用料金が滞納した際の督促を行う業務です。
オーナー様が自らでも行えますが、トラブルを避けるには業者に委託したほうが安心できます。
あまり頻繁に起きる問題ではありませんが、利益に関わるのが対応です。
もしものときに備えて、督促を委託できるのは心強いと感じられるでしょう。

管理委託方式がおすすめの人とは

マンション経営やアパート経営に比べれば手軽に始められる駐車場経営ですが、個人で完全運営するとなると、日常業務やトラブル対応にかかり切りになるかもしれません。

では、駐車場の運営管理を委託したほうがよいのはどのような人でしょうか?

ここではその例として3つ取り上げます。

下記のうち、どれか1つでも当てはまる方は、管理委託方式もしくは一括借り上げ方式で駐車場経営されることをおすすめします。

駐車場と自宅が離れている

よくあるのが、「実家を相続したが、今住んでいる地域から離れており管理ができない」という理由で実家を取り壊し、駐車場にするケースです。

とはいえ、オーナー様の自宅と、実家を取り壊して作った駐車場が離れていることに変わりありません。

日常的に清掃・見回りを行ったり、トラブルの際に駆けつけたりすることはできないので、オーナー様ご自身で管理・運営するのは難しく、管理業務は委託せざるを得ないはずです。

駐車場運営会社によっては、“清掃と問合せ対応を”“集金とメンテナンス対応だけ”といった具合に、オーナー様が望む業務だけを委託できるところもあります。

一括借り上げですべて駐車場運営会社にお任せする選択肢もありますが、手間のかかる一部業務だけでも管理会社に委託すれば安心でしょう。

委託する業務と、自分で行う業務の最終的見極めは、駐車場経営が軌道に乗ってきてからでも遅くはありません。

本業があり管理にかける時間的余裕がない

最近の副業解禁の流れに則って、本業の傍らで駐車場オーナーの肩書を持つ方も増えてきました。

平日は都会でサラリーマンをこなしつつ、週末は駐車場業務に携わるというのは理想ですが、すべて一人で対応するのは現実には難しいものです。

時間的余裕がなければ問い合わせ対応に時間がかかってしまい、事故やトラブルも慣れた人でなければ対応できません。

運営管理業務はすべて委託してしまうか、あるいは一括借り上げで運営会社に丸投げすれば、こうした煩わしい日常業務からは解放されます。

トラブルの対応はしたくない

事故の処理や、料金滞納トラブル、不正駐車トラブル、利用者同士の諍い、近隣住民からの苦情などなど、駐車場経営をめぐるトラブルの種はつきません。

「クレーム対応は不慣れだし、やりたくない」という方は管理会社に業務を一任しましょう。

クレームには、対応する際のコツやポイントがあり、それを知らないと、精神的につらい思いをしてしまいます。

トラブル対応を一任したい方は、管理委託方式や一括借り上げ方式がおすすめです。

管理会社はどうやって探す?

駐車場管理の業者については、月極駐車場であれば駐車場近くの不動産会社に問い合わせてみるとよいでしょう。

近くの月極駐車場を見てみると、管理会社の名前が書いてあるので、そこに直接問い合わせれば対応してくれるはずです。

一方、コインパーキング方式を考えているのであれば、問い合わせ先はコインパーキング専門業者です。

業者ごとにプランが用意されているので、資料を貰ってじっくり検討したいところです。

同じ管理委託方式でも、コインパーキングの機器を自分で購入して、駐車場の保守管理・メンテナンスのみ委託すれば、売上のほとんどはオーナー様の収益になります。

駐車場経営は委託を上手に活用して

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、駐車場経営委託についてご理解いただけたと思います。

駐車場は利用者にいつでも自由に使ってもらえるものの、意外と管理が手間に感じられるものです。
委託業者を利用すると日々の管理を行う必要もなく、副業としても経営しやすくなるでしょう。

ユアーズ・コーポレーションではコインパーキング経営のサポートを行っております。
駐車場経営を委託したい、コインパーキング経営を始めたいと考えているなら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

コラム監修者

太田 佳里

太田 佳里(オオタヨシサト)

パーキング事業部 マネージャー

宅地建物取引士 2級土木施工管理技師

<略歴>

駒澤大学を卒業後、不動産業界へ就職

<コメント>

弊社では創業から50年不動産の有効利用、資産管理を一貫して行ってまいりました。土地活用のエキスパートとしてオーナー様のご要望にお応えするサービスの提供を行ってまいります。

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